スマホvsカーナビの性能比較ポイント22項目!トンネルは大丈夫?

カーナビを使えば、遠い知らない場所へドライブに出かける場合も安心です。

しかし、スマホの普及率が70%を超えている今、「車にカーナビって本当に必要?」と疑問を持たれる方も多いと思います。 今の時代、スマホさえあれば、ほぼ無料でカーナビ専用機同等の地図・ナビアプリが使えてしまうからです。 ここで言うカーナビ専用機とは、スマホの地図・ナビアプリとは違って、車に備え付けるタイプのナビ機能に特化した専用の機器であるいわゆる「昔からカーナビと呼ばれているもの」を指します。

スマホvsカーナビ詳細比較イメージ

ここでは、20年以上カーナビを使い続け、また15年以上カーナビの設計・開発をしてきた私の経験も含め、スマホのナビアプリとカーナビ専用機22項目もの観点から徹底的に性能比較していきます。

そして、スマホ(+ナビアプリ)、カーナビ専用機それぞれの得意な点・苦手な点を具体化することでスマホとカーナビ専用機は何が決定的に違うかを明確にしていきます。

その結果、皆様それぞれの好みやライフスタイルに本当に合うのはスマホ・様々なカーナビ専用機の中のどれなのかを明確にしていきたいと思います。

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車でナビ機能を使うための8つの手段・種類

スマホ(+ナビアプリ)やカーナビ専用機など、車でナビ機能を使う手段はいくつかありますが、ここでは以下8つの種類に分けて考えていきます。

  • スマホナビアプリ
  • タブレットナビアプリ
  • ポータブルタイプカーナビ専用機
  • 市販ビルトインタイプカーナビ専用機(汎用2DIN型)
  • 市販ビルトインタイプカーナビ専用機(車種専用形状型)
  • ディーラー装着ビルトインタイプカーナビ専用機(汎用2DIN型)
  • ディーラー装着ビルトインタイプカーナビ専用機(車種専用形状型)
  • 車メーカー純正一体ビルトインタイプカーナビ専用機

 

スマホvsカーナビを性能比較する観点

スマホvsカーナビ根本的な7つの性能比較ポイント一覧

スマホやカーナビ専用機を性能比較するにあたり、キーポイントとなる観点は以下の7つです。 他にも15点、合わせて22点ありますが、まずは以下の7点を優先的に考えるのがおすすめです。 他の性能比較観点についても後ほど詳しく説明させていただきます。

  • 価格
  • 地図データ鮮度
  • 位置測位精度
  • カーオーディオ性能
  • 画面サイズ
  • バックモニター・その他周辺カメラ画像表示
  • 内装デザイン

の7点です。

上記の7つの観点に絞った、各カーナビ毎のメリット・デメリット性能比較一覧は以下の通りです。 縦軸のスマホvsカーナビ性能比較の7つポイントの詳細については、こちら”「スマホがあればカーナビいらない」は本当か?7つの判断ポイント“の記事で説明させていただいてます。 まずはシンプルにポイントを絞って性能比較をしたい方は、上記の記事を先にご覧いただくのがおすすめです。

スマホvsカーナビ性能比較一覧表(7つの観点)

スマホvsカーナビ詳細な15個の性能比較ポイント一覧

少しマニアックな部分もありますが、前章で説明させていただいたカーナビについて根本的に性能比較する7つのポイント以外にも、まだ15個ほど性能比較のポイントがあります。

  • 車を降りた後の案内
  • 別のナビへの交換・取替えのしやすさ
  • 目的地検索の自由度・Web情報との連携
  • 運転中含む操作性の良さ
  • 充電必要性・バッテリー駆動時間の心配有無
  • モバイルネットワーク圏外地域での使用
  • 耐熱(高温・低温)設計(=車内放置可否
  • 画面の見やすさ(ディスプレイ輝度・太陽光反射防止設計)
  • 電話着信時の割込表示
  • DVD再生・Blu-ray再生
  • TV(地デジ)視聴
  • 長期保証(通常3年)
  • 盗難リスクの低さ
  • メーター等・他の車内電子機器との表示連携
  • 取付作業の必要性(取付工賃の必要性)

以上15個の観点です。 前章の7つの性能比較観点と比べると、比較する際の優先順位が下がる場合もありますが、どの項目も実際に比較すれば差が出てきてしまう観点です。

この15個に先ほどの7個を加えた合計22個の観点による、各ナビシステム毎の性能比較一覧は以下の通りとなります。 縦軸の各観点の詳細は次章より説明させていただきます。
スマホvsカーナビ性能比較一覧表(22個の観点)

 

スマホvsカーナビ詳細な15個の性能比較ポイント

車を降りた後の案内

スマホナビによる歩行ルート案内イメージ

カーナビと言えば、文字通りカー(車)に乗ってる時のナビゲーションです。 車自体の目的地が駐車場だとしてその駐車場と最終的な目的地が少し離れている場合、駐車場に車を停めて車を降りた後に徒歩などで最終的な目的地を目指す必要があります。

実はその徒歩で移動する間に、どの方向に歩いていけばよいか迷ってしまう場合も考えられます。

そんな時、ビルトインタイプのカーナビであれば、車から取り外すことはできないので、使用することはできません。 しかし、スマホやポータブルタイプのカーナビでバッテリー内蔵のものであれば、徒歩でも持ち歩くことができて最終的な目的地までの案内を行うことができます。

主に都市部など目的地と駐車場が離れている場合に活躍する機能ですが、どれだけ頻繁にその機能の使うかは、人よって大きく変わってきます。

 

別のナビへの交換・取替えのしやすさ

そこそこ長い年月、同じ車に乗り続けている場合、車が古くなっていくのを感じるスピードとナビが古くなっていくのを感じるスピードには大きな開きがあります。

例えば、5年落ちの車と言っても、まぁそこまで古さを感じることはありません。 車のフルモデルチェンジの周期は4~10年ですので、5年落ちでもまだまだ現役モデルの場合すらあります。 しかし、例えば5年落ちのスマホと言えば、2016年に発売されたiPhone7との比較で言うと、2011年に発売されたiPhone4Sのイメージです。iPhone6でもなくiPhone5でもなくiPhone4Sです。 車と比較するとスマホ等の電子機器類は進化が早いので、その分、化石のように感じるスピードも早いです。

よって、同じ車に乗り続けながら、新しいナビへ交換・取替えたくなる場合もあります。

この場合、ビルトインタイプのカーナビであれば車から取り外して取り替えるのはそれなりに大変です。 ましてや純正一体タイプであれば、メーターなど様々な機器と接続・連携されているので、外したところで新しいナビに交換することはまず不可能です。

逆にスマホであれば、スマホ本体さえそれなりに新しいものが準備できている限りナビアプリをアップデートするだけなので、非常に簡単です。

 

目的地検索の自由度・Web情報との連携

普段スマホをお使いの方ならご存知かもしれませんが、スマホのナビアプリでの

  • 音声認識による目的地設定
  • 目的地検索の自由度・Web情報との連携

などは、非常に使いやすいと言えます。

急速に技術進化した音声認識技術Web情報含めたデータ検索技術により、従来のカーナビで目的地設定に必要だった住所や電話番号等の入力作業が一切不要となり、Google MAPアプリなどでは「どこどこに行きたい」とテキトーにしゃべるだけで目的地設定が可能になりました。

またスマホでウェブサイトを調べている際に行きたい場所が見つかれば、その場所の名前や住所からワンクリックでナビ案内を開始できたり、スマホの中でブラウザ等からナビアプリに目的地の情報をコピー&ペーストしてナビ案内を開始できたりします。

このようにWeb情報との連携という点では、スマホがダントツに便利です。

最近ではビルトインタイプのカーナビでも”つながるサービス”への対応が進んでいますが、残念ながら元々ネットワークに接続されているスマホと比較すると、同じレベルの使い勝手にまで追いつくのは難しいのが現状です。

 

運転中含む操作性の良さ

車内カーナビ使用シーンイメージ

運転中の操作性の良さに関しては、ビルトインタイプのカーナビが、”現時点では”最も優れていると考えられます。 それは、車の設計段階からナビをビルトインする場所が想定されており、画面の位置・ボタンの位置に対して手が届き操作しやすいよう最大限考慮されているからです。

しかし、”現時点では”と書かせていただたように、今後例えばSiriに代表される音声認識技術がさらに発達していき、手を使った操作よりも音声を使った操作が主流になるようなことがあれば、操作性における差は解消されていく方向と考えられます。

 

充電必要性・バッテリー駆動時間の心配有無

ビルトインタイプのカーナビであれば、常に車から電源供給されていますが、スマホやポータブルタイプのナビであれば、意図的にシガーソケット等で充電しながら使用しない限り、いつかバッテリーが無くなります。

意識して充電すればいいだけの話ですが、うっかり忘れてしまうことも考えられるので、ビルトインタイプのカーナビと相対比較すると少し心配点が残ります。

 

モバイルネットワーク圏外地域(山奥・トンネル等)での使用

ナビアプリの場合、常に最新の地図データが利用できるのと引き換えに、モバイルネットワークとの常時接続(携帯の電波が届くこと)が必要となる場合が多いです。 ただしアプリによっては、地図データをスマホのローカル側にオフライン利用目的のバックアップとして予めダウンロードして蓄積しておくことができる場合もあります。

特にサーバー側でメイン処理を行うナビアプリの場合、携帯電波の届く都市部の走行中は問題無さそうですが、特に人里離れた山奥など迷いやすい場所に限って携帯電波が届かずに使用不可という、ナビとして本末転倒な事態に陥る可能性があります。

また、長いトンネルなども同様に携帯の電波が届かない場合は、案内がうまくできないことがあります。

 

耐熱(高温・低温)設計(=車内放置可否)

夏の炎天下に駐車した場合、ダッシュボード上にスマホを放置するとほぼ確実に壊れますが、カーナビ専用機なら問題無です。

このように、車内に設置し続けても熱などで壊れない信頼性は、車ならではの環境下を想定して設計されているカーナビ専用機の強みでもあります。

ちなみに残念なことに、カーナビ専用機では、このような信頼性を確保するためにスマホ・タブレット等の通常の家庭用電子機器類よりも価格的に割高な部分があるもの事実です。

 

画面の見やすさ(ディスプレイ輝度・太陽光反射防止設計)

ディスプレイの明るさ含めた画面の見やすさは、操作性と同じく、ビルトインタイプのカーナビが、”現時点では”最も優れていると考えられます。

それは、同様に車の設計段階からナビ用のディスプレイが配置される場所が想定されており、画面の位置や構造に対して、太陽光の入ったり、画面表面に他のものが映り込み・反射して見にくくならないか徹底的に検証・調整されているからです

 

電話着信時の割込表示

今後改善されていくとは考えられますが、車内でドライブ中にBluetooth等でハンズフリーを利用している場合、例えば、電話の着信があると、強制的に画面が切り替わってしまう等、たいていナビ案内動作に影響が出ます。

スマホ・タブレット等でナビとして動作してるナビアプリと通話機能を持つ通話アプリを連携させる仕組みが追いついていないからだと考えられます。

これに対して、ナビ専用機(通常はビルトインタイプのみ)はナビのシステム自体がナビ機能とハンズフリー機能を連携させて制御しているので、ナビ案内動作に影響がでることはありません。

 

DVD再生・Blu-ray再生

Blu-rayだとまだまだ非対応機種もありますが、DVDだとほぼ全てのビルトインタイプのナビであれば対応済です。 逆にご想像の通り、スマホ・タブレット等ではそのままでは再生できません。

CDが淘汰され始めているように、今後はパッケージメディアとしては映像含めて淘汰されていくと考えられますが、現時点では音楽と違い映像の世界ではまだまだBlu-rayとDVDがメディア流通の中心であり、特に長時間の移動での退屈しのぎや子供を落ち着かせる強力なツールとして車内でも見たいというニーズは継続的にありそうです。

 

TV(地デジ)視聴

TVは1回装着してしまえば、ある意味、通信料無しで動画コンテンツが見放題とも言えるとてもお得な機能です。

地上波デジタルTV(地デジ)には、

  • モバイル向けで映像がやや粗い「ワンセグ」
  • 映像がきれいな「フルセグ」

の2種類の放送があります。

カーナビ専用機でビルイトインタイプだと一般的にフルセグが装備されていますが、ポータブルタイプだとよくてワンセグ、場合によってはTV無しの場合もあります。

またスマホも機種によって、iPhoneならTV無し、アンドロイドの上級機種ならフルセグありが一般的です。

車の中でのTVが見れることを重視される方でiPhoneをお使いの場合、以下の様なiPhone・iPad用の後付けTVチューナーを準備いただくか、ビルイトインタイプのカーナビ専用機を選択いただくのがおすすめです。

 

長期保証(通常3年)

通常、カーナビ含む一般的な電化製品の保証期間は1年です。

これに対し、車の部品は3~5年もの保証があり、メーカー純正のカーナビであれば、保証期間が1年ではなく3~5年まで延びます。

安心感が得られるという気持ちの問題かもしれませんが、保証期間中であれば故障しても基本的に修理代を請求されることは無いので、安心したカーライフが送れます。

 

盗難リスクの低さ

ビルトインタイプのカーナビの中でも最近人気の車種専用形状のモデルは、価格こそ高いものの、大画面ディスプレイや内装デザインの一体感・質感に加え、対象車種が絞られることで汎用性が下がりかつ取付が大変な分、逆に盗難リスクが下がります。

特に純正の車種専用形状モデルは、エアコンやメーターなど車内の様々な電子部品と複雑に組み合わせられているので、カーナビ単体の盗難にあまりメリットがなく、ほぼ盗まれる心配がありません。

 

メーター等・他の車内電子機器との表示連携

ほぼメーカー純正タイプのカーナビに限った機能となりますが、カーナビの画面に表示される例えば300メートル先の交差点を右に曲がる等の案内情報が、メーター内の別のディスプレイや、フロントガラスに投影される仮想ディスプレイに表示されたり、視線を前方に取って運転に集中しながらタイムリーに情報取得を行うことができます。

 

取付作業の必要性(取付工賃の必要性)

カーナビ取り付け専門店作業イメージ

最後にこちらも、ほぼメーカー純正タイプのカーナビに限った話題となりますが、ナビが最初からビルトインされている場合は後から取付作業等を行う必要が無いので、当然工賃も発生しません。

特に取付作業で多くの工賃が必要となるのが、純正タイプ以外のビルトインタイプのカーナビです。

スマホのナビアプリにしろポータブルナビにしろ電源程度の配線は必要となりますが、それ以外はダッシュボード等にホルダーで固定するのみです。

ちなみに、少しでもカーナビを安く手に入れるために、取付作業の工賃を安くする方法について、こちら”カーナビ/カーオーディオの取り付け工賃を安くする 7つの方法【裏技あり】“の記事にまとめてみました。 自分でナビの取り付けができる方には参考にならないかもしれませんが、ご参考にどうぞ。

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スマホvsカーナビ徹底性能比較まとめ

カーナビを比較する上では、価格以外にも様々な観点が存在することがお分かりいただけたと思います。

最終的には、それぞれの性能比較観点に対して自分の好みで優先順位を付けていただければ自分にはどのタイプのカーナビがぴったりかがある程度見えてきます。

具体的な絞込みのフローをイメージしていただくために、私の場合の例を以下に示します。

例えば私の場合、バックでの車庫入れがあまり得意では無いので(笑)、バックモニターが第1優先です。 この時点でスマホやポータブルタイプは選択肢から外れます。 続いて内装デザイン性が第2優先です。 車には愛着が湧いてしまうタイプなので一度購入した車は長く乗りたいと考えており、長く使う分、デザインにはこだわりたいと考えています。 この時点で、純正一体タイプかディーラー装着の車種専用形状タイプかの2択にまで絞れました。

ただし、ここから先は非常に迷うところです。 価格の優先順位は「17」とはしていますが、正直、安いには越したことがありません。 恐らく、価格的に同じ「×」でも10万円以上の差がある以上、ディーラー装着の車種専用形状タイプを選択する可能性も十分にありえます。

優先順位付きスマホvsカーナビ比較一覧表(22個の観点)

ただし詳細に比較検証していくと、心配性な私の場合、優先順位は「5」の長期保証や優先順位は「10」の盗難リスクの低さが重要と考えてしまうので、価格さえ許せばディーラー装着の車種専用形状タイプよりも純正一体タイプのカーナビの方が本当は自分に合っていることが分かります。

ディーラー装着の車種専用形状タイプにしろ純正一体タイプのカーナビにしろ高い買い物にかわりないので、性格的に安心感を優先させてしまいます。 高い買い物ほど壊れたり、盗まれたりした場合の悲しみも大きいので(笑)。

このように、22個の詳細な比較観点で優先順位付けして絞込みを行うことで、自分の好みに合ったカーナビはどのタイプかを見極めることができます。 カーナビ選びのご参考にご活用いただければ幸いです。

 

ちなみに、ビルトインタイプのカーナビの場合、基本的にカーオーディオの機能も内蔵されていますが、もしもビルトインタイプのカーナビを検討されるのであれば、今後のことを考えるとハイレゾ対応のナビしておくのがおすすめです。 詳しくはこちら”カーナビを選ぶならハイレゾ対応にしておくべき4つの理由“の記事に書かせていただきましたので、もしよろしれば、合わせてご参考にどうぞ。

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