ハイレゾ対応音楽プレイヤーとカーオーディオの接続方法なんてそんな何通りも無いでしょ・・・っていうか、接続方法とか難しそうであまりかかわりたくないんですけど・・・って方も多いかと思います。
しかし、接続方法は音響性能に直結します。 分かりやすさ重視がこのサイトのコンセプトなので、できる限り分かりやすく説明していきたいと思います。 ポイントは次にあげるたった2つのことです。 超シンプルです。
- 接続している線が目で見えるか見えないか → 有線信号と無線信号のどちらを使って送るか
- 送る時に使う信号の形式がデジタルかアナログか
実はこの2つの組み合わせで接続方法が決まります。 この記事を読むことで、ハイレゾ音楽プレイヤーとカーオーディオの接続方法がほぼ理解でき、自分に合った接続方法を見つけることができると思います。
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ハイレゾ・ポータブル音楽プレーヤーの接続方法一覧
2016年時点でハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーを車で楽しむためにカーオーディオに接続する方法は大きく分けて以下4つに集約して考えることができます。
ちなみに、ハイレゾ対応・ハイレゾ非対応にかかわらず、現時点で存在する全てのポータブル音楽プレイヤー・スマホも同様に以下4つの接続方法となります。
- アナログ信号で有線接続(AUX接続・FMモジュレーター接続など)
- アナログ信号で無線接続(FMトランスミッター接続など)
- デジタル信号で有線接続(USB/HDMI接続など)
- デジタル信号で無線接続(Bluetooth/Wi-Fi接続など)
各接続方法のメリット・デメリット
次に、各接続方法のメリット・デメリットについて書いていきます。
アナログ信号で有線接続(AUX/FMモジュレーター)
まずは最も安定感と歴史(笑)のあるアナログ信号での有線接続です。 実は以下の2つの方法があります。
- ステレオミニプラグケーブルなどを使ったアナログAUX接続
- オーディオデッキのFMアンテナ入力に割り込ませるFMモジュレーター接続
アナログAUX接続は一番お手軽かつ高音質ですが、お使いのクルマにAUX端子等が装備されて無ければ使うことができない接続方法です。
一方でFMモジュレーター接続は、オーディオデッキへ元々接続されているラジオアンテナ線にFMモジュレーターという機器を割り込んで接続させる改造が必要ですが、お使いのクルマにFMラジオが設定されている限りほぼ使える非常に汎用的な接続方法です。
また、このFMモジュレーター接続ですが、次項”アナログ信号で無線接続”で登場するFMトランスミッター接続と音質を比較した場合、”無線VS有線”ですので無線によるノイズ性能が改善され、FMトランスミッター接続に対する音質の優位性があります。 しかしFMトランスミッター同様にハイレゾ音源の再生を考えた場合、音質的におすすめできません。 FMラジオの信号のビットレートは約96kbpsに対し、ハイレゾ音源のビットレートはCDの1,411kbps以上であり情報の欠落があまりも大きいのです。
よって、アナログ信号での有線接続に関しては、FMモジュレーター接続ではなくアナログAUX接続に絞って話を進めていきます。
アナログAUX接続では、ほぼミニステレオプラグが採用されているであろうポータブルプレイヤーのヘッドホンアウト端子またはポータブルプレイヤーをUSB接続※したポータブルアンプやUSB-DACのヘッドホンアウト端子とカーオーディオデッキユニットのAUX端子をステレオミニプラグケーブル等で接続します。
※代表的なポータブル機器のUSB接続ケーブルは以下の通りです。 USB接続は接続される両方の機器がお互い対応している必要があるので注意が必要です。
- ウォークマン:WM-Port/USB変換ケーブル
- iPhone4/iPod:iPad カメラコネクションキット+USBケーブル or ドック/USB変換ケーブル
- iPhone6/5用:ライトニング-USBカメラアダプタ+USBケーブル or ライトニング/USB変換ケーブル
ここで、カーオーディオデッキユニット側の端子は、
- ミニステレオプラグ(1個の端子で3極または4極の信号に対応)
- RCAピンプラグ(赤色と白色の2個の端子のセット)
の2種類がほとんどです。
ミニステレオプラグの場合、頻繁にケーブルの取り外しを行うことが想定されており、オーディオパネル付近やコンソールBOX・グローブBOXの中などにある場合が多いです。
ミニステレオプラグのジャックは下の写真のような感じです。 緑色の穴の部分です。
下の写真は、ミニステレオプラグがオーディオパネル付近に配置されている場合の例(レクサスCT)です。
また下の写真は、コンソールBOXにある場合の例(レクサスIS)です。
逆にRCAピンプラグの場合、コンソールBOX・グローブBOXの中などにある場合もありますが、オーディオデッキの裏側にある場合もあります。 その場合オーディオデッキの取り外しが必要になります。
アナログ信号で有線接続することのメリットは、何といってもお手軽さです。ポータブル機器にヘッドホンケーブルをつなぐ感覚で、車につなぐだけです。 信号もアナログの為、デジタル信号のようなクロック同期や通信プロトコルに気を使う必要はありません。
また、音質についてもケーブルの中に閉じ込めて伝送するためほぼ劣化なしです。 アナログ信号とはいえ、このような短い伝送区間での大幅劣化はまず考えられません。
メリットをまとめると、以下の通りとなります。
- 非常に手軽に接続できる。プラグの形が合えばまず問題なし。
- ほぼ音質の劣化が無い。
逆にデメリットは無しと言ってもいいくらいですがあえてあげるとすると、
- 場合によってはデジタル信号の有線接続より音質が劣化する
- デジタル信号での接続と比べてノイズの影響を受けやすい
- ケーブルの取り回しがじゃまである
といったところになります。
ここで紹介させていただいた”ハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーをカーオーディオへアナログ信号で有線接続“する場合について、さらに少しでもいい音で聴けるよう音質の劣化を防ぐ方法をこちらの”iPhone・ウォークマン等で車のAUX接続時に音質を劣化させない3つの注意点“の記事に詳しくまとめさせていただきました。 また、少しでも高音質に聴けるようにするための考え方をこちらの”車の中でiPhone・ウォークマン等で音楽を高音質に楽しむ簡単な方法[コンセプト編]“の記事に詳しくまとめさせていただきました。 さらにこちらの”知っておきたい車のAUX端子用ステレオミニプラグケーブルの選び方“の記事にてケーブルそのものの特徴をまとめさせていただきました。 もしよろしければ合わせてご覧ください。
アナログ信号で無線接続(FMトランスミッター)
次に最も汎用性が高いアナログ信号で無線接続です。
FMトランスミッターという別の機器を使用し、カーオーディオのデッキユニットへFMラジオの信号としてラジオ用のアンテナ経由で入力します。 お使いのオーディオデッキに有線の入力端子が一切無くても接続可能です。 FMラジオが聴けないカーオーディオはなんてほぼ無いと考えても良いからです。
しかし残念ながらハイレゾ音源の再生を考えた場合、この方法は音質的におすすめできません。 FMラジオの信号のビットレートは約96kbpsに対し、ハイレゾ音源のビットレートはCDの1,411kbps以上であることは間違いありません。 情報の欠落が大きすぎるのです。
デジタル信号で有線接続(USB/HDMI)
次は接続が確立できれば最も高音質が望めるデジタル信号で有線接続です。
現時点で考えられる接続方式としては、オーディオデッキ側はUSBまたはHDMIでの入力となります。
ポータブルプレイヤー側はソニーのウォークマンであればWMポート、スマホでればUSBかHDMI、iPhone/iPodであればライトニング端子またはドックコネクタと様々ですが、実は端子の形状だけではなく信号の同期・制御が必要となるため、オーディオデッキとポータブルプレイヤーがデジタル接続される前提で設計されていない限り、簡単に接続することはできません。
現時点で現実的に可能な接続方法は、一部のオーディオデッキとiPhone/iPodでのUSB接続くらいです。
しかし、このデジタル接続でもハイレゾ音源がそのままのビットレートで伝送されるわけではなく、ほぼ間違いなくダウンコンバートされCD相当のビットレートまで圧縮されてから伝送されていると考えられます。
ただそれを言い出すと、ほとんどカーオーディオのオーディオデッキでの内部信号処理自体がCD以上の音源を取り扱う前提では設計されていないため、遅かれ早かれ入力された後のどこかのタイミングでCD程度のデジタル信号にダウンコンバートされている場合が多いのかもしれませんが。
メリットをまとめると、以下の通りとなります。
- 最も高音質に伝送できる可能性が高い
- ノイズの影響を受けずに伝送可能
逆にデメリットをまとめると、以下の通りとなります。
- オーディオデッキとポータブルプレイヤーのお互いが接続対応していないとつながらない
- 接続できたとしても伝送方式や内部信号処理の都合で信号がダウンコンバートされて結局CD相当の音質なる可能性大
- ケーブルの取り回しがじゃまである
といったところになります。
デジタル信号で無線接続(Bluetooth/WiFi)
最後は、一見音質も汎用性も高そうなデジタル信号で無線接続です。
現時点で考えられる接続方式としては、BluetoothのA2DPプロファイルまたは、Wi-Fiです。 有線と違ってコネクタの形は関係なくなりますが、有線の場合と同じようにデジタル信号ならではの同期・制御が必要となるため、オーディオデッキとポータブルプレイヤーがデジタル接続されるようにあらかじめ対応していなければなりません。
BluetoothのA2DPプロファイルは多くのポータブルプレイヤーやカーオーディオで採用されており汎用性は高いですが、FMトランスミッターの約96kbps ほどではないものの実質約200kbps(規格上の上限は512kbp)の帯域に制限されハイレゾ音源の音質劣化が大きいです。
Wi-Fiに関しては、特に現時点でカーオーディオ側の対応機器がほとんどありませんが、ビットレート的にはポテンシャルがありますので、将来的にはお手軽かつ高音質な接続方式になる可能性はあります。 現時点では厳しいですが。
ハイレゾ音楽プレーヤーおすすめ接続方法まとめ
結論としては、現時点での手軽さと音質とのバランスを考えると、アナログ信号で有線接続がダントツで一番おすすめです。
一例となりますが、下図のような接続イメージです。
ただ、近い将来、USBなどのデジタル信号で有線接続やWi-Fiなどのデジタル信号で無線接続が急速に進化する可能性もあり、その場合はアナログ信号で有線接続に置き換わる可能性も十分ありえます。
こちらで紹介させていただいた、ハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーとカーオーディオのアナログAUX接続を使ってクルマの中でより高音質に音楽を楽しむための“考え方”をこちらの”車の中でiPhone・ウォークマン等で音楽を高音質に楽しむ簡単な方法[コンセプト編]“の記事に、“具体的な接続方法詳細”をこちらの”車の中でiPhone・ウォークマン等で音楽を高音質に楽しむ簡単な方法[接続実践編]“の記事にまとめましたので、もしよろしければご覧ください。
また、こちらで紹介させていただいた、ハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーとカーオーディオのアナログAUX接続を使った方法も含めたハイレゾ音源を簡単に高音質なままクルマで楽しむ様々な方法をこちらの”誰でも簡単にハイレゾオーディオを車で楽しむ方法“の記事に整理しましたので、もしよろしければご覧ください。