*

車・カーオーディオでBluetoothを使う場合に知っておきたい4つの注意点

公開日: : 最終更新日:2016/11/27 カー用品使いこなしノウハウ, 車の音質向上

車の中でBluetoothを使うと、なんか便利らしい・・・いや便利かもだけど、この使い方でホント正しいの??・・・Bluetoothには非常に多くの機能・使い方・活用方法があります。

さらにiPhoneがiPhone7になってからAUXジャック(アナログイヤホンジャック)非対応になったこともあり、今後ますますBluetoothが使われるシーンが増えると予想されます。

しかし、Bluetoothにはパッと見では便利な反面、実は意外な落とし穴があったりします。

車・カーオーディオでBluetoothを使うイメージ

ここでは、約10年にわたり実際に車でBluetoothを利用してきた私KYOの実体験をもとに、車の中でカーナビ・カーオーディオ等にBluetooth接続する場合、事前に知っておくと役立つポイント・注意点について書かせていただきます。

Bluetooth(ブルートゥース)とは、Wi-Fiなどと同様の無線通信の規格の1つです。

ペアリングという初期設定を最初に1回行うだけで、対応機器どうしをケーブル無しの無線接続してデータのやりとりが行えます。

実はBluetoothがこれほど普及したのは最近で、まだスマホも少なかった約10年前にはBluetooth対応の携帯電話すらほとんどありませんでした。 その頃はいわゆるガラケーにBluetoothドングルと呼ばれる”Bluetooth非対応携帯電話をBluetooth対応に変換するアダプタ”を取り付け、Bluetooth接続へ対応させるという手法をとらない限りBluetoothを使えないという状況が多々ありました。 しかし、Bluetoothドングルへの電源供給をケータイの内蔵バッテリーで行うため、すぐに充電がなくなるということであまり現実的な使い方ではありませんでした。

しかしスマホの急激な普及に伴い、ほぼ全てのスマホがBluetoothに対応していったことから、スマホとその周辺機器との接続方法としてBluetoothの普及が急拡大していきます。 運転中のスマホ・ケータイ利用が法律で規制されるようになった流れもあり、特に車の中でBluetoothを使ったハンズフリー接続・音楽接続でのBluetooth利用が急速に普及しました。 後ほど書かせていただく注意点はあるものの、特にBluetoothを使ったハンズフリー接続は一度やってみるとあまりにも便利なのでやめられなくなってしまいます。

 

車の中でBluetoothでできること

Bluetoothには、Bluetoothというその大きな規格の中に、プロファイルという小さな規格のようなものがあります。 接続機器や使用方法ごとにどのプロファイルに対応しているかで、実際どういうことができるかが決まります。

車の中で使用される主なプロファイルは以下の通りです。

  • HFP(Hands-Free Profile):車に搭載されているスピーカー・マイクを使ってハンズフリー通話と通話の発信着信を行う
  • A2DP(Advanced Audio Distribution Profile):ハンズフリーよりはマシなレベルの高音質音声をカーオーディオ(カースピーカー含)に伝送する
  • AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile):オーディオ・映像関連の機能について、リモコンのように遠隔操作を行う
  • PBAP(Phone Book Access Profile):スマホ・携帯電話から電話帳のデータを転送・同期してカーナビ・カーオーディオの画面等から電話できるようにする

HFPを利用することで、スマホ・ケータイをポケットやかばんの中に入れたまま、車に搭載されているスピーカー・マイクを使って通話することができます。 もちろん、電話がかかってきたときに電話を受けたり、誰かに電話を発信する操作も車側のカーナビ・カーオーディオの操作パネルから行うことができます。

また、カーナビ・カーオーディオとスマホ・ポータブル音楽プレイヤーをBluetooth接続した場合、たいていA2DPとAVRCPの2つのプロファイルが同時に接続されます。 その結果、スマホ・ポータブル音楽プレイヤーの中の音楽データケーブル接続無しカーナビ・カーオーディオのスピーカーで再生できるだけでなく、カーナビ・カーオーディオ側の操作パネルから「再生・停止・曲送り」等、スマホの中の音楽データを遠隔操作することができます。

参考までに、Bluetooth対応も含めて車の中でスマホ・ポータブル音楽プレイヤーを活用するために現在最も売れてるアクセサリー類は、こちら”スマホ用カーアクセサリー売れ筋ランキング(Amazon)“からどうぞ。

 

Bluetoothペアリングに関する注意点

まずは、Bluetooth接続を使うために最初に必ず行わなければならないペアリング(初期設定)に関する注意点です。

新たな組み合わせでBluetooth機器どうしを無線接続する場合、このペアリングという設定が必ず必要です。 車で使用する場合は、カーナビ・カーオーディオとスマホ・ウォークマン等のポータブル機器をペアリングします。

以下はアンドロイドスマホの例ですが、設定画面の中のBluetoothの所から入っていきます(赤色の枠)。 Bluetooth設定画面(下右)の中でスマホ周辺に存在するBluetooth機器を検索した結果が表示されます(ピンク色の枠)。 一度ペアリングが完了すると”ペアリングされた機器”としてリストに登録され、次回からは基本的に自動でBluetooth接続されるようになります(黄色の枠)。

Bluetooth設定・ペアリング画面以下3点がペアリングについての注意点です。

  • 初期設定ペアリングは少々大変なので出発前・停車状態
  • 一般に複数機器との同時ペアリングは不可他機器接続中に新規接続したいなら一旦切断
  • 複数のスマホ・携帯をカーナビ・カーオーディオに登録した場合、切替作業が必要

ペアリング操作は上図のように設定画面の中に入って、接続対象機器を検索して登録するというそれなりの手間が必要です。 電波が届きにくいなどの理由でうまくペアリングができず機器どうしをさらに近づけて再度ペアリングを行わなければならない場合もあります。 よって、一人で運転しながら簡単にできる操作ではないため、必ず出発前または停車中に行うのがベストです。

次に、複数機器とペアリングする場合の注意点です。 上図右アンドロイドスマホの”ペアリングされた機器”リストの中には複数の機器がリストアップされています。

例えば、”SWR30″というのはソニーのスマートウォッチでスマホの着信が腕時計に通知されそのまま通話もできるというものですが、この時、スマートウォッチ”SWR30(下図)”とスマホはペアリングされています。

このまま車の助手席や後部座席に乗り込んだ場合、何も問題はありません。 しかし、運転席に乗り込んだ場合、人の気持ちとしては、スマホはカーナビ(上図の場 合は”DIATONE SOUND.NAVI”)とBluetooth接続して欲しいと感じるのが自然です。 運転中に腕時計に着信が来て腕時計を操作するよりもカーナビの画面で操作できた方が楽だからです。

残念ながらこの場合、一旦スマートウォッチ”SWR30″とスマホとのBluetooth接続を一旦切断して、スマホとカーナビ(上図の場合は”DIATONE SOUND.NAVI”)とのBluetooth再接続を行う必要があります。

このようにBluetooth接続は一般的に同時に1組しかペアを作れないため、他の機器とつなぎ直したい場合は、一旦切断→再接続という手順をとる必要があるのです。

また、複数のスマホ・携帯をカーナビ・カーオーディオにペアリング登録した場合、その中から各スマホ・携帯ごとどのプロファイル(機能)でBluetooth接続を行うか選ぶ必要があります。 下の写真はダイヤトーンサウンドナビの場合の例ですが、

  • Xperia Z3:ハンズフリー用にHFPでBluetooth接続
  • Galaxy S4:音楽転送用にA2DP(+AVRCP)でBluetooth接続

を行っている場合です。

ダイヤトーンサウンドナビBluetooth設定画面

機器ごとにどのプロファイルを使用してBluetooth接続するか選択できます。 ハンズフリーを行う場合の例です。

ダイヤトーンサウンドナビBluetooth電話機接続設定画面

音楽転送を行う場合の例です。

ダイヤトーンサウンドナビBluetoothオーディオ接続設定画面

たまたまBluetooth機能がオンになっているスマホ・携帯が1つしか無かったり、優先的に接続したいスマホ・携帯を1機種選択できる場合は該当するスマホ・携帯とは自動でBluetooth接続される場合もあったりしますが、特定のスマホ・携帯と接続したい場合はどのスマホ・携帯のどのプロファイルでBluetooth接続するかを選択する必要があります。

過去にペアリング登録済のスマホ・携帯であっても、カーナビ・カーオーディオの機器側からは、その時の運転者がどのスマホ・携帯のどのプロファイルでBluetooth接続したいか、さらに言うと2台以上のスマホ・携帯を持っていてどの機種と接続したいかは分からないのです。

 

ポータブル機器側のバッテリーに関する注意点

次にスマホ・ポータブル音楽プレイヤー等のBluetooth対応ポータブル機器の電池の持ちに関する注意点です。 以下3点があります。

  • ポータブル機器側はBluetoothオン状態になることでBluetoothオフ状態よりもバッテリー消費量が多くなる
  • 普段Bluetooth不使用時はバッテリー温存のためBluetoothオフがベストだが、車に乗るとき等Bluetoothを使いたいときは手動でオンを忘れずに
  • シガーソケット・USB端子から充電することでバッテリー消費の問題を解消できるが有線ケーブル不要というBluetoothのメリットそのものが失われる

3点に分けて書いてみましたが、一言で言うと、”Bluetooth使用により、便利さと引き換えにより多く電池を消耗する”ということです。

確かに新しいスマホほどバッテリー容量が大きくなり、電池切れの心配は少なくなってきていますが、少しづつではあるもののBluetoothをオンにしている分は確実に、より多くバッテリーを消費しているというのは紛れも無い事実です。

参考までに、ポータブル機器の外出先でのバッテリー切れの悩み解消につながる外付けモバイルバッテリーで現在最も売れてるものは、こちら”モバイルバッテリー売れ筋ランキング(Amazon)“からどうぞ。

 

ハンズフリーに関する注意点

車の中で一番多く利用されているであろう、Bluetoothハンズフリーに関する注意点です。 以下2点があります。

  • スマホ・携帯側の電話帳データがカーナビ・カーオーディオ側の電話帳に登録されていないと電話番号しか表示されない
  • Bluetoothハンズフリーは同乗者に通話内容がまる聞こえとなる

カーナビ・カーオーディオ側の電話帳にスマホ・携帯側の電話帳データと同等のものが登録されていない場合、着信時には番号しか表示されないため誰からかかってきたのか分かりにくい上、発信時にも電話帳から名前を選択して発信するのではなくいちいち番号入力が必要となります。

しかし、この問題はPBAP(Phone Book Access Profile)に対応しているカーナビ・カーオーディオ(もちろんスマホ・携帯側も対応が必要)であれば、ペアリングと同時にスマホ・携帯側の最新の電話帳をカーナビ・カーオーディオ側に自動転送・同期されるため、解決することができます。 特に車内でBluetoothハンズフリーを多用される方は、車・カーナビ・カーオーディオ購入の際にPBAP(Phone Book Access Profile)対応可否を確認いただくのがおすすめです。

また意外と盲点なのが、Bluetoothハンズフリーを使うと同乗者に通話内容がまる聞こえとなるところです。 1人で乗車している場合は全く問題ありませんが、同乗者がいるときは、かかってくるかもしれない電話の内容が同乗者に聞かれて問題無い場合しかBluetooth接続を行わないのが無難です。

 

音楽転送に関する注意点

最後に今後さらに増えていくであろうBluetoothを使った音楽転送に関する注意点です。 以下3点あります。

  • Bluetooth対応となっていてもハンズフリーにしか対応してない場合あり(音楽転送にも対応しているとは限らない)
  • 車がBluetooth対応済なら音質的にはなるべくFMトランスミッターは使用しない
  • 新しくBluetooth機器を購入するなら、より音質のいいコーデックapt-X, AAC, LDAC対応の機器を検討してみる

車の中でBluetoothでできること(ページ内リンク)で書かせていただいた通り、Bluetoothと一言で言っても様々な機能があります。 特に少し古めのカーナビの場合、Bluetoothを使用したハンズフリーはできるけど、音楽転送はできないという場合が多々あります。 ”Bluetooth対応”や以下の”Bluetoothロゴ”の記載があっても具体的にどのプロファイルにまで対応しているかが重要です。

Bluetoothロゴ

次に音楽転送時の音質についてです。

知らない人は損してる!?車の音質が低下する3つの原因[入力編]の記事にも書かせていただきましたが、音質を決定づける1つの指標としてビットレートを使い、代表的な音源フォーマットを一覧に整理すると、

  • FMラジオ約96kbps
  • mp3などの圧縮音源をBluetooth A2DP(SBC)接続事実上64~約200kbps
  • MD(ATRAC):292kbps (MDLP 2倍モード:146kbps)
  • mp3などの圧縮音源を記録したメディア:事実上64~320kbps
  • mp3などの圧縮音源をBluetooth A2DP(AAC)接続事実上64~320kbps
  • mp3などの圧縮音源をBluetooth A2DP(apt-X)接続352kbps
  • mp3などのネット配信・圧縮音源~FLAC/DSDなどのハイレゾ音源をBluetooth A2DP(LDAC)接続最大990kbps
  • CD(-DA):1,411kbps
  • FLAC/DSDなどのハイレゾ音源が記録されたメディア:事実上1,411kbps以上

となります。 ここでは、数字が大きい方が1秒あたりのデータ量が多いため、より音質がよいと考えます。

また、以下の図はBluetoothで音楽転送する場合のイメージですが、青色で示したBluetooth A2DP(SBC)接続部分のボトルネック・赤枠で示したD/D処理の繰返しにより音質が低下します。

A2DP+AVRCPを使ったBluetooth接続イメージ図

つまり、Bluetooth A2DP(SBC)接続を行った時点で、元が例えばCDや256kbps程度のmp3/AAC等の音楽データの場合、少し音質が低下してしまうのです。 そこにさらにFMトランスミッターを使用してしまうと約96kbpsのFMラジオ相当にまでさらに音質低下してしまうのです。 もちろん音楽として聴けないことは無いですし、FMラジオ自体はすばらしいメディアですが、CDや例えば256kbps程度のmp3等の音楽データなど”いい音質で聴けるポテンシャルのある音源“を使い方1つで音質低下させてしまうことが”もったいない“のです。

また、こちら”誰でも簡単にハイレゾを車(カーオーディオ)で楽しむ方法“の記事でハイレゾウォークマンを活用したカーオーディオの音質向上方法について紹介させていただいておりますが、実はBluetooth A2DP(SBC)接続FMトランスミッター接続を行う限り、いくら高音質なスマホやハイレゾウォークマンを使用しても大して音質向上は期待できないので注意が必要です。 理由は以下2点です。

  • Bluetooth A2DP(SBC)やFMトランスミッター部分の音質劣化がボトルネック
  • Bluetooth接続だとスマホ・ウォークマン等側の内蔵アンプはほぼ使用されず単なる信号としてカーオーディオへ送信

ちなみに、Bluetooth A2DP(SBC)接続の弱点である音質等を改善するSBCに代わる”AAC“, “apt-X“, “LDAC“等のBluetooth A2DPで使える新たなコーデックも出てきています。 まだまだ対応機器が少なく、特にカーナビ・カーオーディオでの対応はこれからというのが難点ですが、今後新たにBluetooth機器の購入を予定されているならAAC, apt-X, LDAC対応機器を探してみるのも将来的な音質向上への備えになります。

 

現時点でBluetooth A2DPとして最も高音質なコーデックは”LDAC”となりますが、実際に私KYOが”LDAC”を使用して感じた注意点をこちら”ハイレゾウォークマン/スマホの高音質Bluetooth/LDAC接続の注意点“の記事にまとめましたので、もしよければご参考にどうぞ。

また、Bluetooth接続も含め、スマホ・ポータブル音楽プレイヤーを車の中で活用するにあたって現在最も売れてるアクセサリー類は、こちら”スマホ用カーアクセサリー売れ筋ランキング(Amazon)“からどうぞ。

関連記事

howto_select_AUXcable

知っておきたい車のAUX端子用ステレオミニプラグケーブル(オーディオケーブル)の選び方

クルマの中だけでなく、様々なシーンで使用されるAUX端子用ステレオミニプラグケーブル。

記事を読む

600x600MKLV_Setting

レクサス・マークレビンソンのおすすめDSP設定と音質の違いとは

レクサスのマークレビンソン装着車には、いくつかの音質設定項目があります。 購入されたままの状態でお使

記事を読む

AUX端子用ミニプラグの種類図

AUXとは?AUX端子用ミニプラグには12種類以上もの規格があった

AUXとは、以下の写真のような外部入力プラグ類の総称です。 (AUXとは何か?については後ほど詳しく

記事を読む

sound_down_aux

iPhone・ウォークマン等で車のAUX端子接続時の音質改善3つの注意点

iPhone/アンドロイドなどのスマホやiPod/ウォークマンなどのポータブル機器をカーオーディオに

記事を読む

600x600BT_sound_quality

こんな方法があったのか!音質を犠牲にしないBluetooth活用方法

ここ数年、スマホ・ポータブル音楽プレイヤーとケーブル無しで接続できるBluetooth対応イヤホン・

記事を読む

PC用336×280

  • 名前:KYO(30代後半・理系)
    職業:カーオーディオの設計開発
    ※プロフィール詳細はこちら
PAGE TOP ↑