車でスマホ充電する方法は12通りもあった!最強の急速充電方法とは?

車で出かける場合、

  • 移動中にスマホでいろいろ調べてバッテリーが激減・・・
  • 出発直前にスマホを確認したらバッテリー残りわずか・・・

なーんて時に車の中でも移動中に充電できれば、とても安心・便利です。

ところで、車の中でスマホを充電する方法って実は12通りもあるのをご存知でしょうか?

シガーソケット用のUSB充電器、おくだけ充電、USBポート・・・などがよく使われますが、実はまだまだ他にもあります。

車内でスマホ充電する方法のイメージ

ここでは、車内でスマホを充電する12通りの方法を具体的に解説していくと共に、実際に12通り全ての方法を私がやってみて、一番充電が速い最強の急速充電方法はどれかについて明らかにしていきます。

普段なにげに車の中で充電されている場合に、

  • 「なんか充電遅い気がするし、他にいい方法無いの?」
  • 「もっと高速に充電する方法が知りたいんだけど・・・」

などと思われている方は、参考になるのではないかと思います。

目次
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なぜ車内でスマホなどの充電が必要か?

車内でのスマホ利用などバッテリー消費シーンの拡大

まず改めて、車の中でスマホを充電する必要性・シーンについて考えてみます。

iPod・ウォークマンなどのデジタルオーディオプレーヤーや、iPhone・アンドロイドスマホの普及により、車内でカーナビ・カーオーディオ内蔵の音楽だけでなく、これらポータブル機器の中の音楽を聴くことが多くなりました。

しかし、これらのポータブル機器を車内で使う場合、特に長時間ドライブでの使用を考えると、やはり電池・バッテリーの持ちが心配になります。

音楽再生によるバッテリー消費以外にも、

  • スマホをカーナビ・ドライブレコーダー代わりに長時間使用して電池消費
  • 長距離ドライブで暇だから、SNSとか動画とかたくさん見て電池消費
  • ドライブ先のスポット等を調べるためにたくさんネットして電池消費
  • 車で出かける直前スマホの電池が少ないことに気付く(T-T)

など、車の中で充電したくなるシーンは山のように存在します。

 

音楽のハイレゾ化などによる消費電力拡大

ハイレゾウォークマン・ハイレゾ対応スマホに代表されるハイレゾ対応ポータブル機器の登場により、車内でも手軽にハイレゾ音源を楽しめるようになりました。

私も、スマホやハイレゾウォークマンを車内に持ち込み、カーオーディオに接続してハイレゾ音源による音楽を満喫しています。

実は、ハイレゾ音源も含め高音質な音楽再生には通常音源以上に電力を消費してしまう場合があります。 例えば、SONYのハイレゾウォークマンの場合、

  • DSEE-HX(通常音源をハイレゾ音源相当にアップスケーリングする機能)がON
  • 外部のポータブルアンプ(ポタアン)等にWM-Portからデジタル出力

の場合、異常にバッテリーの消費が早いです。

特にWM-Portからデジタル出力している状態は、恐ろしいくらいのバッテリー消費スピードです。

しかし、車の中で充電できる万全の体制を備えておけば、自分にとっても同乗者にとっても安心・快適なドライブ・カーライフになることは間違いありません!

ちなみに音楽再生中、バッテリーの持ちを心配するあまりシガーソケット接続などで充電しながら使用する場合が考えられます。

しかし、こちらの”AUX接続時に音質を劣化させない3つの注意点”の記事にも書かせていただきましたが、シガーソケット接続で充電しながらの音楽再生は、充電中の電流経由で車のノイズを受けて音が悪くなってしまう可能性が高いので、音質が劣化してしまうと言う観点で、実はあまりおすすめできません。

このように、接続方法によっては音楽再生と充電は同時には実施しないのがおすすめです。

 

車でスマホを充電する方法は「ワイヤレス充電」と「ケーブル充電」の大きく2つ

車でスマホを充電する方法は実はとても多くざっくり分類しても12通り以上あります。

これらをまず大きく2つに分けると、おくだけ充電とも呼ばれるケーブルを使わない「ワイヤレス充電」とケーブルを使う「ケーブル充電」になります。

  • ワイヤレス充電:おくだけ充電とも呼ばれ、置くだけで手軽に充電が可能だがスマホ側の対応が必要
  • USBケーブル充電:最も一般的な充電方法でUSB電源ケーブルをつないで充電、スマホ側のコネクタ形状に注意

次章より、それぞれ12通りの充電方法について、実際に充電時間がどれくらいかかったのか実験した結果について、説明させていただきます。

 

充電実験に使用した機材一覧

今回の実験にあたっては、以下の機材を使用しました。

Galaxy S8 バッテリー残量60%表示

  • 実験用車両:2019年式トヨタ新型プリウス、2018年式VWティグアン
  • 実験用スマホ:NTT docomo samsung Galaxy S8(バッテリー残量:約60%)
  • 実験用充電パッド:NILLKIN 超薄型急速ワイヤレス充電器(Qi認証済み)
  • 実験用USB対応充電器:QC3.0対応/非対応USB充電ACアダプタ、QC3.0対応/非対応シガーソケットUSB充電器

 

Quick Charge 2.0/3.0による急速充電対応とは?

今回、100VのACアダプタタイプ・シガーソケットタイプのUSB充電器については、QC2.0/3.0に対応したものと非対応のもの両方を準備しました。

そもそもQC2.0/3.0(Quick Charge 2.0/3.0)とは、米国のクアルコム(Qualcomm)社が開発した、USB充電時に通常最大”5V/2.4A”のところを”5V/2.4A”~”9V/2A”~”12V/1.5A”と電圧を上昇させる制御を行うことで、充電時間をさらに短くする、いわゆる急速充電の技術です。

対応端末はSony Xperia、Samsung Galaxyなど、auの”Quick Charge 2.0″・ドコモの”急速充電2″対応端末に限られていますが、対応端末であれば、さらに急速な充電ができます。

私の使用感としては、バッテリー容量の90%→100%等の最後の最も時間がかかる場面を除くと、従来の急速充電器の2倍以上の速度を実感できました。

以下が主なQuick Charge 2.0/3.0対応機種です。 残念ながら現時点ではiPhoneは対応していません。

Sony Xperia Z2/Sony Xperia Z2 Tablet
Sony Xperia Z3/Sony Xperia Z3 Tablet
Sony Xperia A4/Sony Xperia ZL2/Sony Xperia Z4/Sony Xperia Z4 Tablet
Sony Xperia Z5/Sony Xperia Z5 Premium/Sony Xperia Z5 Compact
Sony Xperia X Performance/Sony Xperia XZ/Sony Xperia XZ2

Samsung Galaxy S5/Samsung Galaxy S6/Samsung Galaxy S6 Edge
Samsung Galaxy S7/Samsung Galaxy S7 Edge
Samsung Galaxy S8/Samsung Galaxy S8+
Samsung Galaxy S9/Samsung Galaxy S9+
Samsung Galaxy Note 4/Samsung Galaxy Note Edge

Sharp Aquos Pad/Sharp Aquos Zeta/Sharp SH01G/02G
Asus Transformer T100/Asus Zenfone 2/Yota Phone 2
Droid Turbo by Motorola/New Moto X by Motorola
Fujitsu Arrows NX/Fujitsu F-02G/Fujitsu F-03G/Fujitsu F-05F
Google Nexus 6/HTC Butterfly 2/HTC One (M8)/HTC One (M9)
Kyocera Urbano L03/LG G Flex 2/LG G4/Panasonic CM-1

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車でスマホをワイヤレス充電する6つの方法

まず、ケーブルを使わないワイヤレス充電についてですが、以下の6通りの方法が考えられます。

  • 純正ワイヤレスQi(おくだけ充電)
  • 純正音楽データ用USB+家用Qi(おくだけ充電)
  • 100Vコンセント+普通のUSB充電器+家用Qi(おくだけ充電)
  • 100Vコンセント+QC2.0/3.0対応USB充電器+家用Qi(急速おくだけ充電)
  • シガーソケット接続普通のUSB+家用Qi(おくだけ充電)
  • シガーソケット接続QC2.0/QC3.0対応USB+家用Qi(急速おくだけ充電)

 

純正ワイヤレスQiパッド(おくだけ充電)

トヨタプリウスに純正装着されているおくだけ充電器を使ってみます。 以下の写真のイメージです。

プリウス純正おくだけ充電パッド

  • 結果→ 普通のワイヤレス充電:充電完了まで80分(1時間20分)

プリウス純正おくだけ充電パッドでGalaxy S8充電中

上図の通り、80分かかる結果となりました。

電池容量の大きいGalaxyとはいえ、約半分の40%も充電しなければならいとはいえ、ポイッとおくだけのワイヤレス充電とはいえ、1時間以上もかかるのは正直時間がかかりすぎな印象です。

もっと速い充電方法を探したくなります。

 

純正音楽データ用USB+家用Qi(おくだけ充電)

トヨタ車の場合、例えばメーカーオプションのカーナビが装着されていると、下図のようなオーディオ入力用の純正USB+AUX端子が装着されています。

トヨタ車で無い場合やメーカーオプションのカーナビが無い場合でも、カーナビ・カーオーディオに音楽データを転送するためのUSB端子であれば、今回の場合と同じ事例となります

プリウス純正音楽データ用USB端子

トヨタプリウスの純正ナビ仕様にも純正USB+AUX端子が装着されているので、下図のイメージで家庭用のワイヤレス充電Qiパッドを接続します。

プリウス純正音楽用USB端子にワイヤレス充電パッド接続

  • 結果→ 普通のワイヤレス充電:充電完了まで80分(1時間20分)

プリウス純正音楽用USB端子接続の充電パッドでGalaxy S8充電中

上図の通り、80分かかる結果となりました。 純正おくだけ充電を使用した場合と同じで1時間以上もかかるのは正直時間がかかりすぎな印象ですが、本来オーディオ入力用のUSB端子であるにもかかわらず純正おくだけ充電と同じ充電時間となったのは正直少し驚きでした。

 

純正100Vコンセント+普通のUSB充電器+家用Qiパッド(おくだけ充電)

次にトヨタプリウスに純正装着されている下図のAC100Vコンセントに、家庭用のワイヤレス充電Qiパッドを接続します。

ちなみに車の100Vコンセントについては、こちら”車に100Vコンセント電源を設置する3つの方法“の記事にまとめましたので、もしよければご参考にどうぞ。

プリウス純正AC100Vコンセントまずは、純正装着されている下図のAC100Vコンセントに、家庭用のUSB充電器を接続します。

プリウス純正100Vコンセント+QC3.0非対応USB充電器

さらにUSB充電器のUSB端子にワイヤレス充電Qiパッドを接続します。 下図のイメージです。

プリウス純正100Vコンセントにワイヤレス充電パッド接続

  • 結果→ 普通のワイヤレス充電:充電完了まで80分(1時間20分)

プリウス純正コンセント経由の充電パッドでGalaxy S8充電中

上図の通り、80分かかる結果となりました。

先ほどの純正おくだけ充電器の場合等と全く同じ結果となりました。

通常、車の中の主要電気部品への供給電圧は、シガーソケット等も含め12Vです。 これに対し家庭用と同じ100Vもの強力な電圧を供給するので、少しくらいは充電時間が短くなるような気もしましたが、結局最終的にUSB充電器の部分で100VからUSB規格の5Vに変圧されているので、差が出ない結果となりました。

やはり1時間以上もかかるのは正直時間がかかりすぎな印象で、もっと速い充電方法を探したくなります。

 

純正100Vコンセント+QC2.0/3.0対応USB+家用Qiパッド(おくだけ急速充電)

ここから新たな方法にチャレンジしていきます。

純正装着されている下図のAC100Vコンセントに、先ほど同様に家庭用のワイヤレス充電Qiパッドを接続しますが、USB充電器の部分をQC2.0/3.0対応充電器に入れ替えます。 ワイヤレス充電Qiパッドの部分はそのままです。

プリウス純正100Vコンセント+QC3.0対応USB充電器

  • 結果→ 急速ワイヤレス充電:充電完了まで72分(1時間12分)

プリウス純正コンセント経由のQC3.0対応充電パッドでGalaxy S8充電中

上図の通り、ワイヤレス充電でありながら、通常充電時間の80分が72分にまで短縮されました。 充電表示も先ほどの「ワイヤレス充電中」では無く「急速ワイヤレス充電中」となっています。

以上より、

  • トヨタ純正のおくだけ充電器は急速ワイヤレス充電には非対応
  • QC2.0/3.0を使うとトヨタ純正おくだけ充電器よりも早い急速ワイヤレス充電が可能

であることが分かります。

 

シガーソケット接続普通のUSB+家用Qiパッド(おくだけ充電)

100Vコンセントが純正装着されている車はそんなに多くないので、多くの車で汎用的に使えるシガーソケット経由のワイヤレス充電パターンにもチャレンジしてみます。

この方法なら、純正100Vコンセントや純正おくだけ充電器が装備されていない車でも、おくだけ充電をカンタンに後付けして使うことができます。

プリウス純正12Vシガーソケット

上図のシガーソケットにUSB充電器を装着します。 下図のイメージです。

USBポートが3ポート設定されているモデルですが、一番上側の緑色のポート(赤枠部分)のみQC2.0対応しています。

ちなみに車のシガーソケットUSB充電器については、こちら”シガーソケットUSB充電器(車用)の選び方“の記事にまとめましたので、ご参考にどうぞ。

プリウス純正12VシガーソケットにQC2.0対応USB充電器装着

まずは、QC2.0対応していないUSBポートに家庭用のワイヤレス充電Qiパッドを接続します。 下図のイメージです。

シガーソケットにワイヤレス充電パッド接続

  • 結果→ (普通の)ワイヤレス充電:充電完了まで80分(1時間20分)

シガーソケット経由の充電パッドでGalaxy S8充電中

上図の通り、80分かかる結果となりました。

先ほどの純正おくだけ充電器や純正100Vコンセント経由の場合と全く同じ結果となりました。

これらの結果より、QC2.0/3.0などの急速充電を使わない限り、純正品だろうが、100Vコンセント経由だろうが、シガーソケット経由だろうが、おくだけ充電の充電時間は変わらないことが分かりました。

ちなみに最近では、下図のようなスマホホルダー一体型のワイヤレス充電器が人気です。

こちらのワイヤレス充電器も給電はUSB端子で行いますので、一般的には上図の通りシガーソケットUSBから電源を取ることになります。

つまり充電速度としては、こちらに書かせていただいた「シガーソケット接続普通のUSB+家用Qiパッド(おくだけ充電)」と同じです。

こちら”車載スマホホルダーでワイヤレス充電するメリット/デメリット4項目“の記事にスマホホルダー一体型のワイヤレス充電器のメリット・デメリットを整理してみましたので、もしよければ合わせてご参考にどうぞ。

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シガーソケット接続QC2.0/QC3.0対応USB+家用Qiパッド(おくだけ急速充電)

次に100Vコンセント場合と同じく、シガーソケットでもQC2.0対応USBポートに入れ替えます。 ワイヤレス充電Qiパッドの部分はそのままです。

QC2.0対応の一番上側のUSBポートに家庭用のワイヤレス充電Qiパッドを接続します。 下図のイメージです。

シガーソケットのQC2.0対応USBポート経由でワイヤレス充電パッド接続

  • 結果→ 急速ワイヤレス充電:充電完了まで72分(1時間12分)

QC2.0対応USBシガーソケット経由の充電パッドでGalaxy S8充電中

上図の通り、ワイヤレス充電でありながら、通常充電時間の80分がやはり72分にまで短縮されました。 充電表示も同じく先ほどの「ワイヤレス充電中」では無く「急速ワイヤレス充電中」となっています。

以上より、100Vコンセント経由だろうが、シガーソケット経由だろうが、QC2.0/3.0を使うとトヨタ純正おくだけ充電器よりも早い急速ワイヤレス充電が可能であることが分かります。

 

車でスマホをUSBケーブル充電する6つの方法

次に、USBケーブルを使う充電方法についてですが、以下の6通りが考えられます。

  • 純正音楽データ用USB+ケーブル
  • シガーソケット接続普通のUSB+ケーブル
  • シガーソケット接続QC2.0/QC3.0対応USB+ケーブル
  • 100Vコンセント+普通のUSB充電器+ケーブル
  • 100Vコンセント+QC2.0/3.0対応USB充電器+ケーブル
  • 純正充電用USB+ケーブル

 

純正音楽データ用USB+USBケーブル

先ほど同様、下図のようなカーナビ・カーオーディオへ音楽データを転送するためのUSB端子を使います。

プリウス純正音楽データ用USB端子

フタを開けUSB端子にUSBケーブルを接続し、今回は直接スマホにもケーブル接続します。 下図の接続イメージです。

プリウス純正音楽用USB端子接続

  • 結果→ (普通の)充電:充電完了まで129分(2時間9分)

プリウス純正音楽用USB端子接続でGalaxy S8充電中

上図の通り、なんと129分との結果になりました。 今回の実験の中で最も時間がかかる最も充電が遅いパターンとなりました。

このように、カーナビ・カーオーディオに音楽データを転送するためのUSB端子では充電が遅い・なかなか充電が進まない場合があります。

今回のような音楽データ転送目的のUSB端子の場合、USB規格としてはUSB1.1かUSB2.0のだいたいどちらかです。 実は上位規格のUSB2.0であってもデータ通信上の規格としては0.5Aの電流出力しか想定されていないので、2A前後の電流が必要とされるiPhoneも含む最近のスマホ側が必要とする充電電力には全く届いていない状況なのです。

とは言え、同じ音楽データ転送用のUSB端子経由では、USBケーブル接続するよりもワイヤレス充電器を接続して充電した方が充電時間が短くなるのには驚きました。 一般的には、その他の条件が同じであれば、ワイヤレス充電よりもケーブル接続による充電の方が充電時間が短くなる傾向があるからです。

 

シガーソケット接続普通のUSB+USBケーブル

シガーソケットにUSB充電器を装着します。

今回使用するのは、USBポートが3ポート設定されているモデルですが、一番上側の緑色のポート(赤枠部分)のみQC2.0対応しています。

プリウス純正12VシガーソケットにQC2.0対応USB充電器装着

まずは、QC2.0対応していない2番目のUSBポートとスマホをUSBケーブルで接続します。 下図のイメージです。

シガーソケットUSB充電器にUSBケーブル接続

  • 結果→ (普通の)充電:充電完了まで55分

シガーソケットUSB充電器にUSBケーブル接続でGalaxy S8充電中

上図の通り、55分との結果となりました。

同じUSBケーブル接続にも関わらず、先ほどの音楽データ転送用USB端子に接続した場合の129分と比べるとなんと半分以下の充電スピードです。

これくらいの時間なら現実的に充電してみようという気持ちになります。

 

シガーソケット接続QC2.0/QC3.0対応USB+USBケーブル(急速充電)

次にシガーソケットUSB充電器の一番上側のQC2.0対応USBポートを使用します。 USBケーブル部分はそのままです。 下図の接続イメージです。

QC2対応シガーソケットUSB充電器にUSBケーブル接続

  • 結果→ 急速充電:充電完了まで54分

QC2対応シガーソケットUSB充電器にUSBケーブルでGalaxyS8接続充電中

上図の通り、通常充電時間の55分が54分に短縮されました・・・というか、これは明らかに誤差の範囲内です。 ただし、充電表示は同じく先ほどの「ワイヤレス充電中」では無く「急速ワイヤレス充電中」となっています。

 

純正100Vコンセント+普通のUSB充電器+USBケーブル

純正装着されている下図のAC100Vコンセントに、家庭用のUSB充電器を接続します。 こちらは、

プリウス純正100Vコンセント+QC3.0非対応USB充電器

  • 結果→ (普通の)充電:充電完了まで56分

プリウス純正コンセント経由のQC3.0非対応USB充電器でGalaxy S8充電中

上図の通り、56分との結果となりました。 さきほどのシガーソケットUSB充電器に接続した場合と同じ結果となりました。

 

純正100Vコンセント+QC2.0/3.0対応USB+USBケーブル(急速充電)

純正装着されている下図のAC100Vコンセントに、先ほど同様にUSB充電器の部分をQC2.0/3.0対応のUSB充電器に入れ替えて接続ます。

プリウス純正100Vコンセント+QC3.0対応USB充電器

  • 結果→ 急速充電:充電完了まで48分

プリウス純正コンセント経由のQC3.0対応USB充電器でGalaxy S8充電中

上図の通り、48分との結果となりました。 やはりQC2.0/3.0対応の充電器だと速いです。

この100Vコンセント経由のQC2.0/3.0対応USB充電器でのUSBケーブル接続充電が、実は今回の12通りの充電方法の中で最も速い充電方法となりました。

ただ少し不思議なのが、同じようにQC2.0/3.0対応USB充電器とUSBケーブルを使用してもシガーソケット経由と100Vコンセント経由では同じ「急速充電モード」にはなるものの、実際の充電時間には差が出てしまう結果となりました。

 

純正充電用USB+USBケーブル

今回実験に使用したトヨタプリウスには装備されていませんが、音楽転送用とは全く違う、純正の充電専用用のUSB端子が存在します。

今回はVW(フォルクスワーゲン)ティグアンのコンソール後ろの後席用エアコンスイッチの下に設定されている充電用USB端子を使用しました。

VW純正充電用USB端子

  • 結果→ (普通の)充電:充電完了まで58分

VW純正充電用USB端子からUSBケーブルでGalaxy S8充電中

上図の通り、58分との結果となりました。 さきほどのシガーソケットUSB充電器に接続した場合やQC2.0/3.0非対応のUSB充電器にUSBケーブルで接続した場合と同じ結果となりました。

この充電専用のUSB端子ですが、音楽データ転送用に使用されるUSB端子とは違い、音楽再生等のデータ通信は一切できない代わりに充電に特化したUSB端子となっています。

まだ設定車種は少なくトヨタ車ではプリウスには設定されていませんが、2017年以降のトヨタ新型ヴォクシー・ノア・エスクァイアには下図のように装備されています。

2.1Aと書かれた四角いフタを開けると充電専用のUSB端子が現れます。 電池のマークが充電専用であることを示しています。

トヨタ車の純正充電専用USB端子

この場合、2.1Aまで電流出力が可能なので、QC2.0/3.0対応とまではいかないものの、いわゆる急速充電が可能です。

こちらはデータ通信用のUSB規格に対し、充電用のUSB規格としてUSB BC (Battery Charging specification)というUSB2.0の給電仕様を拡張する新たな規格や、USB Type-C、USB PD (Power Delivery)といった規格が作られ1.5~5.0Aの電流出力までが規定されています。

このように徐々にUSBポートの給電能力は向上していますが、まだまだ2Aを大幅に上回る給電能力を持つ純正USBポートが装備された車は少ないのが現状です。

以上より、100Vコンセント経由だろうが、シガーソケット経由だろうが、純正USB端子だろうが、純正音楽転送用USB端子を除けば、基本的には充電スピードは同じで、そこそこ速いスピードで充電できることが分かります。

またUSBケーブルを使った充電は、純正音楽転送用USB端子接続を除けば、ワイヤレス充電・急速ワイヤレス充電のどちらよりも速いことも分かります。

さらにUSBケーブルを使った充電で、100Vコンセント経由QC2.0/3.0を使うと最も速い急速充電が可能となりました。

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車内でスマホ充電が速い方法ランキング

最後に、ここまでの車内でのスマホ充電方法をまとめ、あらためて充電の速い順にランキング形式で整理してみます。 結果は以下の通りです。

 

1位:QC2.0/3.0を利用したUSBケーブル充電

  • 純正100Vコンセント+QC2.0/3.0対応USB充電器+USBケーブル(急速充電):約48分

急速充電技術であるQC2.0/3.0を使う方法が速いことは予測できましたが、その中でも100Vコンセントから電源取得するのが最も充電性能が高いとの結論になりました。

使用した100Vコンセント接続タイプのUSB充電器の性能も関係しているかもしれませんが、一般的に100Vコンセント経由だと電力供給的にも余裕があり、高い性能を示すことが分かりました。

 

2位:USBケーブル充電

  • シガーソケット接続普通のUSB+USBケーブル:約55分
  • シガーソケット接続QC2.0/QC3.0対応USB+USBケーブル(急速充電):約55分
  • 純正100Vコンセント+普通のUSB充電器+USBケーブル:約55分
  • 純正充電用USB+USBケーブル:約55分

4つの方法がほぼ同じ時間で2位となりました。 QC2.0/3.0を使う方法と使わない方法が両方同じ時間になるケースが少し不自然ですが、事実としてこのような結果となりました。

もしかすると、QC2.0/3.0を使う方法はしばらく時間が経過すると充電制御が変更されてさらに時間が短くなるのかもしれません。

 

3位:急速ワイヤレス充電

  • 純正100Vコンセント+QC2.0/3.0対応USB充電器+ワイヤレス充電(急速ワイヤレス充電):約72分
  • シガーソケット接続QC2.0/QC3.0対応USB+ワイヤレス充電(急速ワイヤレス充電):約72分

おくだけ充電とも呼ばれるワイヤレス充電を使用する方法では、QC2.0/3.0を使うことで確実に充電時間が短縮されることが分かる結果となりました。

ただしワイヤレス充電は、そもそもケーブル充電と比べて便利な反面、充電効率は低下気味です。 そんな中、充電性能的には、QC2.0/3.0を使ってもワイヤレス充電だとQC2.0/3.0を使わないケーブル充電にすら勝てないことが分かりました。

よって、ワイヤレス充電は急いでない場合には便利なのでおすすめですが、急いでいる場合には迷わずケーブル充電を選択いただくのがおすすめです。

 

4位:通常のワイヤレス充電

  • 純正ワイヤレス充電:約80分
  • 純正音楽データ用USB+ワイヤレス充電:約80分
  • 純正100Vコンセント+普通のUSB充電器+ワイヤレス充電:約80分
  • シガーソケット接続普通のUSB+ワイヤレス充電:約80分

QC2.0/3.0を使わない通常のワイヤレス充電を使う4つの方法がほぼ同じ時間で4位となりました。

最も充電が速い方法である「純正100Vコンセント+QC2.0/3.0対応USB充電器+USBケーブル」と比べて約1.6倍もの時間がかかる結果となりました。

やはり、ワイヤレス充電は急いでない場合には便利なのでおすすめですが、急いでいる場合には迷わずケーブル充電を選択いただくのがおすすめです。

 

車内でスマホ充電が最も遅い方法

  • 純正音楽データ用USB+USBケーブル:約129分

ほぼ予想通りの結果ですが、音楽データ用USB端子は、カーオーディオと音楽データ通信を行うための端子なので充電目的では作られていません

当然といえば当然ですが、充電性能的には最も時間がかかる結果となりました。

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おすすめの車内スマホ充電方法まとめ

車内でスマホを充電する場合に最も速い方法は、「純正100Vコンセント+QC2.0/3.0対応USB充電器+USBケーブル」でした。 しかし、現実問題、純正100Vコンセントが装備されている車はあまり多くありません

そこで、お手軽にそこそこの速さで充電ができる方法として1番おすすめなのが、「シガーソケット接続USB+USBケーブル」で充電する方法です。

シガーソケットは前席の近くに設置されている場合が多いので、スマホホルダー等と組み合わせて、下図のようなイメージでいい感じの位置にスマホを固定しながら充電することもできます。

シガーソケットにUSB充電器をつないで充電中

あらためてシガーソケット接続のUSB充電器がおすすめな理由は、

  • 急速充電対応の電流2A以上出力可能な機器が安く入手可能
  • 車の買替サイクル(=平均約8年)よりも充電器の進化が速く充電器の買替が発生

の2点からです。

Amazonではなんと8,000種類以上ものシガーソケット充電器が販売されており、市場の価格競争も激しくなってます。 価格競争が激しいおかげで、高品質・高性能なシガーソケットUSB充電器が1,000円前後の価格から手に入ります。

また、車の買替サイクルは平均約8年ですが、スマホ等の電子機器は半分以下の2~4年で買替される方が多いのではないでしょうか?

一般的にスマホ等の電子機器は車と比較して進化が速く8年も経つと、古くてあまり使いものになりません。 スマホ等と同様、その充電技術についてもQC(Quick Charge) 2.0や3.0など次々と高速で最適な充電制御技術が開発されています。

よって今後も、例えば8年間の車を使用している期間に、新たな充電技術が出てくると同時に、その技術が搭載された、より急速に充電可能かつ価格の安いシガーソケットUSB充電器が次々に出てくると考えられるのです。

シガーソケット充電器の選び方については、こちら”車のシガーソケットUSB充電器の選び方“の記事に詳しくまとめましたので、もしよろしければ合わせてご参考にどうぞ。

また、スマホへのUSB充電だけでなく、車内でのあらゆる電源確保方法について全般的に知りたい方は、こちら”車から電源を取り出す3つの方法“の記事にまとめましたので合わせてご参考にどうぞ。

 

スマホを快適に長く使うには、ここで書かせていただいたような「最強の充電方法」だけでなく、「バッテリーの減りを抑える方法」を知っておくのもおすすめです。

こちら”ウォークマンA100/ZX500バッテリー激減問題!7つの長持ち対策方法“の記事で、アンドロイドスマホと同じアンドロイドOSが搭載されたウォークマンを例に、バッテリーを長く持たせる方法についてまとめてみました。 もしよろしければ、合わせてご参考にどうぞ。

 

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