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こんな方法があったのか!音質を犠牲にしないBluetooth活用方法

公開日: : 最終更新日:2016/10/01 カー用品使いこなしノウハウ, 車の音質向上

ここ数年、スマホ・ポータブル音楽プレイヤーとケーブル無しで接続できるBluetooth対応イヤホン・Bluetooth対応スピーカーなど様々なタイプのBluetooth対応機器が販売されるようになりました。

また、iPhoneが最新のiPhone7からAUXジャック(アナログイヤホンジャック)非対応になり、音質がよくないと言われている”Lightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ”を使うか、まだ種類も少なくやや割高なLightningコネクタ対応イヤホンを使わない限り、Bluetooth対応イヤホン・ヘッドホンを使うしか選択肢が無くなりました。

というわけで最近、ちょっとしたBluetoothブームが起きています。 しかし、Bluetoothにはケーブル無しで接続できたりする便利なところもある反面、恐ろしく音質が低下する可能性があったりと注意が必要な面もあります。

音質を犠牲にしないBluetooth活用方法イメージ

ここでは、Bluetoothならではの便利さも活用しつつ、Bluetooth最大のデメリットとも言える音質低下を防ぐ方法について考えてみます。

そもそもBluetooth(ブルートゥース)とは、Wi-Fiなどと同様の無線通信の規格の1つです。

ペアリングという初期設定を最初に1回行うだけで、対応機器どうしを無線接続してデータのやりとりが行えます。

ガラケー全盛期にはBluetooth対応ケータイの数はそんなに多くなく、あとは一部パソコン周辺機器くらいしかBluetooth対応機器はありませんでした。 しかしスマホの急激な普及に伴い、ほぼ全てのスマホがBluetoothに対応していることから、スマホ周辺機器としての市場が急拡大しています。

最近はやりのBluetooth対応イヤホン・Bluetooth対応スピーカーも主な使われ方としては、スマホやBluetooth対応ポータブル音楽プレイヤーとの接続がメインです。

 

Bluetoothでできること

Bluetoothには、Bluetoothというその大きな規格の中に、プロファイルという小さな規格のようなものがあります。 接続機器や使用方法ごとにどのプロファイルに対応しているかで、実際どういうことができるかが決まります

音声に関する主なプロファイルは以下の通りです。

  • HFP(Hands-Free Profile):車やハンズフリー用ヘッドセットでハンズフリー通話と通話の発信着信が行う
  • A2DP(Advanced Audio Distribution Profile):ハンズフリーよりはマシなレベルの高音質音声をイヤホン・カーオーディオ等に伝送する
  • AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile):オーディオ・映像関連の機能について、リモコンのように遠隔操作を行う
  • PBAP(Phone Book Access Profile):スマホ・携帯電話から電話帳のデータを転送・同期してカーオーディオ側等から電話できるようにする

カーオーディオとスマホ・ポータブル音楽プレイヤーを接続した場合、たいていA2DPとAVRCPの2つのプロファイルが同時に接続されます。 その結果、スマホ・ポータブル音楽プレイヤーの中の音楽データをケーブル接続無しでカーオーディオのスピーカーで再生できるだけでなく、カーオーディオ側の操作パネルから「再生・停止・曲送り」等、スマホの中の音楽データを遠隔操作することができます。

 

Bluetoothのメリット・デメリット

ここであらためてBluetoothのメリットとデメリットを整理してみます。

 

Bluetoothのメリット

  • 無線(接続ケーブル不要)なのでケーブル取り回しを気にせず”すっきり”
  • ハンズフリーや音楽再生の遠隔操作ができるのでスマホや携帯・ポータブル機器等はポケット・かばんの中に入れっぱなしでOK
  • ハンズフリー通話を行うには十分な音質
  • PBAP対応機器ならスマホ・携帯側の最新の電話帳を使って電話ができる

やはり最大のメリットは、ごちゃごちゃしたケーブル無しでデータのやりとりができることです。

スマホや携帯・ポータブル音楽プレイヤーを接続するケースが多く考えられますが、その名の通り携帯したりポータブルに持ち運びたいとき、ケーブルがあると足かせになってしまいます。 また、カーオーディオとの接続においては、ただでさえ狭い車内がケーブルでごちゃごちゃするのは見栄え上よくないだけでなく、ケーブルの取り回し経路によってはシフト操作の邪魔になったりと安全上の問題が発生する可能性もあります。 以下写真はケーブル接続の例です。

Bluetoothを使わないケーブルごちゃごちゃイメージ

 

Bluetoothのデメリット

  • 音楽再生(A2DP標準コーデックのSBC使用時)は音質がかなり低下する
  • ペアリング等の初期設定めんどくさい
  • 一般的に2つ以上の機器と同時にはペアリングできない

Bluetooth接続におけるハンズフリー通話の利用であれば使い勝手・音質共に十分なものですが、音楽再生においては多くの場合かなり音質が低下してしまいます。 実際、Bluetooth接続とケーブルを使用したAUX接続とで音質比較いただければ一目瞭然ならぬ一聴瞭然ですが、明らかに音質が低下し、立体感の無いかつ高音の伸びも抑えられた残念な音質になってしまいます。

音楽伝送を行うためのプロファイルであるA2DPには音楽データを無線で送受信する場合のデータ圧縮方法が規定されています。 圧縮方法としてA2DPで標準規定されているSBC(Sub Band Codec)は、規定当時のハードウェア負荷の軽減等の理由によりかなり音質を犠牲にする仕様となってしまっています。

音質を決定づける1つの指標としてビットレートを使い、代表的な音源フォーマットを一覧に整理すると、

  • FMラジオ:約96kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源をBluetooth A2DP(SBC)接続事実上64~約200kbps
  • MD(ATRAC):292kbps (MDLP 2倍モード:146kbps)
  • mp3/AACなどの圧縮音源を記録したメディア:事実上64~320kbps
  • CD(-DA):1,411kbps

となります。 数字が大きい方が1秒あたりのデータ量が多いので、より音質がよいと考えます。 元が例えばCDや256kbps程度のmp3/AAC等の音楽データの場合、Bluetooth A2DP(SBC)接続を行うことでそこがボトルネックとなり音質が低下することがおわかりいただけると思います。

次に、最初に1回だけは行わなければならないペアリングですが、Bluetoothのバージョンや機器メーカーの努力により年々分かりやすくなってきてはいるもののまだまだ使う側にとっては分かりづらいのが現状です。

また、Bluetoothはペアリングという名の通り一般的に1対1で機器を接続するので、1つの機器に対し2つ以上の機器と同時接続することができません。

例えば、私は普段スマホとスマートウォッチをペアリングさせていますが(スマホへの着信時に腕時計が教えてくれるのでスマホ本体はポケットやかばんの中に埋もれていても大丈夫なので)、そのまま車に乗り込んでもカーナビ・カーオーディオとのペアリングは正しく行われません。 さすがに運転中はスマートウォッチではなく、カーナビ側で着信・発信操作をしたいと思ったら、一旦スマートウォッチとのBluetooth接続を切断して、意図的にカーナビだけとBluetoothの再接続をしなければならないのです。

 

スマホ・音楽プレイヤーとカーオーディオの一般的なBluetooth接続例

Bluetoothで音楽を聴く場合のメリット・デメリットについて図を使いながら簡単に解説してみます。

以下の図は、車の中にスマホやウォークマンなどの音楽プレイヤーを持ち込み、Bluetooth接続している場合の図です。

車とスマホ・ウォークマンなど音楽プレイヤーのBluetooth接続図スマホ・ポータブル音楽プレイヤーは、カーオーディオメインユニットとペアリングという初期設定さえ一度済ませてしまえば、その後、スマホ・音楽プレイヤーがポケットやかばんの中にあろうが、カーオーディオの操作パネルから遠隔操作ができスマホ・ポータブル音楽プレイヤーの中に入っている音楽を車のスピーカーから再生することができます。

この時、

  • カーオーディオの操作パネルから遠隔操作ができる
  • カーオーディオとスマホ・音楽プレイヤーはケーブル接続不要

というのがBluetoothの大きなメリットです。

運転中でもスマホ・音楽プレイヤー本体を気にすることなく音楽を楽しめます。 走行中の携帯電話使用と同様に、走行中のスマホ操作は交通ルール違反でもありますし。

しかし、音質については注意が必要です。 実際に聴いてみれば一目瞭然ならぬ一聴瞭然ですが、ほとんどのカーオーディオとスマホ・音楽プレーヤーの組み合わせ場合、激しく音質が低下します。

この時、何が起こっているかというと、上図のスマホ・音楽プレイヤーの中で、無線で音楽データをカーオーディオに送るための処理が行われています(緑色の点線吹出部)。

この中で特に音質に対して問題なのは、D/D(Dec)、D/D(Enc)と書かれた部分です。 D/D(Digital to Digital convert)はデジタル信号を別のデジタル信号に変換することを意味します。 デジタル信号を変換する場合、特にここで実施されているような不可逆圧縮(データを圧縮・軽量化する等のためにもとの信号を完全に再現できない圧縮方式)を使えば、データ変換を繰り返した回数だけオリジナルのデータからどんどん違うものに音質低下していきます。

 

音質を犠牲にしないBluetooth活用方法

上に書かせていただいたとおり、Bluetooth接続による音楽再生は利便性は高いものの音質が残念というのが一般論ですが、実はこのBluetooth接続時の音質低下を解決する方法が2つあります。

  • SBCの代わりにapt-x, AAC, LDACなどBluetooth A2DP非標準・後発コーデックを利用する
  • 音楽転送はAUX、再生コントロールはBluetooth対応HMI機器を併用利用する

現在ではBluetooth A2DPの標準規格ではありませんが、AAC, apt-x, LDACなどSBC(Sub Band Codec)に代わる高音質を維持できる新しいコーデックが登場しています。 特にSONYが提唱するLDACはハイレゾ音源の転送にもそれなりに耐えうる仕様となっています。 先ほど同様にビットレートを使って音源フォーマットを一覧に整理すると、

  • mp3/AACなどの圧縮音源をBluetooth A2DP(SBC)接続事実上64~約200kbps
  • MD(ATRAC):292kbps (MDLP 2倍モード:146kbps)
  • mp3/AACなどの圧縮音源を記録したメディア:事実上64~320kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源をBluetooth A2DP(AAC)接続事実上64~320kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源をBluetooth A2DP(apt-X)接続最大352kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源~FLAC/ALAC/DSDなどのハイレゾ音源をBluetooth A2DP(LDAC)接続最大990kbps
  • CD(-DA):1,411kbps
  • FLAC/ALAC/DSDなどのハイレゾ音源が記録されたメディア:事実上1,411kbps以上

となります、SBCの代わりにAAC, apt-x, LDACを使用することで、ようやく元音源同等以上のビットレートが確保でき、無線化による音質劣化を最小限におさえられるイメージがご理解いただけると思います。 ちなみに、iPhone7は現状AACには対応していますが、apt-x, LDACには非対応です。

しかし、AAC, apt-x, LDACに共通して言えることは、A2DPの標準規格でないことや出始めであることもあり、対応機器が非常に少ないということです。 ちなみにスマホ等のポータブル機器側ではこれらの新コーデックに対応した機器はある程度増えてきましたが、カーオーディオに関してはAAC, apt-x, LDACなどのコーデック対応のものはほぼ皆無です。 また、機器開発メーカーがこれらの新しい非標準コーデックに対応させようとするとライセンス料の支払い等が発生し、その分機器の価格が高くなってしまうというのも新コーデックの普及に足かせとなっています。

そこで、おすすめなのが2番目のAUXとBluetoothを併用する方法です。

音楽データのやりとりはケーブルが必要となりますがAUX接続を利用します。

そして、再生・曲送り等のコントロールはBluetooth対応HMI機器を利用します。

以下の図のようなイメージです。

車とスマホ・ウォークマンなど音楽プレイヤーのAUXとBluetoothのAVRCP併用接続図この方法ですと、一見、普通のAUX接続と変わらないようにも見えますが、ポイントはBluetooth対応HMI機器を併用利用することで、AUX接続では必要だったスマホ・ポータブル音楽プレイヤーの直接操作が不要になるところです。

つまり普通のAUX接続だと以下の図のようになり、先ほどのBluetooth対応HMI機器を併用利用(上図)と比べ、再生・曲送りのためにスマホ・音楽プレイヤーを直接操作しに行かなければならない状況となります。

上図のようにBluetooth対応HMI機器をうまく活用することでスマホ・音楽プレイヤーの遠隔操作ができ操作性という点ではBluetooth接続ならではの利便性が確保されるのです。

車とスマホ・ウォークマンなど音楽プレイヤーのAUX接続図

 

サテチBluetoothメディアボタンを使用したBluetooth活用方法

では実際にBluetooth対応HMI機器を使用した音質低下の無い具体的方法と注意点について考えていきます。

ここでは、私KYOが実際に使用している”サテチBluetoothメディアボタン“という下の写真のBluetooth対応HMI機器を例に説明させていただきます。

以下の写真が実際の接続例です。 ステアリング(ハンドル)の左下に取り付けている丸いのが”サテチBluetoothメディアボタン”です。 中央下のスマホ・ポータブル音楽プレーヤーはAUXケーブルで接続されており、中央上のオーディオディスプレイにはオーディオモードがAUXモードになっていることが示されています。

車とスマホ・ウォークマンなど音楽プレイヤーのAUXとBluetoothのAVRCP併用接続例

下の写真のようにステアリング(ハンドル)上など運転中でも操作しやすい場所に”サテチBluetoothメディアボタン”を設置します。 もちろんBluetooth対応なのでケーブル等は一切無く好みの位置に設置できます。

サテチBluetoothメディアボタン設置例

仮にBluetooth対応HMI機器を使わずにAUX接続されたスマホ・ポータブル音楽プレーヤーの再生・曲送りを行う場合、下の写真のようにポータブル機器側を直接触りに行かなければなりません。 もしも運転中なら手探りになってしまう上、安全上も微妙です。

Bluetoothを使わないAUX接続時の操作例

最後に“サテチBluetoothメディアボタン”をBluetooth接続する際の注意点が2つあります。

  • カーオーディオ側のオーディオモードは必ず”AUX”を選択
  • カーオーディオとスマホ・ポータブル音楽プレーヤーはBluetooth接続しない

カーオーディオ側のオーディオモードは確実に”AUX”を選択し、AUXケーブルを接続して音楽信号を入力してください。 通常はAUX接続でないとハイレゾ音源などにも耐えうる高音質な音楽信号入力ができません。

また、前述の通り音質の低下を避けるため、カーオーディオとスマホ・ポータブル音楽プレーヤーはBluetooth接続しないでください。 もしもカーオーディオとスマホ・ポータブル音楽プレーヤーがBluetooth接続されてしまっている場合は一旦切断し、”サテチBluetoothメディアボタン”とスマホ・ポータブル音楽プレーヤーを再度Bluetooth接続します。

サテチBluetoothメディアボタンの詳しい情報・価格等はこちらからご確認いただけますので、もしよければご参考にどうぞ。

 

音質に限らず車でBluetoothを使用する場合、事前に知っておくと役立つ注意点をこちら”車・カーオーディオでBluetoothを使う場合に知っておきたい4つの注意点“の記事にまとめましたので、車でBluetoothの利用を検討されている方は、ご参考にどうぞ。

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  1. […] 自分は車中の音質にはそこまでこだわらないが、音質にこだわる人はケーブル接続が良いのかも知れない。 こんな方法があったのか!音質を犠牲にしないBluetooth活用方法 […]

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  • 名前:KYO(30代後半・理系)
    職業:カーオーディオの設計開発
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