車購入前にはオーディオ音質の比較試聴がおすすめ!注意点6箇条

車の購入前に運転時のフィーリング確認のために試乗される方は多いと思いますが、試乗時にオーディオの音質を試聴される方は少ないのではないでしょうか?

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車の中で音楽を聴かれる方にとってオーディオの音質は、移動中の楽しみに直結するため、運転時のフィーリングと同じレベルで大事な車選びの条件となります。つまり、試乗で運転時のフィーリングが合うかどうかは確かめるけど、音質は確かめずに買ってからのお楽しみでは、非常にもったい無いばかりか車という高額な買い物で後悔するリスクすらあるのです。

車と付き合う年月は一般的に長い場合が多いので、たかがオーディオかもしれませんが、音質確認の結果が思ったより悪ければ別の車を考え直す勇気も必要です。

そこでここでは、私KYOのこれまでの音にこだわった車選びの経験をもとに、実際に車のオーディオ音質を比較試聴する場合の注意点を解説していきます。私がこれまで20年以上カーオーディオの開発に関わらせていただいた経験も踏まえ、様々な観点から音質を確認できるよう配慮しましたので、少しでも参考になれば幸いです。

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自動車エンジニア KYO(きょー)

 自動車会社で内装開発を20年間担当

 年間20車種以上に乗り最新の自動車技術を分析

 開発現場で得た車のノウハウブログで発信中

音質がいい車とは何か?ついて詳しく知りたい方は以下記事も合わせてご参考にどうぞ。

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迷わず聴くのがおすすめ!すべては自分の耳での確認から

まず絶対におすすめしたいのが、購入候補の車のオーディオ音質を実際に自分の耳で確認することです。

音質に関係なく、その車を100%買うと決めている場合や100%買わないと決めている場合は別ですが、その車を買う可能性が1~99%の場合は、絶対に聴いてみることをおすすめします。

少しめんどうな気もしますが、車販売店の店員さんに、「この車の購入を検討しているので、オーディオの音質を聴かせてください」と言うだけです。この時「イヤ~ちょっと難しいです」「ダメです」とか言う店員さんはよっぽどいません。この場合、その車をお買い上げいただくかもしれない大切な見込み客になりますので…。むしろ「どうぞどうぞ」って感じだと思います。

音楽が好きな方やオーディオ音質にこだわりたい方は、絶対に試聴してから買うのがおすすめです。たとえ、ほぼ買うと99%決めてたとしてもです。

音質は、走りと同じで数値化できない人間の感性に関わる官能性能です。だからこそ、人によって好みが分かれます。 つまり、自分の耳で聴いてみるしかないんです。

例えば、高級ヘッドホン・イヤホンを買う時、試聴できるサンプルなどがお店に置いてあれば、試聴せずに買う人はほぼいないと思います。高級ヘッドホン・イヤホン・・・「高級」と書いたのは、

  • 音質にこだわる人が買うモノ
  • 安い買い物ではない、それなりに値段のするモノ

を強調したかったからです。実はこれは、音がいい車を見分けるプロセスにも、全く同じことが当てはまると言えます。

是非、自分の耳で、自分好みの音かどうか確かめてみてください。走りを確かめる”試乗“と音を確かめる”試聴“。 どちらも非常に大切です。 もしもめんどくさければ同時にやってしまえばいいのです。

音がいい車を見分けるための試乗・試聴のイメージ

 

車のオーディオ音質の比較試聴の注意点6箇条

ここからは、自分の好みの音質かを確かめるため音のオーディオ音質試聴時の具体的な6つの注意点について書かせていただきます。

  • 普段乗ってる車の音質との相対比較で試聴
  • 今まで自分がいいと感じた音質との相対比較で試聴
  • 再生ソースは自分が普段車で聴きなれた曲で試聴
  • 時間は1曲あたり長くても2分以内で試聴
  • 車を選べるならなるべく古い展示車・試乗車で試聴
  • 購入検討中の内装仕様に近い展示車/試乗車で試聴

次章からは、1項目ずつ解説していきたいと思います。

 

普段乗ってる車の音質と相対比較で試聴

音は、人間の感性に関わる性能であり、すべての人が納得できるだけの良し悪しを決める絶対的な数値基準はありません。また自分の好みという基準に絞ったとしても、なかなか絶対的な基準を設定するのが難しいです。

もし、あるとき「自分にとっては、この音質が好きなので、これが基準!」と設定できたとしても、それをずっと覚えておくのはとても難しいし、その日の気分や体調によって微妙に好みが変わってしまったりもします。

なので、比較的簡単な、

  • その場で両方聴き比べる相対比較
  • 比較対象基準は、これまで何度も聴き慣れてきた、自分のクルマの音質

とするのがおすすめです。

 

今まで自分がいいと感じた音質との相対比較で試聴

しかし、どうしても今の自分のクルマの音質と比較できない場合・・・今クルマが無い場合などは、仕方ないので、普段聴いてるポータブルオーディオの音質やホームオーディオの音質など、今までにいいと思った音質と比較してください。この場合も、

  • その場で両方聴き比べる相対比較
  • 比較対象基準は、これまで何度も聴き慣れてきた自分の聴いたことのある音質

とするのがおすすめです。

ホームオーディオを基準にする場合は、その場で聴き比べるのは難しいかもしれませんが、車の販売店に出かける直前に聞いておいたり、自分の家まで車を持ってきてもらって商談したりするなど、少し工夫することで音質を判断する精度を向上させることができます。

 

再生ソースは自分が普段車で聴き慣れた曲で試聴

また、音質試聴に使うソースは、現時点では、自分が普段車で聴いてる曲がおすすめです。

音質比較ソース選びのポイントとしては、

  • なるべく違いが分かりやすいよう音質の良いソースを選ぶ
    (mp3等の圧縮音源は、圧縮率の高いものほど音質差が分かりにくくなる傾向あり)
  • スマホ・ウォークマン等の外付け機器を使って比較したい場合は、
    比較対象の両方の車で同じ接続方式とする(接続方式の差による音質差を排除)

例えば普段からCD同等以上のハイレゾ音質対応のスマホやウォークマン等を今の車に接続して音楽を聴いてらっしゃる場合は、両方の車で同等の接続方法で接続できるなら全く問題ありません。例えば、普段はAUX接続なのに、試聴したい車にAUX端子が無いからBluetooth接続で比較とかはやめた方がいいと思います。接続方式の違いによって音質が変わってしまい、オーディオシステム本来の音質差にフォーカスして比較できなくなるからです。

また、Bluetooth接続は一般的に音質劣化が大きいので、デジタル接続する場合はCarPlayかAndroid Autoがおすすめです。

 

時間は1曲あたり長くても2分以内で試聴

また、試聴時間は1曲あたりで長くても2分以内とするのがおすすめです。

長く聴きすぎると、耳が慣れてしまい、差が分かりにくくなるからです。もちろん、ミュージシャン・スタジオエンジニア級の耳をお持ちの方は、私が言うまでもなく、ご自由にご自分のペースでお聴きいただいて問題ありません(笑)。

 

選べるならなるべく古い展示車・試乗車で試聴

さらに、新車で買う場合に複数の展示車・試乗車から選べる場合は、スピーカー・アンプのエージングが進んでいることを期待してなるべく古い車で試聴されるといいと思います。

 

購入検討中の内装仕様に近い展示車や試乗車で試聴

同じように、複数の展示車・試乗車から選べる場合、自分が購入検討中の車の装備とできる限り同じ内装・シート仕様(主に革系か布系)に近い車で試聴されるといいと思います。

中古車の場合は、そのものズバリの車で試聴できれば問題ないのですが、新車の場合はそのものズバリの車は普通、注文前には存在しないので、なるべく近いものを選ぶようにするしか無いのです。ちなみに内装材の違いは、わずかながら音質に影響することが分かっています。感性についての表現なので、やや抽象的な表現になってしまいますが、

  • 革系の内装:内装表面がかたいので反射が多くなって明るいキラキラした音
  • 布系の内装:内装表面がやわらかいので吸収が多くなってやわらかいマイルドな音

という傾向です。

 

音質に満足した車を購入判断する条件

音質確認にも満足して最後に車の購入を決断する時、何をもとに判断すればよいか、私なりに整理してみました。

  • ディーラー販売員の前向きな意見:買う瞬間の満足感のみ
  • 価格:買う瞬間とその後しばらくの満足感のみ
  • スピーカーの数:所有による満足感のみ
  • オーディオブランドイメージ:所有による満足感のみ
  • 音質購入後ずっと続く満足感

モノを買う時、「よし!これだ!」と自分が納得・満足しないとなかなか買うことができません。大きな額の買い物であればあるほど、大きな納得感・満足感が必要となります。

しかし、長く使うモノは買った瞬間の満足感だけでなく、継続する満足感が後々効いてくると思います。よって、特に上の5つのうち、

  • 音質 >> オーディオブランドイメージ > スピーカーの数 > 価格 > ディーラー販売員の意見

という優先順位で、判断されてはいかがでしょうか?

ディーラー販売員の意見は、購入検討中は自分の頭の中を整理したりするのに大変参考になりますが、購入後しばらく経つと忘れてしまうものです。

また、価格についても車の購入検討中は、支払いのやりくりなどをいろいろ考えてしまい、比較的小さい額の価格差が非常に気になってしまいます。もちろん無理のない範囲の買い物であることが前提ですが、小さい価格差を気にしたところで購入後時間が経つと結局忘れてしまうものです。やはり、普段聴き続ける音質で選ぶのが、最終的な満足感に直結するのです。

 

音質に満足できても価格に満足できない時の対処法

もし音質には満足できたのに価格に満足できない場合があれば、オーディオ装備のランクを下げて費用節約のではなく、下取り費用をなるべく高くしてもらえるよう交渉したり、下取りではなく買取店を利用したりするのもおすすめです。

お得に車を購入する方法の中でも、最も分かりやすく価格差が出てしまうのが、

  • 下取り価格を高くする交渉
  • 下取りではなく車買取り店の利用

の2つです。

実際、私もこれまで3回、車を買い替えた経験がありますが、

  • ディーラーへの「下取り車の価格、これ以上高くならですかね?」という交渉
  • 車買取り店への見積依頼(最終的にディーラー下取りにした場合だとしても)

だけは毎回行ってます。 そして偶然なのか3回とも最初のディーラー下取り提示価格よりも車買取り店の価格の方が10~20万円程度高いという経験をしています。 逆に言えば、少し面倒とは言え、買取り店で見積を取っておかないと10~20万円損してしまう場合もあるってことなんです。ちなみに過去私が乗換等で売却した車のディーラー下取りと買取り店の差額は以下の通りです。

  • 旧型トヨタソアラ(走行13万km)→買取り店の方が10万円高い。が、めんどくさかったのでディーラーで下取り(後に後悔(笑))。
  • 旧型トヨタヴィッツ(走行7万km)→買取り店の方が15万円高い。が、ディーラーと再交渉したら20万円追加値引きしてくれたので下取り。
  • レクサスCT200h(走行5万km)→買取り店の方が17万円高い。ディーラーと再交渉するも結果変わらずで、そのまま買取り店で売却。

過去私が手放した旧型トヨタソアラの場合は年式古く不人気の2ドアクーペだったので10万円の価格差でしたが、もしもSUV・ミニバンなどの人気車リセールバリューの高いトヨタ・レクサス車であれば、場合によっては想像以上の買取り高値がつくこともあります。

仮に最終的に買取り店で売却しないとしても買取り店での自車の買取り価格を知っておくということは、

  • ディーラーや中古車販売店で下取り価格UPの交渉材料として使える
  • ディーラーや中古車販売店で値引き+下取り合わせた価格UPの交渉ができる

と、ディーラー・販売店での価格交渉時の強い武器となります。 販売員との価格交渉の結果、

  • ディーラー・販売店で納得いく下取り(+値引き)価格が得られた場合 → 買取り店での売却はキャンセルしてディーラー・販売店で下取り
  • ディーラー・販売店で納得いく下取り(+値引き)価格が得られない場合 → 新しい車は販売店から買う場合でも前の車は調べておいた買取り店へ売却

と、すればよいのです。 できる限り納得いく買い物をしたい私は、毎回この方法を利用し、ディーラーでの下取り(+値引き)価格アップも経験しています。ちなみに特に、ディーラーでの下取りよりも買取り店を利用するのがおすすめの場合としては、

  • 軽自動車・SUV・ミニバン等の人気のカテゴリーの車を売却する場合(市場での流通性が良く高値が付く確率が高い)
  • ホイール・ナビ交換等の社外品カスタマイズありの場合(下取りの場合は純正品以外はマイナス評価)
  • 手続きが多少手間でも買取り価格は高い方が納得できる場合(販売店だけでなく買取り店でも手続きが必要)

です。 上記3つの項目に1つでもあてはまる場合は、自分の車の買取り価格の確認だけはしておかないと、数万円単位の損につながる可能性があります。

ここで、ためしに今時点の自分の車の価格を調べるには、状況に応じて以下2つの方法を使い分けるのがおすすめです。

  • 時間・手間をかけずまずは大手1社の情報で確認 → 自分の車の現状最新価格を確認(情報提供:ガリバー)
  • 多少時間をかけてでも数社の中から一番高く買取る店を探す → 自分の車の現状最新価格を確認(情報提供:カーセンサー)

どちらの方法も無料です。 自車の買取り価格を知っておくということは、次の車を選ぶ時にどれだけ購入資金の足しにできるかの目安にもなります。 仮に今すぐ車を買い替える予定が無くても、現時点の買取価格+今後の価格変動相場を知っておくことは、買い替えタイミングを考える上でも、十分に意味があることと言えます。

 

車のオーディオ音質の比較試聴の注意点まとめ

最後に、自分の好みの音質かを確かめるため音のオーディオ音質試聴時の注意点について、もう一度まとめておきます。以下6点です。

  • 普段乗ってる車の音質との相対比較で試聴
  • 今まで自分がいいと感じた音質との相対比較で試聴
  • 再生ソースは自分が普段車で聴きなれた曲で試聴
  • 時間は1曲あたり長くても2分以内で試聴
  • 車を選べるならなるべく古い展示車・試乗車で試聴
  • 購入検討中の内装仕様に近い展示車/試乗車で試聴

 

オーディオの音がいい車をできる限り安く買う方法についてはこちら”オーディオ音がいい車を安くかしこく買う方法“の別記事で整理しましたので、もしよろしければご参考にどうぞ。

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また、純正の高音質オーディオ装着車として自動車メーカーとコラボしている主なブランドについては、以下の各記事にまとめましたので、もしよろしければこちらもご参考にどうぞ。

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