カーオーディオ交換/取り付けが簡単にできる車か見分ける3つの条件

世の中には、

  • 「カーナビ・カーオーディオが、簡単に交換/取り付けできる構造の車」
  • 「カーナビ・カーオーディオが、簡単には交換/取り付けできない構造の車」

の2種類があります。

カーオーディオ交換/取り付けのイメージ

ここでは、そんな2種類の車をなるべく簡単に見分ける条件について、10年以上カーオーディオの開発を行ってきた私の経験を元に書かせていただきます。

この記事を読んでいただくことで、パッと見で分かる場合も分からない場合も含め、「カーナビ・カーオーディオの交換に踏み込んでいいタイプの車」か、交換に踏み込んでしまうと大規模な改造に発展してしまう「カーナビ・カーオーディオの交換は止めといた方がいいタイプの車」なのか、すぐに判別できる知識を身につけていただくことができます。

PR

カーナビ・カーオーディオ交換/取り付けの必要性

まず、カーナビ・カーオーディオの交換や取り付けが必要となるきっかけについて考えてみます。

普段、自分の車のカーナビ・カーオーディオに対して何も不満が無ければ、そもそも交換する必要性などありません。

しかし、

  • 自分の車のカーナビ・カーオーディオに何らかの不満がある場合
  • カーナビ・カーオーディオ交換を前提として中古車などを購入する場合
  • カーナビ・カーオーディオがそもそも装備されていない車を購入する場合

などにおいては、カーナビ・カーオーディオの交換や取り付けが必要となってきます。

 

カーナビ・カーオーディオでありがちな3つの不満

カーナビ・カーオーディオにおいて、よくありがちな不満としては、以下の3つがあります。

  • 画面が小さい/粗い/きたない(主流は8インチWVGA以上)
  • 機能がショボい(主流は地デジ/DVD/Bluetooth対応)
  • 音質が悪い(安い機種は音響部品がコストダウンされがち)

実は、カーナビ・カーオーディオはいわゆるデジタル製品であり、スマホやパソコンと同じように進化のスピードがとても速いタイプの製品なのです。

一方で、車はスマホやパソコンと比べると、そこまで進化のスピードが速い製品ではありません。

この状況の中で、なにが起こるかというと、車の装備の中でカーナビ・カーオーディオの部分だけがどんどん、古臭くなっていく現象が発生します。

例えば、

  • 車の平均買い替えサイクル:8~9年
  • スマホの買い替えサイクル:2~5年

と言われています。 同じスマホを8~9年も使い続ける人はなかなかいないと思います。

つまり、地図検索やTV・音楽・動画再生など、スマホと似たような使い方をするカーナビ・カーオーディオにとって、車と同じ年数サイクルで買い替えようとしても、必ずズレが出てしまうのです。

次章より、具体例について書いてみます。

 

画面サイズ/解像度の進化

カーナビ・カーオーディオの画面サイズ/解像度は進化しています。

2DINサイズと呼ばれる標準的なカーナビ・カーオーディオの場合、搭載できる最大画面サイズは6.8インチです。

これに対し、6.8″(2DIN) → 7″(ワイド2DIN) → 9″(トヨタ販売店オプション汎用サイズ) → 10~11″(アルパインBIG Xなど)と、年々どんどん画面サイズは大型化方向に進化してます。

また、画面の解像度についても2000年代前半からEGA(640×350) → WVGA(800×480) → HD(1280×720) → FullHD(1920×1080)と、こちらも年々どんどん高精細化方向に進化しています。

 

新機能の進化

カーナビの地図格納メディアが、CDナビ → DVDナビ → HDDナビ → SD/メモリーナビと進化していったのはよく知られていますが、それ以外にも、

  • DVD/ブルーレイ対応
  • 地デジ対応
  • ワイドFM対応
  • 音声認識対応
  • スマホ連携対応(Apple Carplay / Android auto)

といった進化ポイントがあります。

 

音質向上の進化

音楽データの記録メディア対応として、カセットテープ → MD → CD/DVD → SD/内蔵メモリ との進化があります。

これに加え、アナログAUX対応 → USB対応 → Bluetooth対応といった接続方法のデジタル化の対応や、mp3/WMA → AAC → FLAC といったハイレゾメディア対応も、高音質化に向けた進化といえます。

また、KENWOOD の彩速ナビに搭載されている “K2 Technology” や、パイオニアのサイバーナビに搭載されている”マスターサウンドリバイブ”などオーディオ信号処理技術の進化によるアップスケーリング技術の実用化も高音質化に大きく貢献しています。 ちなみに、これらのアップスケーリング技術により、圧縮音源やCD相当の音源をハイレゾ音源相当の解像度の音質で聴くことができます。

 

カーオーディオ交換/取り付けが簡単にできる車か見分ける方法概要

まず、カーナビ・カーオーディオの交換や取り付けが簡単にできるか見分けるにあたって、カーナビ・カーオーディオの装着状態ごとに以下の3つのパターンに分けて、解説していきます。

  • オーディオレス仕様の場合
  • 1DIN/2DINスペースが確保されている場合
  • 1DIN/2DINスペースが確保されていない場合

簡単に言うと、上の1つ目と2つ目はパッと見ただけで、「カーナビ・カーオーディオの交換/取り付けが簡単にできる車」となります。

ただし、3つ目の「1DIN/2DINスペースが確保されていない場合」でも、「カーナビ・カーオーディオの交換/取り付けが簡単にできる車」の場合もあります。

 

オーディオレス仕様の場合

オーディオレス仕様とは、下図の例(トヨタハリアーの場合)のように、ちょうどカーオーディオが入る大きさの穴(赤線枠部分)が開いている、まさにカーナビ・カーオーディオの後からの取り付けを前提とした販売仕様のことです。

オーディオレス仕様のダッシュボード

カーナビ・カーオーディオを取り付けるための穴をふさぐ形で下図の例(トヨタプリウスの場合)のように、黒いプラスチックのカバーが設定されている場合もあります。

オーディオレスカバー仕様のダッシュボード

これらオーディオレス仕様の車では、そもそもカーナビ・カーオーディオを後から取り付けることを前提に販売されている車なので、言うまでも無く「カーナビ・カーオーディオの取り付けが簡単にできる車」となります。

 

1DIN/2DINスペースが確保されている場合

そもそもDINとは、車のダッシュボードに設置するカーナビ・カーオーディオや収納BOX用にドイツ工業規格として制定され、その後に国際規格としても採用されたスペースの大きさを定めた規格です。

ちなみに「ワンディン」や「ツーディン」と呼びます。

奥行き方向の規定はありませんが、幅と高さについては、

  • 1DIN:幅180mm x 高さ50mm
  • 2DIN:幅180mm x 高さ100mm

と規定されています。 2DINは1DINを高さ方向に2つ並べた大きさです。

つまり、国際的に規格化された1DINや2DINスペースが確保されている車の場合、基本的にはオーディオレス仕様と同様「カーナビ・カーオーディオの交換/取り付けが簡単にできる車」である可能性が高いと言えます。

下図は、1DINスペースに設置されているカーオーディオの例です。

1DINオーディオ仕様のダッシュボード

また下図は、2DINスペースに設置されているカーオーディオの例です。

2DINオーディオ仕様のダッシュボード

国際規格とかでは全くありませんが、トヨタやダイハツ等の車メーカーを中心に採用され、事実上は規格に近い形で市場で流通し、ほぼ標準化されている「ワイド2DIN」と呼ばれるサイズがあります。

  • 2DIN:幅180mm x 高さ100mm
  • ワイドDIN:幅200mm x 高さ100mm

国際規格の2DINの幅をさらに20mm広げたサイズとなります。

下図は、ワイド2DINスペースに設置されているカーオーディオの例です。

ワイド2DINオーディオ仕様のダッシュボード

 

1DIN/2DINスペースが確保されていない場合

カーナビ・カーオーディオの交換や取り付けが簡単にできるか見分けるのが最も難しいのがこのパターンです。

パッと見た感じは、1DINや2DINでは無い専用の形状のカーナビ・カーオーディオユニットが取り付いているため、基本的には汎用的なカーナビ・カーオーディオユニットへの交換は不可能な場合が多いです。

ただし、以下の3つの条件を全て満たす場合は、カーナビ・カーオーディオユニットの交換が意外と簡単にできる可能性が高いです。

  • エアコン操作機能一体化されて無い
  • スピーカーの個数が8個以下サブウーハー/センタースピーカーが無い
  • 専用外部オーディオアンプが無い(高級カーオーディオシステムでは無い)

次章より、1つづつ詳しく説明させていただきます。

 

エアコン機能が一体化されて無い

下図はトヨタプリウスのカーナビユニット(11.6インチディスプレイ)の例ですが、もしもこのカーナビユニットを他のカーナビ・カーオーディオユニットに交換しようとして取り外すと、赤枠の内側の一体化された部品を取り外すことになります。

トヨタプリウスの純正カーナビユニット(11.6インチ)この場合、よく見ると赤枠の内側には、カーナビ・カーオーディオ機能だけでは無く、エアコン機能や調整スイッチが含まれているのが分かります。

つまり、カーナビ・カーオーディオとエアコン機能が一体化されているため、カーナビ・カーオーディオ機能だけを交換することができないのです。 仮に問答無用で無理やり交換してしまった場合、エアコン機能が使用できなくなってしまい、車としての基本機能が成立しなくなってしまいます。

これに対し、同じトヨタプリウスのカーナビユニット(9インチディスプレイ)でも下図のような場合は、赤枠の内側の部品を取り外した場合でも、赤枠の外側(この場合は下側)にエアコン機能の調整スイッチ等が配置されています。

トヨタプリウスの純正カーナビユニット(9インチ)

よってこのようにエアコン機能を含まない部品の場合、カーナビ・カーオーディオ機能だけを交換することが可能です。

ちなみに、この場合の赤枠の大きさは、2DINでもワイド2DINでも無いサイズで、最近の一部のトヨタ車で採用されている新たなサイズとなります。

  • ワイドDIN:幅200mm x 高さ100mm
  • 一部のトヨタ車採用の新たなサイズ:幅230mm x 高さ130mm

実はトヨタの販売店によっては、「幅230mm x 高さ130mm」と「幅200mm x 高さ100mm」のサイズ変換を行うスペーサーを販売している店舗もあります。

つまり、一部のトヨタ車採用の新たなサイズ(幅230mm x 高さ130mm)の場合は、1DINでも2DINでも無い専用の形状ではあるものの、「カーナビ・カーオーディオの交換/取り付けが簡単にできる車」である可能性が高いと言えます。

 

スピーカーの個数が8個以下でサブウーハー/センタースピーカーが無い

次にスピーカーの数による判別条件です。

一般的にカーナビ・カーオーディオユニットのスピーカー出力は、右前・左前・右後・左後の4チャンネルです。

下図は一般的な音設定画面の例ですが、画面右側のフェーダーと呼ばれる調整マップを見ると、右前・左前・右後・左後の4つの要素で調整するイメージが、何となくご理解いただけると思います。

トヨタ車の音設定1画面

ここまでの情報ですと、出力できるスピーカーの個数は4個までと思われる方もいるかもしれません。

しかし、一般的なカーオーディオのスピーカーシステムの場合、簡単なネットワーク回路を持たせることで、1チャンネルの出力に対し、

  • ツィーター + ウーハー
  • スコーカー + ウーハー

のような2WAYスピーカーシステムを組むことができます。

つまり、1チャンネルあたり2つまでスピーカーを接続できることになるので、4チャンネルだと最大8個のスピーカーに出力可能となります。

ここから先の9個以上のスピーカーや、サブウーハー、センタースピーカーとなると、特別な信号出力が必要となり、一般的なカーナビ・カーオーディオユニットからは出力することができません。

よって、9個目以上のスピーカーや、サブウーハー、センタースピーカーから音が出なくなる前提であれば、カーナビ・カーオーディオの交換はできなくも無いですが、確実に交換できる条件としては、「スピーカーの個数が8個以下でサブウーハー/センタースピーカーが無い」となります。

 

専用外部オーディオアンプが無い(高級カーオーディオシステムでは無い)

最後にオーディオアンプの有無による判別条件です。

車で音楽を聴く際の音楽データの再生は、一般的にメインユニットと呼ばれる、いわゆるカーナビ・カーオーディオのメインユニットで行われます。

しかし、再生された音楽信号をスピーカーに向けて増幅する「パワーアンプ」と呼ばれる回路は、下図上段ようにメインユニットに内蔵されている場合と、下図下段のようにメインユニットに内蔵されておらず、外部に別体の専用パワーアンプを持つ場合があります。

カーオーディオのパワーアンプ接続図(内蔵/外部接続)

一般的に、専用外部アンプを設定することで、スペース的にもアンプ回路の設計自由度が広がり、より高音質を目指すことができる反面、内蔵できるはずの回路に対して専用部品を増やすことになるのでコスト的には増加要因となります。

よって、専用外部アンプは高級カーオーディオシステムなどで採用されます。

ちなみに高級カーオーディオとは、例えば以下のようなオーディオブランドとコラボしたオーディオシステムのことです。 マツダ・日産ならBOSEと、トヨタならJBLと、レクサスならマークレビンソンと、いった感じでカーメーカーのブランドごとに特定のオーディオブランドとコラボするケースが多いです。

少し前置きが長くなりましたが、専用外部アンプを持つことで、スピーカー出力元がカーナビ・カーオーディオユニットではなくなり、専用外部アンプとなります。 これに伴い、スピーカー~アンプ間の

  • チャンネル数、チャンネルレイアウト
  • チャンネルごとの音質チューニングパラメーター(クロスオーバー周波数含)
  • インピーダンス整合

など、ほとんどのオーディオ要素が専用設計となります。

よって、専用外部アンプが設定されている場合、メインユニット~アンプ~スピーカーをごっそり全て交換しない限り、メインユニットのみの交換ができる状況では無いのが現実です。

 

カーオーディオ交換/取り付けが簡単にできる車か見分ける方法まとめ

最後に、カーオーディオ交換/取り付けが簡単にできる車か見分ける方法について、もう一度まとめさせていただくと、

  • オーディオレス仕様の場合 → 「交換/取り付けが簡単にできる車」
  • 1DIN/2DINスペースが確保されている場合 → 「交換/取り付けが簡単にできる車」
  • 1DIN/2DINスペースが確保されていない場合 → 基本的には「交換/取り付けが簡単にできない車」

となります。

ただし、1DIN/2DINスペースが確保されていない場合でも、以下の3つの条件を全て満たす場合は、カーナビ・カーオーディオユニットの交換が意外と簡単にできる可能性が高いと言えます。

  • エアコン操作機能が一体化されて無い
  • スピーカーの個数が8個以下でサブウーハー/センタースピーカーが無い
  • 専用外部オーディオアンプが無い(高級オーディオシステムでは無い)

 

ちなみに、カーナビ・カーオーディオ交換のモチベーションが音質改善のみであれば、部品交換ではなく部品追加だけで純正のオーディオシステムを活かしながら音質改善を行う方法もあります。 こちら”マツダコネクト,BOSE,JBL等の純正オーディオを活かしながら音質改善する方法“の記事に詳しくまとめましたので、もしよければご参考にどうぞ。

最新情報はツイッターからご確認いただけます
PR