フォルクスワーゲンなど輸入車のタイヤ交換時の注意点と節約方法

フォルクスワーゲン・ベンツ・ポルシェなど外車・輸入車のタイヤ交換を行う場合、一般的な国産車と違って3点ほど注意点があります。具体的には、

  • 輸入車ディーラーなど限られた場所でのタイヤ交換が必要
  • タイヤ空気圧センサ(TPMS)と一体化されたエアバルブの交換が必要
  • ホイールの取付構造が特殊で専門知識が必要

などです。

さらにディーラーだとタイヤの価格が割高だったりするので、外車・輸入車のタイヤ交換を検討してみたら、国産車とは違う知らないことが多くて不安になることもあるかと思います。

輸入車のタイヤ交換時の注意点イメージ

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そこでここでは、VW(フォルクスワーゲン)・Porsche(ポルシェ)・Volvo(ボルボ)など5台の輸入車を20年以上乗り継ぎ、かつ自動車会社の技術部門で20年に渡り車の開発に携わってきた私の経験をもとに、輸入車のタイヤ交換注意点タイヤ交換費用を節約できる具体的な方法について解説していきます。

また、実際私が愛車のフォルクスワーゲンやポルシェのタイヤをネット購入+提携取付店のガソリンスタンドで交換してみた際に利用した方法や感想なども合わせて書かせていただきます。

  • 輸入車に数年間お乗りまだ1度もタイヤ交換されて無い
  • 輸入車のタイヤ交換を検討中の方
  • メーターにタイヤ空気圧が表示される車の方

は特に参考になるかと思います。

外車・輸入車のタイヤ交換の注意点事前に把握いただくことで、最低限の出費でタイヤ交換していただけたらと思います。

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輸入車のタイヤ交換時の注意点と交換時期

輸入車のタイヤ交換時の注意点概要

フォルクスワーゲン・ベンツ・ポルシェなど輸入車のタイヤ交換時の注意点は、主に以下3点です。

  • 輸入車のタイヤ交換場所の注意点
  • 空気圧センサ内蔵タイヤホイール交換時の注意点
  • タイヤサイズ/種類/取付ボルトナットの注意点

後ほど1点ずつ詳しく解説していきます。

 

輸入車のタイヤ交換時期と寿命

輸入車に限らず、タイヤの一般的な交換時期は以下の通りです。

以下3つのうちどれか1つでも当てはまる場合、タイヤの状態を確認いただき交換を検討いただくのがおすすめです。

  • 残り溝:3~4mm以下(1.6mm以下で道路交通法違反)
  • 年数:3~6年経過
  • 走行距離:3万km前後経過

タイヤの溝は新品タイヤの状態で8mmであり、残り溝が3~4mm以下になると急激な性能劣化が始まります。

また、走行距離が少なくて溝が十分残ってる場合でもタイヤのゴムは年々劣化するため、使用開始から3~6年経過の場合は寿命を考えると交換すべき時期と言えます。

ちなみに私のフォルクスワーゲンティグアンは5年目で走行距離4万kmだった時にタイヤの溝は十分ありましたが、下図の通りゴムの経年劣化が進んでひび割れが発生していたので交換することにしました。

フォルクスワーゲンティグアンのタイヤのひび割れ

走行距離についてはタイヤの種類や使用状態によって大きく変わってきますが、目安としては1万km毎に2mm摩耗すると言われており単純計算では3万km前後で残り溝が2mmとなりタイヤ交換となります。

一方で私のポルシェ718は後輪駆動のせいか、前回タイヤ交換時からわずか2万kmでタイヤの溝が2.5mm未満だったので、安全のためにタイヤ交換することにしました。

 

輸入車のタイヤ交換場所の注意点

まず初めに、輸入車のタイヤ交換場所に関する注意点ですが、以下3点です。

  • ディーラーや輸入車作業可能な専門店以外では作業不可能
  • タイヤ交換費用がディーラーだと高額
  • タイヤホイール組替作業はDIY不可能

次章より1点づつより詳しく解説していきます。

 

ディーラーや専門店以外では作業不可能

輸入車のタイヤ交換場所の注意点1点目は、輸入車のタイヤ+ホイール部分の構造の特殊性により、作業できる場所が限定されてしまうことです。

正規ディーラーでのタイヤ交換作業は全く問題無ですが、ディーラー以外の場所でのタイヤ交換作業となると注意が必要です。

いつも私が使ってる楽天Carタイヤ交換サイトで交換作業を行える提携取付店にも、多くの輸入車作業不可の店舗がありました。例えば、下図青枠部が輸入車作業可能、黄枠部が輸入車作業不可能であることを示してます。

楽天Carタイヤ提携取付店の輸入車作業対応可否の例

 

輸入車のタイヤ交換場所は限られるが探せば見つかる

一方、逆に言うと、限定的ではあるもののディーラー以外でも輸入車作業可能な店舗は確実に存在します。

私の住んでる田舎でも輸入車作業可能な店舗は市内に数ヶ所ありましたし、偶然私の家から10分のガソリンスタンドも輸入車作業可能店舗だったので、探せばいくらでもあると思います。輸入車作業可能な店舗は、こちらの楽天Carタイヤ交換から探せます。

輸入車のタイヤ交換作業可能なガソリンスタンド店舗の例

今回私がタイヤ交換をお願いしたガソリンスタンド(出光アポロステーション)には、上図の通りこれまでの持ち込みタイヤ交換実績が壁一面に貼り出されてました。

そのタイヤ交換実績を見る限り、ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェ、マセラティなど多くの輸入車の記載があり、意外と多くの輸入車オーナーの方がガソリンスタンドを活用して安く賢くタイヤ交換されてると感じました。

 

輸入車のタイヤ交換場所が限られる理由

輸入車のタイヤ交換場所が限られる理由は、いろいろあると思いますが、大きな理由の1つとしてタイヤホイール部分の構造が国産車と違うからだと考えられます。

具体的には、以下2点において国産車と比較して特殊なタイヤホイール構造となっています。

  • タイヤホイール取付構造がナットでは無くハブボルト固定の場合あり
  • 空気圧センサ内蔵エアバルブが装着されている場合あり

 

輸入車のタイヤホイール取付構造はハブボルト固定方式の場合あり

国産車のタイヤホイール取付構造ハブナット固定方式の例

上図は一般的な国産車ダイハツコペンの例ですが、アクスルハブからボルトが生えていてナットでホイールが固定する構造になっています。

これに対し、下図はフォルクスワーゲンティグアンの例ですが、多くの輸入車では下図赤枠のようにアクスルハブからボルト生えて無くボルトをねじ込む穴が開いていてホイールを固定する構造になっています。

実は、フォルクスワーゲンに限らず、ベンツやポルシェもこのようなハブボルト固定方式を採用しており、最近ではレクサス車の一部も採用を始めています。

輸入車のタイヤホイール取付構造ハブボルト固定方式の例

部品締結点数を減らせるためタイヤの取付剛性が向上して性能上はメリットがあるのですが、その反面、ホイール脱着時にハブボルトで仮置きができないなど作業が難しくなるデメリットがあります。

ちなみに具体的な部品締結点数は、

  • ハブボルト固定方式:アクスルハブ+ボルトの2点
  • ハブナット固定方式:アクスルハブ+ボルト+ナットの3点

と、3→2点に減る計算です。以上より、輸入車ではタイヤの脱着作業だけでも作業に専門性が求められると言えます。

 

輸入車はタイヤ空気圧センサ(TPMS)内蔵エアバルブが装着の場合あり

タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)については後ほど詳しく説明しますが、多くの輸入車には下図赤枠のタイヤエアバルブと一体化された空気圧センサ(=空気圧モニタリングシステム)が装着されている場合があります。

フォルクスワーゲンティグアンのタイヤ空気圧センサ一体型エアバルブの装着例

この空気圧センサが装着されている場合、

  • タイヤホイールの配置(前後左右)を変更すると空気圧モニタリングシステムのリセット+再学習作業が必要
  • 空気圧センサ内蔵エアバルブの中の電池寿命は5~10年なのでタイミングによっては交換が必要
  • 空気圧センサ交換後センサID登録作業が必要

であり、こちらも対応には専門知識が必要です。

うちのフォルクスワーゲンティグアンもこちらの空気圧センサ装着車に該当しますが、以下3点を守った上で作業をしていただくことで、輸入車の正規ディーラー以外でもタイヤ交換が可能です。

  • 寿命期間内なら空気圧センサ内蔵エアバルブは完全流用(交換しない)
  • タイヤホイールの配置(前後左右)を変更せずに全く同じ位置に取付け
  • 空気圧センサ内蔵エアバルブ交換時純正互換バルブを自分で手配して持ち込みする

私が作業依頼したガソリンスタンドは、輸入車作業可能なガソリンスタンドでしたので、空気圧センサ装着車の作業方法を理解されていたようで、各ホイールに上図のよう「右前」と記載するなど取付位置をマーキングされてましたし、エアバルブを持ち込めば同時に取付作業可能とのことでした。

以上3点において輸入車ならではの特殊作業が発生するため、限られた店舗でしかタイヤ交換できない状況となってます。

 

タイヤ交換費用がディーラーだと高額

輸入車のタイヤ交換場所の注意点2点目は、タイヤの交換費用の高額さです。

一度でもディーラーやカー用品店でタイヤ交換の見積を取られた経験がある方は分かると思いますが、実店舗で正規ルートでタイヤを購入すると非常に高額です。

 

フォルクスワーゲンのタイヤ交換費用(ディーラー見積)

下図は私が先日ディーラーで提示されたフォルクスワーゲンティグアンのタイヤ交換費用の見積書ですが、純正装着タイヤのPIRELLI(ピレリ)のSCORPION VERDE(スコーピオンヴェルデ)場合、

  • タイヤ本体ピレリ スコーピオンヴェルデ(235/50R19):¥62, 900 x 4 x 消費税10% = ¥276,760
  • タイヤ4本交換工賃:¥15,600 x 消費税10% = ¥17,160
  • 空気圧センサ内蔵エアバルブ:¥11,200 x 4 x 消費税10% = ¥49,280

となっており、消費税込だと合計30万円を超えとなります。ちなみにハイブランドであるほどタイヤ交換費用は高く、ポルシェの場合は交換工賃が約4万円センサ内蔵エアバルブが約10万円でした。

フォルクスワーゲンティグアンのタイヤ交換費用のディーラー見積書

最近の原油高等による資材高等の影響や、円安等の為替影響もあると思いますが、1回のタイヤ交換が30万円を超えるのは衝撃でした。

 

フォルクスワーゲンのタイヤ交換費用(楽天Car見積)

後ほど詳しく説明しますが、さすがにタイヤ交換で30万円も払うのは辛いので、結果的には楽天Carタイヤ交換というサービスを利用し、下図の通り16万円でタイヤ交換を行いました。

  • ミシュラン クロスクライメート2 SUV(235/50R19):¥36,091 x 4 = ¥144,364
  • タイヤ4本交換工賃:¥15,600 x 消費税10% = ¥14,080
  • 廃タイヤ費用:¥550 x 4 = ¥2,200

楽天Carのタイヤ交換費用明細

ちなみに、価格は約半額になってますが、タイヤの性能は全く妥協して無く、むしろさらに高性能なタイヤに交換してます。

  • タイヤメーカー:ピレリよりも格上のミシュラン
  • タイヤ性能:これまで使ってたサマータイヤから少し高額めのオールシーズンタイヤ

タイヤのグレードを上げてもまだ半額で済んでます。

実は、本当はピレリのCINTURATO(チントゥラート)と呼ばれるタイヤにしようと考えており見積も13万円とさらに低価格な選択肢もあったのですが、長納期でいつ入荷するか分からないとの事だったのでMICHELIN(ミシュラン)に変更しました。

 

タイヤホイール組替作業はDIY不可能

輸入車のタイヤ交換場所の注意点の最後3点目は、実は輸入車に限らず国産車にも当てはまりますが、DIYでは作業不可能である点です。

もちろん、タイヤホイールセットの取り付けのみであれば、ジャッキアップ+ナット or ボルト締めのみなので一般人でも作業可能です。

しかし、タイヤホイール組替作業を行うには以下の専用設備が整った専門店やガソリンスタンドでないと不可能です。

タイヤ交換専用設備(タイヤチェンジャー+ホイールバランサー)

具体的には、

  • タイヤチェンジャー(タイヤとホイールの脱着を行う専用設備備):上図左赤枠
  • タイヤホイールバランサー(タイヤホイールセットを高速回転させてバランスウェイトを調整する専用設備備):上図右青枠

が必要となります。

ジャッキや工具は個人で持っている人もいるかもしれませんが、このような専用設備は個人が持っているものではありません。

よって、タイヤの取付作業は、基本的にはディーラーで無くとも、整備が行える専門店やガソリンスタンドへ依頼する以外の選択肢は無いのです。

 

輸入車の空気圧センサ内蔵タイヤの注意点

次に、輸入車で空気圧センサ内蔵タイヤホイールを装着してる場合の注意点です。

フォルクスワーゲンやメルセデスベンツなどの主な輸入車の製造元である欧米ではタイヤ空気圧警告システムの装着が義務付けられています。そのためか、日本に輸入される車にも本国仕様が引き継がれ、法規上不要な日本においてもタイヤ空気圧警告システムが標準装着されている場合があります。

タイヤ空気圧警告システムには、

  • 車速信号を解析して警告表示のみ行うシステム(タイヤ空気圧警告灯※間接式)
  • タイヤ空気圧を測定して測定値表示や警告表示を行うシステム(タイヤ空気圧モニタリングシステム※直接式)

の2種類が存在します。

間接式とも呼ばれる前者のタイヤ空気圧警告灯装着車の場合は、一般的な国産車と同じようにエアバルブを交換してしまって問題無しです。

フォルクスワーゲンティグアンのタイヤ空気圧センサ一体型エアバルブの装着例

一方で直接式とも呼ばれる後者のタイヤ空気圧モニタリングシステム装着車の場合、上図赤枠のようにタイヤのエアバルブに下図青枠のタイヤ空気圧測定センサが電池と共に内蔵されており、タイヤ交換に注意が必要です。

輸入車のタイヤ空気圧センサ一体型エアバルブ装着の例

タイヤ空気圧モニタリングシステム装着車の場合、下図赤枠のようにメーターやナビ画面にタイヤ空気圧の数値表示が可能です。

VWのメーターのタイヤ空気圧数値表示例

もし、お乗りの車にタイヤ空気圧の数値表示が可能な場合は、タイヤ空気圧モニタリングシステム装着車に該当し、ホイール内部にタイヤ空気圧センサが電池と共に内蔵されていると考えて間違いありません。

ちなみに、現在の主なフォルクスワーゲン車ラインナップ内のタイヤ空気圧警告システム装着状況は以下の通りです。

  • Polo(ポロ):空気圧警告灯
  • T-Cross(T-クロス):空気圧警告灯
  • T-Roc(T-ロック):空気圧警告灯
  • Golf(ゴルフ):空気圧警告灯
  • ID4:空気圧警告灯
  • Passat(パサート):空気圧警告灯
  • Arteon(アルテオン):空気圧警告灯
  • Tiguan(ティグアン):空気圧モニタリングシステム

現在のところティグアン以外はタイヤ空気圧警告灯のみの装着のようなのでエアバルブに気を使う必要は無さそうです。

また、現在の主なメルセデスベンツ車ラインナップ内のタイヤ空気圧警告システム装着状況は以下の通りです。

  • A-Class:空気圧警告灯
  • B-Class:空気圧警告灯
  • C-Class:空気圧警告灯
  • E-Class:空気圧警告灯
  • GLA:空気圧警告灯
  • GLB:空気圧警告灯
  • GLC:空気圧警告灯
  • GLE:空気圧警告灯
  • A-Class AMG:空気圧モニタリングシステム
  • C-Class AMG:空気圧モニタリングシステム
  • GLA AMG:空気圧モニタリングシステム
  • GLB AMG:空気圧モニタリングシステム
  • GLE AMG:空気圧モニタリングシステム

現在のところAMGモデル以外についてはタイヤ空気圧警告灯のみの装着のようなのでエアバルブに気を使う必要は無さそうです。ただし、フォルクスワーゲンやベンツ含め多くの輸入車では年式によって大きく仕様が変わる場合もあるので、お乗りの車がメーターやナビ画面などにタイヤ空気圧の数値表示が可能かご確認いただくのが確実です。

空気圧モニタリングシステムが装着されている場合のタイヤ交換の注意点は、以下3点です。

  • 汎用エアバルブは利用不可空気圧センサ内蔵専用エアバルブ交換が必要
  • 空気圧センサ内蔵電池の寿命は5~10年で定期的に交換が必要
  • 空気圧センサの交換を行った場合、ID登録・学習作業が必要

次章より詳しく解説していきます。

上記の通り、輸入車だと空気圧モニタリングシステムが一部の車種・グレードによって標準装備されてますが、実は国産車でも最近のレクサス車には空気圧モニタリングシステムが全車標準装備されていたりします。レクサス車のオーナーの方やこれからレクサス車を検討予定の方は、こちら”レクサスタイヤ交換時の注意点!空気圧センサー等の対処と節約方法“の記事も合わせてご参考にどうぞ。

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汎用エアバルブ利用不可(空気圧センサ内蔵エアバルブが必要)

輸入車のタイヤ空気圧モニタリングシステムに関する注意点1点目は、汎用エアバルブが利用不可である点です。

タイヤ交換の際、一般的には1個300円程度の価格であることもあり、バルブゴムの劣化によるエア漏れを防止するため、エアバルブの交換を勧められます。使用環境にもよりますが、エアバルブの寿命は約5年前後と言われています。1個300円程度の汎用エアバルブが装着できる車の場合は、タイヤ交換のタイミングで合わせて交換してしまうのが妥当です。

しかし一方で、タイヤ空気圧モニタリングシステム装着車は、エアバルブのタイヤ内部側に空気圧センサーが装着される構造となるため、汎用エアバルブでは無く空気圧センサ内蔵の専用エアバルブへの交換が必要なのです。よって、以下の対応がおすすめです。

  • 新車時または前回エアバルブ交換時から1~5年以内:エアバルブ+空気圧センサは交換せずに完全流用
  • 新車時または前回エアバルブ交換時から6~7年以上:エアバルブ+空気圧センサ交換+学習登録作業必要

 

タイヤ空気圧センサ寿命は5~10年

輸入車のタイヤ空気圧モニタリングシステムに関する注意点2点目は、エアバルブだけでなく空気圧センサも定期的に交換が必要である点です。

使用環境にもよりますが、エアバルブの寿命は約5年前後と書きましたが、空気圧センサ内蔵電池の寿命は5~10年です。結局のところ、先に寿命が来る確率の高いエアバルブとセットで約5年前後毎に交換することになります。

  • エアバルブの寿命:約5年前後
  • 空気圧センサ内蔵電池の寿命:5~10年

エアバルブ・空気圧センサ共にタイヤをホイールから取り外さないと交換できないため、タイヤ交換時に合わせて部品交換した方が作業工賃を節約できます。

ちなみにうちのティグアンは走行距離が少ないせいか、新車購入から6年半の時点で空気圧センサ内蔵電池は継続利用できてます。もし走行距離が一般的だったり多かったりする場合は、電池の使用頻度も多くなるため6年目以降は早めに交換いただくのがおすすめです。

 

タイヤ空気圧センサ交換時は登録学習作業が必要

輸入車のタイヤ空気圧モニタリングシステムに関する注意点の最後3点目は、空気圧センサの交換を行った場合、ID登録・学習作業が必要である点です。

空気圧センサのID登録作業には専用のサービスツールが必要となる場合もあり、基本的にはディーラーまたは専用のサービスツールが設置された輸入車専門店でのみ作業可能となります。

 

フォルクスワーゲン/ポルシェのタイヤ空気圧センサは設定済品が購入可能

フォルクスワーゲンやポルシェの一部車種については、設定済の純正互換エアバルブ一体空気圧センサネット通販で購入可能であり、これなら交換取付後に1~2分程度走行するだけで自動的に登録学習作業が完了するので、専用ツールや専門知識無に作業できます。これならディーラーなら5~10万円かかる空気圧センサが2~3万円で購入できるのでおすすめですし、私も迷わず利用しています。

下図は実際に私がネット通販で購入し、近くのガソリンスタンドで装着していただいた純正互換エアバルブ一体空気圧センサ(AUTEL MX-sensor)です。タイヤ取付後に走行開始すると1~2分で新しいセンサーを認識し、正しく空気圧が表示されました。

注意点としては、古いセンサ取付店で処分してもらうか、一旦車から降ろした状態で走行いただくのがおすすめです。

実際私も失敗したのですが、取り外した古い方の空気圧センサを車内に置いしまってると古いセンサとの通信を引き続き行ってしまい、新しいセンサーの登録学習作業が始まらないです。その場合、古いセンサはホイールから外されているので空気圧値 0(ゼロ)と測定し、メーターに表示されます。

 

AUTEL社MX-sensorのホイール装着状態

上図はポルシェ718ボクスター用純正互換エアバルブ一体空気圧センサー(AUTEL MX-sensor)ですが、

下図のようなフォルクスワーゲンティグアン(AD1型)用純正互換エアバルブ一体空気圧センサーなど車種毎にラインナップされています。

輸入車の空気圧センサ内蔵タイヤ交換時の注意点まとめ

タイヤ空気圧モニタリングシステムが装着された輸入車の場合、

  • 新車時または前回エアバルブ交換時から1~5年以内:エアバルブ+空気圧センサは交換せずに完全流用
  • 新車時または前回エアバルブ交換時から6~7年以上:エアバルブ+空気圧センサ交換+登録学習作業必要

となっています。

新車時または前回エアバルブ交換時から6~7年以上経過しており空気圧センサ交換が必要なものの、タイヤ交換をどうしても安く済ませたい場合は、以下3つの方法が考えられます。

  • [方法1]タイヤ、純正互換エアバルブ一体空気圧センサ(設定済品)をネット購入、まとめてディーラー以外の取付店に持ち込み作業依頼
  • [方法2]一旦タイヤのみディーラー以外で交換し、次の点検タイミング等でディーラーで純正エアバルブ一体空気圧センサを交換
  • [方法3]ネット購入タイヤをディーラーへ持ち込みし、純正エアバルブ一体空気圧センサと合わせて交換作業をお願いできないかディーラーと交渉

実は、最も安く済むのが「方法1」です。

  • タイヤ代:ネット経由で購入することで約50%OFF
  • 空気圧センサ内蔵エアバルブ代:純正品では無く純正互換品を購入することで約50%OFF

ただし、純正互換品の空気圧センサを選ぶ際は、中国製の粗悪品を間違えて買わないようご注意下さい。中国製の安いものだと1万円前後で買えるものもありますが、認識しなかったり数週間で故障等の話をよく聞きます。

これに対し、純正品の約半額とは言え2万円は超えますが、以下AUTEL MX-sensor(フォルクスワーゲンティグアン純正互換空気圧センサ)は2代目であるAD1型ティグアンで問題無く使われてる方も多く安心です。

輸入車のタイヤサイズ/種類/取付ボルトナットの注意点

最後に、輸入車のタイヤサイズ・種類及び取付ボルトナットに関する注意点ですが、以下2点です。

  • タイヤサイズ・種類が特殊で日本で流通してる量が少ない場合あり
  • 取付ボルトナット/ホイールの社外品交換は原則不可能

次章より詳しく解説していきます。

 

タイヤサイズ/種類が特殊で流通量が少ない場合あり

輸入車用のやや特殊サイズのタイヤの例

輸入車のタイヤサイズ・ホイール及び取付ボルト/ナットに関する注意点1点目は、タイヤサイズによっては日本で流通してる量が少ない場合がある点です。

輸入車そのものが国産車と比べると日本国内での流通量が圧倒的に少ないですが、そのタイヤについても、一部の輸入車では日本国内の流通量から見ると特殊なサイズのタイヤが設定されており流通量が少なく手に入りにくい場合があります。

うちのフォルクスワーゲンティグアンは本国ドイツでSUV登録台数No.1と言われてますが、日本ではあまり多く見かけません。

採用されてるタイヤサイズはいくつかありますが、うちのモデルは235/50R19というやや特殊なサイズが設定されており、VWティグアン以外で採用されてる代表的な車は、

  • VW ティグアン
  • メルセデスベンツ EQA/EQB/EQE/GLA/GLB
  • ボルボ XC40
  • トヨタ旧型ハリアー
  • スバル旧型フォレスター

と、そこそこマイナーであり、

  • タイヤ銘柄の選択肢が少ない
  • タイヤの流通在庫が少ない
  • 大量仕入れができずタイヤの価格が高い

という問題があります。

 

路面状況別の3つのタイヤ種類

さらに自動車用のタイヤには、路面状況別

  • サマータイヤ(夏専用:雪・凍結路走行不可)
  • オールシーズンタイヤ(夏冬兼用:雪路走行可・凍結路走行注意)
  • スタッドレスタイヤ(冬専用:雨天ウェット路走行注意)

3種類のタイヤが存在しますが、そもそも流通量が少ない特殊めのサイズのタイヤは、流通量が多めのサマータイヤならまだマシですが、流通量が少なめのオールシーズンやスタッドレスの場合は在庫切れ履けるタイヤが無くなるリスクがあります。

ちなみに、日本で販売されてる車のほとんどの純正タイヤはサマータイヤです。

 

パンク対策機能別の3つのタイヤ種類

さらに自動車用のタイヤには、パンク対策機能別

  • ランフラットタイヤ(サイドウォール補強構造によりパンク後も80km程度走行可能なタイヤ)
  • モビリティタイヤ/シールタイヤ(5mm以下の穴のパンクなら修理不要で継続利用可能なタイヤ)
  • ノーマルタイヤ(パンク対策機能無のタイヤ)

とさらに3種類のタイヤが存在しますが、こちらも流通量が少ない特殊めのサイズのタイヤは、流通量が多めのノーマルタイヤならまだマシですが、流通量が少なめのランフラットやモビリティタイヤの場合は在庫切れ履けるタイヤが無くなるリスクがあります。

ちなみに、例えばフォルクスワーゲンなどの輸入車の一部には、以下の通り純正タイヤにモビリティータイヤが設定されています。

  • Polo(ポロ):ノーマルタイヤ
  • T-Cross(T-クロス):ノーマルタイヤ
  • T-Roc(T-ロック):ノーマルタイヤ
  • Golf(ゴルフ):ノーマルタイヤ
  • ID4:モビリティータイヤ※一部グレードのみ
  • Passat(パサート):モビリティータイヤ
  • Arteon(アルテオン):モビリティータイヤ
  • Tiguan(ティグアン):モビリティータイヤ※一部グレードのみ

私の愛車ティグアンの例ですが、純正ではモビリティータイヤが設定されており、下図の通りタイヤのトレッド裏面側にシール状の加工がされていました。

フォルクスワーゲンティグアンのモビリティータイヤ内部

 

タイヤサイズ/種類の組み合わせによる選択肢縮小・流通在庫の僅少リスク

実は先日私がティグアン用のタイヤを購入時、やや特殊サイズである235/50R19モビリティータイヤかつオールシーズンタイヤであるピレリ製チントゥラート(CINTURATO)を一旦注文してみたものの、在庫がなく入荷未定との連絡がありました。

その結果最終的には、ピレリ製チントゥラート→ミシュラン製クロス暗いメートにタイヤのメーカー及び銘柄を変更せざるを得ない状況となりました。

輸入車で特に18インチ以上の大きめのやや特殊サイズのタイヤを装着されてる方は、タイヤ探しは余裕をもって早めに開始いただくのがおすすめです。

 

取付ボルトナット/ホイールの社外品交換は原則不可能

輸入車のタイヤホイール取付構造がナット固定では無くハブボルト固定方式の例

輸入車のタイヤサイズ・ホイール及び取付ボルト/ナットに関する注意点2点目は、ホイール及び取付ボルト/ナットの社外品交換は原則不可能である点です。

タイヤ交換とは直接関係ないかもしれませんが、タイヤ交換のついでに国産車の場合は全く可能である

  • 社外品取付ナットへの交換
  • 社外品ホイールへの交換

が難しいのです。

もしスタッドレスタイヤ装着用にもう1組別にホイールセットを準備したい場合は、一般的な社外ホイールはボルト取付部の形状・構造上の理由で利用できないため、純正ホイールの中から選択が必要です。

また、ドレスアップ目的等でのナット交換もホイール取付部の形状・構造上、不可能です。

 

輸入車タイヤ交換費用節約の3つの方法

ネット購入タイヤの取付作業可能な提携ガソリンスタンドの待合室の例

ここからは、輸入車のタイヤ交換費用を約半額に節約するために、タイヤをネット購入+提携・持込対応可能業者にて交換を行う以下3つの方法について解説していきます。

どの方法もサイト内の手順に従って操作するだけで、

  • タイヤ購入手続き
  • 購入したタイヤの提携取付店へ発送手続き
  • 提携取付店での交換作業日時の予約手続き

が基本的にワンストップで完了します。

 

タイヤ購入サイトの品揃え/価格比較概要

輸入車用タイヤに限らず、現在インターネットでタイヤ購入可能な主要な通販サイトは、

の合計4つです。

一般通販サイト・タイヤ専門の通販サイトのどちらで購入しても提携取付店で作業可能なので、タイヤ専門通販サイトならでは優位性みたいなものは特に無いです。

これら4つのタイヤ通販サイトを私が実際に使ってみて比較した結果が以下の通りです。

タイヤの品ぞろえ 価格 販売サイト
使いやすさ
(親切さ)
大手日本
ブランド
(ダンロップ
ブリジストン
ヨコハマ等)
大手海外
ブランド
(Michelin
Continental
Pirelli等)
海外格安
ブランド
(ナンカン
クムホ等)
タイヤ
本体
交換
工賃
楽天Car
タイヤ交換
◎~△
オートウェイ
タイヤフッド 〇~△
Amazon
タイヤ
× 〇~△

結果としては、

  • 品揃えがダントツに良く価格も安い楽天Carタイヤ交換最もおすすめ
  • 大手ブランドタイヤにこだわらないなら格安タイヤの品揃えが良いオートウェイがおすすめ
  • ネット購入が苦手なら販売サイトが親切で使いやすいタイヤフッドがおすすめ

です。

Amazonタイヤについては、もし欲しいサイズ・ブランド・銘柄のタイヤが見つかれば利用価値アリですが、基本的に他サイトと比べると品ぞろえがイマイチなので、参考までの価格チェック程度に留めておくのがおすすめです。

私は、大手ブランドのやや特殊サイズのタイヤを購入することが多いので、ほぼ毎回楽天Carタイヤ交換を使わせてもらってます。

さらに「楽天スーパーセール」や「毎月5と0のつく日はタイヤと楽天Carタイヤ交換チケットがポイント5倍」等のキャンペーンを併用すると、ポイントの荒稼ぎができます。

 

タイヤネット購入時の交換工賃比較

タイヤをネットで購入した場合、「楽天Carタイヤ交換」、「オートウェイ」、「タイヤフッド」であれば、どこの提携工場に持込取付を依頼しても格安な「統一料金」が設定されており、とても安心です。

各サイトにも持込取付時のタイヤ交換工賃は明記されていますが、1点注意が必要なのが、

  • 楽天Carタイヤ交換」、「オートウェイ」:タイヤ脱着+組換+バランス調整の3点セットの価格を記載
  • タイヤフッド」:タイヤ脱着+組換+バランス調整の3点セットに加え、廃タイヤ料+バルブ交換料の5点セットの価格を記載

となっており、パッと見るだけでは、タイヤフッドが割高に見えますが、実は現実問題、廃タイヤもバルブ交換もほとんどの場合必要になりますので、実は工賃についてはタイヤフッドが最も安いことになります。

(古いタイヤを自分で持ち帰ったり、バルブ交換せずに流用する場合は、楽天やオートウェイの方が安いですが・・・)

ネット経由
タイヤ購入方法
タイヤ交換工賃
(脱着/組替/バランス調整)
[/1本]
廃タイヤ費用
[/1本]
エアバルブ交換費用
(ノーマルバルブ)
[/1本]
合計
[/1本]
16
インチ
17
インチ
18
インチ
16
インチ
17
インチ
18
インチ
楽天Car
タイヤ交換
2,090 2,310 2,530 550 330 2,970 3,190 3,410
オートウェイ 2,420 2,420 2,420 550 330 3,300 3,300 3,300
タイヤフッド
【最安】
2,640 3,190 3,190 タイヤ交換工賃
に含まれる
タイヤ交換工賃
に含まれる
2,640 3,190 3,190
Goo Pit 統一料金無

 

タイヤ購入時の価格比較(楽天/オートウェイ/タイヤフッド)

楽天Carタイヤ交換」、「オートウェイ」、「タイヤフッド」でタイヤをネットで購入する場合のタイヤそのものの価格について比較してみました。

もちろんタイヤ価格や在庫状況は日々変動しますので、以下は2021年のある時期の一例です。

在庫状況にもよるので、欲しいタイヤの欲しいサイズが販売されていることが大前提とはなるものの、大きな方向性として、

  • 楽天Carタイヤ交換」:格安輸入~国産タイヤまで品揃え多く、楽天市場傘下の最安店だと価格も安い
  • オートウェイ」:格安輸入タイヤの在庫が多く(クムホは取扱無)、格安輸入タイヤは最安の場合あり
  • タイヤフッド」:格安輸入~国産タイヤまで品揃えが多く、価格は楽天最安店よりは少し高め

と言えます。

タイヤ価格
[/1本]
ナンカン
NS-2
クムホ
エクスタ
PS71
NITTO
NT555
ブリジストン
ポテンザ
アドレナリン
RE004
ブリジストン
レグノ
GR-XII
225/45R17
楽天Car
タイヤ交換
【最安】

(楽天市場
最安店)
10,550 8,210 11,880 15,230
(56%割引)
23,730
(44%割引)
オートウェイ 7,080 取扱無 12,090 17,590 29,040
タイヤフッド 取扱無 8,580 13,827 18,284 27,380
実店舗/定価
(2021年時点)
34,870 42,350

ネット購入の中で比較すると「楽天Carタイヤ交換」が最も安く「タイヤフッド」が少し高めです。

ただし冷静に考えて、タイヤフッドすらディーラーや実店舗との比較だと圧倒的に安いので、価格も大事ですが自分が本当に欲しいタイヤの銘柄やサイズの在庫があることが一番大事かと思います。

一部のタイヤは定価も記載してみましたが、例えばブリジストン直営のタイヤ館実店舗では、多少の値引きはあるもののほぼ定価販売です。

つまり、ネット通販だとタイヤは実店舗価格の半額程度で買えてしまう場合すらあるのです。

上記例のサイズのブリジストンポテンザの場合、実店舗だと4本で約14万円がネットだと約6万円です。

特に4本交換する場合は、ネットと実店舗の価格差が大きくなるので特に注意が必要です。

タイヤの持ち込み交換を行う具体的な方法については、こちら”タイヤ交換がネット+持ち込み取付で40%割引になる3つの方法“に記事に詳しい手順含めて書かせていただきましたので、もしよければ合わせてご参考にどうぞ。

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