音楽聴き放題とダウンロードを正しく使い分ける3つのおすすめ方法

今、音楽聴き放題サービスの利用者はどんどん増えており、人気のAmazon Musicの場合、2021年時点で5500万人を突破しています。

利用者が急増傾向の音楽聴き放題サービスですが、既に利用されている方も、これから利用しようか考え中の方も、冷静に何を基準に音楽聴き放題サービスを選べばよいか考えたことはあるでしょうか?

自分のお気に入り曲が配信されているから、曲数が多いから、キャンペーン中でお得に始めれるから・・・いろいろ理由はあるかと思います。

音楽聴き放題とダウンロードを使い分ける方法のイメージ

ただし、そこに行く前に、今まで使ってきた音楽CDや音楽ダウンロードサービスと比較して、

  • 音質は良いか?音源データは取り扱いやすいか?、どんな種類の音楽聴き放題サービスがあるか?
  • 今まで聴いてきた音源(CD、CDリッピングデータ、ダウンロード済音源)とどう使い分けていくか?

を冷静に考えるのが先では無いかと思います。

なぜなら、過去に自分が購入した音源、特に少し古めの想い出の音源などは、ロングセラー曲を除いて、聴き放題サービスでは配信されていない可能性も十分にあり、今まで聴いてきた音源も何らかの形で残して共存させていくしかないからです。

一般的な統計情報として、誰しも多感な10代前半に聴いた曲に大きな影響を受け、その後の音楽の好みが決まるそうです。

つまり、10代の頃に聴いた曲を懐かしく思い、ふと聴きたくなるのは自然な流れなのですが、お気に入りの昔の曲が聴き放題サービスで配信されている保証はありません。

そこでここでは、単に音楽聴き放題サービスだけの利用を考えるのではなく、これまで利用してきた音楽CDや音楽ダウンロード配信サービス経由で保有している音源も含め、いくつかの音楽サービスをかしこく使い分けていく方法について、音楽聴き放題サービスとその他音源を5年以上併用し続けてきた私の経験を元に、書かせていただきます。

音楽聴き放題サービスとその他音源の使い分け方法ではなく、使い分けるのがおすすめな理由そのものについては、こちら”音楽ストリーミングvsダウンロード比較!併用がおすすめな4つの理由“の記事にまとめましたので、もしよければ合わせてご参考にどうぞ。

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音楽聴き放題+ダウンロード併用のおすすめ組み合わせ方法

やはり、音楽聴き放題サービスだけで全てのリスニングシーンを無理にカバーしようとするのは得策ではありません

これまで収集してきた音源も含め、「音楽聴き放題」+「音楽ダウンロード」+「音楽CD」の3つの音楽メディアを併用することこそが、今の時代において音楽を最大限楽しむためのコツだと私は考えています。

IT技術の進歩により生まれた聴き放題サービスのメリットは受けつつ、音楽聴き放題サービスでカバーしきれないデメリットに対しては従来のダウンロード音源やCD音源でしっかりリカバーしていくイメージです。

 

音楽聴き放題+ダウンロード+CDの種類概要

音楽聴き放題アプリをスマホで聴くイメージ

まず、「音楽聴き放題」+「音楽ダウンロード」+「音楽CD」の3つの音楽メディアをもう一段階分類し、以下6つに分けて考えていきます。

次章からは、これら6つの音楽メディアをかしこく組み合わせる方法について考えていきます。

 

音楽聴き放題+ダウンロード+CDの組み合わせ方法概要

上記分類された音楽メディアを元に考えた、より具体的な聴き放題+ダウンロードの組み合わせは、タイプ別に以下3つのパターンに整理できます。

「コストパフォーマンス優先」か「音質優先」かによって、おすすめのパターンが変わります。

  • プランA:極限まで費用を抑えたい
    →「(1-2)音楽聴き放題(圧縮系)」+「(2-2)音楽ダウンロード(圧縮系)」+「(3-2)CDリッピングデータ(圧縮系)」
  • プランB:費用は抑えつつ音質も重視したい
    →「(1-2)音楽聴き放題(圧縮系)」+「(2-1)音楽ダウンロード(ハイレゾ)」+「(3-1)CDリッピングデータ(非圧縮系)」
  • プランC:音質最優先したい
    →「(1-1)音楽聴き放題(ハイレゾor非圧縮系)」+「(2-1)音楽ダウンロード(ハイレゾ)」+「(3-1)CDリッピングデータ(非圧縮系)」

詳細は次章より説明させていただきます。

 

プランA:費用抑え重視のおすすめ音楽サービス組み合わせ

費用はなるべく抑えたいけど音楽は最大限楽しみたい」という方には、音楽を楽しむ上で一番重要な楽曲のカバー範囲(多さ)を狭めること無く圧縮音源を活用することで費用を抑える方法がおすすめです。

具体的には、「(1-2)音楽聴き放題(圧縮系)」+「(2-2)音楽ダウンロード(圧縮系)」+「(3-2)CDリッピングデータ(圧縮系)」の3つを組み合わせます。

コスト抑制効果は以下のイメージです。

  • 「(1-2)音楽聴き放題(圧縮系)」:非圧縮系と比較して月額料金が¥1,000程度安い
  • 「(2-2)音楽ダウンロード(圧縮系)」:非圧縮系と比較して1曲¥3,000程度安い、アルバム1枚¥1,000程度安い
  • 「(3-2)CDリッピングデータ(圧縮系)」:CD購入コストは変わらないが、ファイル容量が小さい分メモリのコストを抑えれる

 

プランB:費用抑えつつ音質も重視のおすすめ音楽サービス組み合わせ

費用は抑えつつ音質も重視したい」という方には、同じく音楽を楽しむ上で一番重要な楽曲のカバー範囲(多さ)を狭めること無く音楽聴き放題サービスでのみ圧縮音源を活用することで費用を抑える方法がおすすめです。

この場合、音楽聴き放題サービスは、音楽との出会いのためとチョイ聴きメディアとして割り切ります。

チョイ聴きをした曲の中のうち、いくつかの曲が本当に好きな末永く聴くような曲になれば、ハイレゾダウンロードやCD購入により、高音質な音源を手元に置けるようにしておくのです。

具体的には、「(1-2)音楽聴き放題(圧縮系)」+「(2-1)音楽ダウンロード(ハイレゾ)」+「(3-1)CDリッピングデータ(非圧縮系)」の3つを組み合わせます。

コスト抑制効果は以下のイメージです。

  • 「(1-2)音楽聴き放題(圧縮系)」:非圧縮系と比較して月額料金が¥1,000程度安い

 

プランC:ハイレゾなど音質最優先のおすすめ音楽サービス組み合わせ

最後に音質最優先したい方には音楽聴き放題もダウンロードもどちらもハイレゾ対応サービスを活用する方法がおすすめです。

万が一、聴き放題サービスにもハイレゾダウンロードサービスにも存在しない楽曲があれば、CDが発売されていないか探すことになります。

CDであっても圧縮音源と比べれば、十分に高音質です。

具体的には、「(1-1)音楽聴き放題(ハイレゾor非圧縮系)」+「(2-1)音楽ダウンロード(ハイレゾ)」+「(3-1)CDリッピングデータ(非圧縮系)」の3つを組み合わせます。

 

音楽聴き放題サービスの種類と具体例

ここからは、現在日本で使用可能な音楽ストリーミングサービスの種類と具体例について紹介させていただきます。

サービス選びの参考にしていただけると幸いです。

 

音楽聴き放題サービスの種類

音楽聴き放題サービスはハイレゾ対応と圧縮系の2種類

音楽聴き放題サービスの種類としては、大まかに分けると以下2種類となります。

ハイレゾor非圧縮系音源を提供しているサービスはまだサービスの数も少なく、ハイレゾ対応のサービスの場合、日本ではAmazon Music HDApple Musicmora qualitasの3つしかありません。

また、この2つを比べても圧倒的に楽曲数が多いAmazon Music HDの方が優位と考えられ、実質「日本におけるハイレゾ聴き放題サービス=Amazon Music HD」だと言えます。

逆に圧縮系音源を提供しているサービスは非常にサービス数も多く、各社競争が激しい状況です。 現時点で音楽聴き放題サービスのメイン市場は圧縮系音源のサービスと言えます。

各サービスの具体的な比較一覧は後ほど紹介させていただきます。

 

音楽聴き放題サービスAmazon Musicの場合の種類分け例

例えば音楽聴き放題サービス最大手のAmazon Musicの場合、以下3つの種類のプランがあります。

  • Amazon Music HDCDまたはハイレゾ音質で7,500万曲聴き放題
  • Amazon Music Unlimited圧縮音質7,500万曲聴き放題
  • Amazon Prime Music:圧縮音質200万曲聴き放題+プライムビデオ見放題+配送料無料等

この場合、コストを抑えつつ聴き放題サービスならではの曲数の多さメリットを生かすには、Amazon Music Unlimitedを選択することとなります。

Amazon Music Unlimitedであれば、最上位サービスであるAmazon Music HDと同じだけの曲数7,500万曲もの楽曲が聴き放題です。 にもかかわらず、個人会員の利用料金は現在では同額になります。

ちなみに、Amazon Prime Musicだと料金はさらに半額ほど安くなりますが、曲数が一気に30分の1程度の200万曲となりますので、ちょっと聴いてみたい最新曲や昔聴いてた懐かしの曲など幅広く音楽を楽しみたい方にはAmazon Music Unlimited以上のサービスがおすすめです。

ご参考までにAmazon Musicの3段階のサービスの利用料金を簡単にまとめておきます。

Amazon Musicの各サービス・各会員資格毎の料金体系は以下の通りです。

Amazon
Prime
Music
Amazon
Music
Unlimited
Amazon
Music
HD
聴き放題曲数
音質
200万曲
圧縮音質
7,500万曲
圧縮音質
7,500万曲
非圧縮(CD)音質 or
ハイレゾ音質
個人会員 月払い
(1ヶ月)
¥500 ¥980 ¥1,980
→¥980
年払い
(1ヶ月)
¥408
年払い
(12ヶ月)
¥4,900

※Amazon Music HD はサービス2019年のサービス開始当初は月額¥1,980でしたが、2021年6月以降Apple Musicのロスレス対応により月額¥980に価格見直しされました。

 

音楽聴き放題サービスの具体例

次に音楽聴き放題サービスについて「ハイレゾ対応の非圧縮系」と「圧縮系」それぞれに分けて、具体的なサービス例と比較するポイントとセットで紹介させていただきます。

 

音楽聴き放題(ハイレゾor非圧縮系)サービス比較一覧とおすすめ(音質優先)

下図はハイレゾ音源に対応した音楽聴き放題サービス Amazon Music (HD)の例です。 Ultra HD音質として24bit/96kHzの非圧縮音源を聴くことができます。

ハイレゾ音源に対応音楽聴き放題サービス Amazon Musicの例

代表的なハイレゾ音源対応の聴き放題サービスを比較できるよう一覧にすると以下のようになります。

高音質かつ楽曲数の多いサービスから順に並べてみました。

ハイレゾ音源
ストリーミング
サービス名
月額料金 楽曲数 オフライン
再生方法
音質
(ビット
レート)
対応機器
(オフライン再生可否)
おためし
無料期間
サービス
開始時期
★おすすめ★
Amazon
Music
HD
¥980
(個人)
¥780
(プライム
会員)
¥1,480
(ファミリー)

7,500
万曲
ダウンロード
(曲数無限)
~3,730
kbps
(最大
192kHz/
24bit
ロスレス)
iPhone・iPad・Androidスマホ/タブレット/パソコンのアプリ(オフライン再生可)、パソコンのブラウザ(オフライン再生不可) 30日 2019年
9月
Apple
Music
¥480
(学生)
¥980
(個人)
¥1,480
(ファミリー)

7,500
万曲
ダウンロード
(曲数無限)
未公表
(最大
192kHz/
24bit
ロスレス)
iPhone、iPad、Androidスマホ/タブレット、パソコン、Apple TV(全てオフライン再生可) 1ヶ月 2015年
7月
mora
qualitas
¥2,178
約500万曲
ダウンロード
(曲数無限)
未公表
(最大
96kHz/
24bit
ロスレス)
iPhone・iPad・Androidスマホ/タブレットのアプリ(オフライン再生可)、パソコンのアプリ(オフライン再生不可) 30日 2019年
11月
Deezer
HiFi
¥1,960
3,600万曲
ダウンロード ~1,411
kbps
or
~320
kbps
パソコン、ONKYO・Bang&Olufsen等の一部機器(1,411kbps CD音質で再生可
iPhone、iPad、Androidスマホ/タブレット(320kbps音質で再生可
30日 2017年
12月

イレゾ音源対応のストリーミングサービスは、そもそもサービス数自体が少ないですが、現時点では誰がどう見ても楽曲数が圧倒的に多いAmazon Music HDがおすすめ です。

Amazonに対抗する形でSONY系のmora qualitasが2019年に開始されましたが、現状は同等レベルにも並べていないのが実情です。

「Amazon Music HD が最強な理由」については、こちら”Amazon Music HDが高音質無制限ダウンロード可能で最強な3つの理由“の別記事にて、音楽ストリーミングアプリの選び方の詳細も含め書かせていただきました。 もしよければ合わせてご参考にどうぞ。

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音楽聴き放題(圧縮系)サービス比較一覧とおすすめ(コストパフォーマンス優先)

下図は音楽聴き放題サービス Amazon Music (Unlimited, Primeなど)で圧縮音源を聴く場合の例です。 標準音質として「音質:高」解像度は非公表ですが恐らく16bit/44.1kHzでビットレートが最大256kbpsの圧縮音源を聴くことができます。 16bit/44.1kHzで非圧縮の場合のビットレートは1,411kbpsなので、音質を抑えた分コストパフォーマンスは良いサービスとなっています。

音楽聴き放題サービス Amazon Musicで圧縮音源を聴く場合の例

代表的な圧縮系音源のストリーミングサービスを比較できるよう一覧にすると以下のようになります。

使い勝手のよいオフライン再生用のダウンロードが可能なサービスを優先させ、楽曲数の多い順に並べてみました。

圧縮系音源
ストリーミング
サービス名
月額料金 楽曲数 オフライン
再生方法
音質
(ビット
レート)
対応機器
(オフライン再生可否)
おためし
無料期間
サービス
開始時期
★おすすめ★
Amazon
Music
Unlimited
¥980
(個人)
¥780
(プライム
会員)
¥1,480
(ファミリー)

7,500
万曲
ダウンロード
(曲数無限)
~256
kbps
iPhone・iPad・Androidスマホ/タブレット/パソコンのアプリ(オフライン再生可)、パソコンのブラウザ(オフライン再生不可) 30日 2017年
11月
Apple
Music
¥480
(学生)
¥980
(個人)
¥1,480
(ファミリー)

7,500
万曲
ダウンロード
(曲数無限)
~256
kbps
(2021.6~
ロスレス
にも対応)
iPhone、iPad、Androidスマホ/タブレット、パソコン、Apple TV(全てオフライン再生可) 3ヶ月 2015年
7月
Spotify
Premium
¥980
5,000
万曲
ダウンロード
(~3333曲)
~320
kbps
iPhone・iPad・Androidスマホ/タブレット(オフライン再生可)、パソコン(オフライン再生不可) 7日 2016年
11月
YouTube
Music
Premium
¥980
7,000
万曲
ダウンロード
(曲数無限)
~265
kbps
iPhone・iPad・Androidスマホ/タブレット(オフライン再生可)、パソコン(オフライン再生可) 1ヶ月 2018年
11月
AWA ¥980
7,000
万曲
キャッシュ
機能
(曲数無限
/~7日)
~320
kbps
iPhone・iPad・Androidスマホ(オフライン再生可)、パソコン(オフライン再生不可) 1ヶ月 2015年
5月
LINE
Music
¥980
6,000
万曲
キャッシュ
機能
(~500曲
/~7日)
~320
kbps
iPhone・iPad・Androidスマホ/タブレット(オフライン再生可)、パソコン(オフライン再生不可) 3ヶ月 2015年
6月
RecMusic
旧レコチョク
BEST
¥980
1,000万曲
キャッシュ
機能
(~約4000曲
(16GB))
~320
kbps
iPhone・iPad・Androidスマホ/タブレット(オフライン再生可)、パソコン(オフライン再生不可) 3日 2013年
3月
dヒッツ
※1
¥500
500万曲
ダウンロード
(~10曲/月)

キャッシュ
機能(8GB)
~320
kbps
iPhone・iPad・Androidスマホ/タブレット(オフライン再生可)、パソコン(オフライン再生不可) 31日 2012年
7月

※1:dヒッツは基本的にはラジオ型の聴き放題アプリだが月10曲・最大120曲までダウンロード可能、キャッシュとしては最大8GBまでオフライン再生可能

上表の各音楽聴き放題サービスの特徴を簡単にまとめると、

  • Wi-Fi接続の安定ダウンロード環境下では音質は各社ほぼ差無し
  • 曲数無制限のパソコンへのダウンロード+オフライン再生はAmazon Music系、Apple Musicのみ可能
  • Line、AWA、RecMusicのオフライン再生はキャッシュ再生なので、扱いづらい上に勝手に消えたりする

となります。 とは言え、選択肢が多すぎて選びにくいと感じる方は、

との観点で選ぶのが現時点ではベストではないかと考えます。

 

音楽ダウンロード/購入系サービスの種類と具体例

ここからは、現在日本で使用可能な音楽ダウンロードサービスやCDなどの購入系メディアの種類と具体例について紹介させていただきます。 サービス/メディア選びの参考にしていただけると幸いです。

 

音楽ダウンロード/購入系サービスの種類

音楽ダウンロードサービスはハイレゾ対応と圧縮系の2種類

音楽聴き放題サービス同様に音楽ダウンロードサービスの種類としては、大まかに分けると以下2種類となります。

  • (2-1)音楽ダウンロード(ハイレゾ):e-onkyomoraなど
  • (2-2)音楽ダウンロード(圧縮系):iTunes musicmoraなど

音楽メディアとしてポストCDを考える上で、以前は圧縮系音源を提供するダウンロードサービスが主流になると考えられていましたが、前述の音楽聴き放題サービスが登場したことで、圧縮系のダウンロードサービスは急速に存在感を低下させつつあります。 とは言え、圧縮系ダウンロードサービスでしか提供されていない楽曲もあるので、今後もまだしばらくはサービスは続くと考えられます。

元々ダウンロードサービスのメリットは「リーズナブルに気軽に聴ける」ことでしたが、聴き放題サービスの登場によって、特にヘビーユーザーほど、「さらにリーズナブルに気軽に聴ける」ようになってしまったのです。

逆にハイレゾ音源を提供するダウンロードサービスは、聴き放題サービスがまだ少ないことと既存メディアであるCDには無かった高音質という強みがあるため、一定の存在感があり、配信サイトもそれなりの数が存在しています。

各サービスの具体的な比較一覧は後ほど紹介させていただきます。

 

音楽ダウンロードサービスの概算料金

概算料金イメージは以下の通りです。

  • ハイレゾ系:1曲500円前後、アルバム1枚4000円前後
  • 圧縮系:1曲200円前後、アルバム1枚2000円前後

これまで、CDアルバムが1枚3000円前後だっとことを考慮すると、CDより音質の良いハイレゾ音源はCD以上に、CDより音質の劣る圧縮系音源はCD以下に価格設定されています。

 

購入系(CDリッピング)は非圧縮と圧縮系の2種類

購入系と言っても実質CDからリッピングで取り込んだファイルのことになりますが、同様に種類としては、分けると以下2種類となります。

  • (3-1)音楽CD or CDリッピングデータ(非圧縮系):フォーマットFLAC, ALAC, WAVなど
  • (3-2)音楽CDリッピングデータ(圧縮系):フォーマットmp3, AAC, WMAなど

最近では音楽CDをそのまま再生する機会は減り、どちらかというとCDの中のデータをパソコン等経由でデータとして取り込んで音源データとして活用する機会が多いかと思います。

ここで、CDのデータ取り込みやCDの購入において大事なのは、以下2点です。

  • ファイル容量に困っておらず再生機器が対応してるなら非圧縮系データにしておくべき
  • 音楽CDは存在感が低下しているものの逆に中古CDをネット経由で購入すると激安の場合あり

実は、私自身、昔の曲を聴きたくなった場合、音楽聴き放題サービスで見つけれない場合は、ダウンロードで探すよりも前に中古CDを探します

だいたい楽曲が見つかる可能性も高く、かつ価格も安いです。

 

できれば非圧縮系フォーマット利用がおすすめな理由

圧縮系音源はファイル容量を小さくできるメリットと引き換えに音質を劣化させています。

代表的な圧縮音源フォーマットであるmp3, AAC, WMAで使われている圧縮方式は非可逆圧縮という方式で、音楽データファイルのサイズ容量を小さく(軽く)するために、意図的に人間の耳に聴き取りにくい音のデータを捨てることをしています。

聴き取りにくい音とは言え音楽データの一部を捨てるので、間違いなく音質は劣化します。 もちろん、聴き取りにくい音が対象なので、突然ヴォーカルや楽器の音が消えるわけではなく、ヴォーカルの微妙な息使いや消えかけの残響音など、曲を構成する主要素というよりは、主に臨場感・リアル感を感じる元になるニュアンス的な音から捨てられます。

非可逆圧縮は、音楽ファイルとしてのサイズ容量を何と10分の1以下にまで小さくすることができるのと引き換えに、「非可逆 圧縮」の言葉通り、圧縮前の元の状態に戻すことはできません。 10分の1以下のサイズ容量を実現するために、一部のデータを捨てているので、元に戻せないのも理解いただけると思います。 当然、音質劣化は避けられません。

ちなみに、音質を決定づける1つの指標として、1秒間に得られる情報量に注目しビットレートを使ってみます。 代表的な音源フォーマットを一覧に整理すると、

  • FMラジオ:約96kbps
  • MD(ATRAC):292kbps (MDLP 2倍モード:146kbps)
  • mp3/AAC/WMAなどの圧縮音源:64~320kbps
  • YouTube推奨音声ビットレート:384kbps
  • CDまたはCD取り込みをしたFLAC(可逆圧縮)/WAV(非圧縮)音源:1,411kbps
  • FLAC/DSDなどのハイレゾ音源:2,116~9,212kbps以上

となります。 ここでは、数字が大きい方が1秒あたりに耳に届く情報量が多いため、より音質がよいと考えます。

 

音楽ダウンロードサービスの具体例

次にダウンロード系のサービスについて「ハイレゾ系」と「圧縮系」それぞれに分けて、具体的なサービス例と比較するポイントとセットで紹介させていただきます。

 

音楽ダウンロード(ハイレゾ)サービス比較一覧とおすすめ(音質優先)

下図は音楽ダウンロードサービス moraでハイレゾ音源をダウンロードする場合の例です。 48kHz/24bitのハイレゾ音源をFLACフォーマットで、1曲あたり¥550で購入できます。

代表的なハイレゾ音源対応のダウンロードサービスを比較できるよう一覧にすると以下のようになります。

楽曲数の多さと対応フォーマットの多さにおいて優位なサービスから順に並べてみました。

ハイレゾ音源
配信サイト名
URL
楽曲数 主ジャンル 配信サイトの主な特徴 ファイル
format
支払決済方法 提供
会社
★おすすめ★
e-onkyo
music
www.e-onkyo
.com

50万曲
(2019年
時点)
洋楽~邦楽
全ジャンル
ポップス~クラシックまで幅広いジャンルの音源を配信する日本最大のハイレゾ専門サイト。わりと邦楽より洋楽が充実の印象。日本以外に米・英・独でも配信実施中。ハイレゾの無料サンプル音源も配信中。一部音源は新フォーマットMQAにも対応。 FLAC
DSD
WAV
MQA
クレジットカード、VISAプリペイド、電子マネー、携帯キャリア決済、楽天ペイ(楽天スーパーポイント含)、e-onkyoポイント オンキヨーエンターテイメントテクノロジー(株)
★おすすめ★
mora
mora.jp

50万曲
(2019年
時点)
洋楽~邦楽
全ジャンル
ポップス~クラシックまで幅広いジャンルを配信。わりと洋楽より邦楽が充実の印象。ハイレゾ以外の圧縮音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。日本以外に台湾でも配信実施中。 FLAC
DSD
クレジットカード、VISAデビット、VISAプリペイド、電子マネー、携帯キャリア決済、楽天ペイ(楽天スーパーポイント含)、Yahoo!ウォレット、Amazon Pay (株)レーベルゲート
レコチョク
recochoku
.jp/hires/
未公表 邦楽~アニメ
メイン
ハイレゾ以外の圧縮音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。2016年サービス開始の新しめのサイトだが邦楽・アニメに強い。 FLAC クレジットカード、電子マネー、携帯キャリア決済、楽天ペイ(楽天スーパーポイント含)、レコチョクプリペイドカード、うたコード (株)レコチョク
OTOTOY
ototoy.jp
/top

5万曲
(2016年
時点)
インディーズ系
メイン
邦楽を中心に特にインディーズ系のハイレゾ音源を多く配信。OTOTOY独占配信音源もある。 FLAC
ALAC
DSD
WAV
クレジットカード、銀行振込、電子マネー、OTOTOYポイント オトトイ(株)
music.jp
music-book
.jp/music
未公表 洋楽~邦楽
全ジャンル
ポップス~クラシックまで幅広いジャンルを配信。ハイレゾ以外の圧縮音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。昔は月額会費制だったが廃止となり使い勝手向上。 FLAC クレジットカード、電子マネー、携帯キャリア決済 (株)エムティーアイ
オリコン
ミュージック
ストア
music
.oricon
.co.jp
未公表 邦楽~アニメ
メイン
ハイレゾ以外の圧縮音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。ハイレゾに限っては、邦楽・アニメに加えてクラシック等も多少あるが洋楽はほぼ無。残念ながら楽曲数もまだ少ない。 FLAC クレジットカード、電子マネー、携帯キャリア決済 (株)oricon ME
mysound
mysound
未公表 邦楽メイン ハイレゾ以外の圧縮音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。元々WindowsやMAC PCは利用対象外。主にスマホを対象としたサービスかつ支払方法が携帯キャリア決済のみなので、スマホ経由でしか購入しないユーザー向け。 FLAC クレジットカード、携帯キャリア決済(spモード決済、auかんたん決済/auWALLET、ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い) (株)ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
【参考1】
HDtracks
www
.hdtracks
.com
未公表 洋楽メイン
全ジャンル
海外サイトで日本国内向けにはサービス提供無なので日本からの通常接続環境では購入不可。実は日本未販売のハイレゾタイトルが販売されていたり、販売価格が日本のサイトよりリーズナブルだったりする点が魅力。初回購入でもクレジットカードが利用できる等、AcousticSoundsよりは購入手続きのハードルは低い。 FLAC
ALAC
AIFF
WAV
クレジットカード、Paypal HDtracks
【参考2】
Acoustic
Sounds
acoustic
sounds
.com
未公表 洋楽メイン
全ジャンル
海外サイトで日本国内向けにはサービス提供無なので日本からの通常接続環境では購入不可。実は日本未販売のハイレゾタイトルが販売されていたり、販売価格が日本のサイトよりリーズナブルだったりする点が魅力。HDtracksよりもタイトル数は多めの印象。初回購入はクレジットカード利用不可、Paypalアカウントが必須。 FLAC
ALAC
DSD
クレジットカード、Paypal Acoustic Sounds, Inc.

他にも”GIGA MUSIC“などの配信サイトもありますが、スマホでの利用が前提(パソコン・ウォークマンでは原則利用不可)、月単位のプリペイド方式(曲が欲しい時だけお金を払うのではなく毎月課金)であることより、使い勝手を考えて上記表からは除外しました。

私自身も”e-onkyo music“と”mora“とをメインで使用していますが、やはり取り扱い曲数の多さを考慮し、”e-onkyo music“と”mora“が圧倒的におすすめです。

 

音楽ダウンロード(圧縮系)サービス比較一覧とおすすめ

下図は音楽ダウンロードサービス moraで圧縮音源をダウンロードする場合の例です。 320kbpsの圧縮音源をAACフォーマットで、1曲あたり¥261で購入できます。

代表的な圧縮系音源のダウンロードサービスを比較できるよう一覧にすると以下のようになります。

楽曲数の多いサービスから順に並べてみました。

圧縮系音源
配信サイト名
URL
楽曲数 主ジャンル 配信サイトの主な特徴 ファイル
format
支払決済方法 提供
会社
★おすすめ★
iTunes
Store
www.apple.com/
jp/itunes/music

5,000万曲
(2020年
時点)
洋楽~邦楽
全ジャンル
幅広いジャンルの音源を配信する世界最大級のコンテンツ配信サービス。他の配信サイトと違い、ブラウザ経由でWebサイトからダウンロードするのでは無く、iTunesアプリインストール後にアプリ経由でダウンロードを行うしくみとなっている。同じ運営会社のAppleMusicが聴き放題サービスでこちらのiTunes Storeが配信サービスである。 AAC
(256kbps)
クレジットカード、Apple Pay, App Store & iTunesギフトカード Apple.inc
★おすすめ★
mora
mora.jp

1,000万曲
(2018年
時点)
洋楽~邦楽
全ジャンル
国内最大級の音楽配信サービス。ポップス~クラシックまで幅広いジャンルを配信。わりと洋楽より邦楽が充実の印象。圧縮音源以外のハイレゾ音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。日本以外に台湾でも配信実施中。 AAC
(320kbps)
クレジットカード、VISAデビット、VISAプリペイド、電子マネー、携帯キャリア決済、楽天ペイ(楽天スーパーポイント含)、Yahoo!ウォレット、Amazon Pay (株)レーベルゲート
★おすすめ★
レコチョク
recochoku
.jp/hires/
未公表 邦楽~アニメ
メイン
国内最大級の音楽配信サービス。圧縮音源以外のハイレゾ音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。2016年サービス開始の新しめのサイトだが邦楽・アニメに強い。同じ運営会社のRecMusicが聴き放題サービスでこちらのレコチョクが配信サービスである。 AAC
(320kbps)
クレジットカード、電子マネー、携帯キャリア決済、楽天ペイ(楽天スーパーポイント含)、レコチョクプリペイドカード、うたコード (株)レコチョク
music.jp
music-book
.jp/music
未公表 洋楽~邦楽
全ジャンル
ポップス~クラシックまで幅広いジャンルを配信。圧縮音源以外のハイレゾ音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。昔は月額会費制だったが廃止となり使い勝手向上。 未公表 クレジットカード、電子マネー、携帯キャリア決済 (株)エムティーアイ
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ミュージック
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未公表 邦楽~アニメ
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オリコンが運営する音楽等のコンテンツ配信サービス。圧縮音源以外のハイレゾ音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。ハイレゾに限っては、邦楽・アニメに加えてクラシック等も多少あるが洋楽はほぼ無。残念ながら楽曲数もまだ少ない。 AAC
(320kbps)
クレジットカード、電子マネー、携帯キャリア決済 (株)oricon ME
mysound
mysound
未公表 邦楽メイン ヤマハが運営する音楽配信サイト。圧縮音源以外のハイレゾ音源も配信されているので誤ダウンロードに注意。元々WindowsやMAC PCは利用対象外。主にスマホを対象としたサービスかつ支払方法が携帯キャリア決済のみなので、スマホ経由でしか購入しないユーザー向け。 AAC
(320kbps)
クレジットカード、携帯キャリア決済(spモード決済、auかんたん決済/auWALLET、ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い) (株)ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

正直、圧縮系音源のダウンロードサービスはCDと比べて価格的にも音質的にもメリットが少ないので、おすすめできません。

しかし、前章でも説明させていただきましたが、圧縮系音源のダウンロードサービスでしか購入できない音源(X Japanの「Born to be free」等)もありますので、圧縮系ダウンロードサービスでしか購入できない音楽タイトルに限って利用いただくのがおすすめです。

 

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