車用シガーソケットUSB充電器の選び方!おすすめはPD対応

車の中でスマホなどの電子機器を充電したい場合、シガーソケット取付けタイプのUSB充電器がよく使われます。

シガーソケットUSB充電器を使えば、

  • スマホ(iPhone/Android)
  • ウォークマン
  • モバイルバッテリー
  • 携帯ゲーム機(Nintendo Switch)
  • 電子タバコ(IQOS, glo)
  • iPad
  • ワイヤレスヘッドホン

など身の回りの様々な電子機器・ガジェットが車の移動中に充電可能となり時間を有効活用できます。

ただし、車用のシガーソケットUSB充電器の場合、

  • 100円均一~約2,000円以上価格レンジが広すぎ(本当に100均品でよいのか?)
  • 例えばAmazonでは8,000以上もの充電器が販売されてて種類多すぎ
  • USB-PD(Power Delivery)とかQC(Quick Charge)とか様々な技術があって複雑すぎ

という状況なので、いったい何を基準に選べばいいのか迷ってしまうことも多いと思います。

正直に言うと、なんとなくでシガーソケットUSB充電器を選んでしまうと失敗する可能性が高く、

  • 充電がなんか遅い
  • なかなか充電が始まらない

なんてことも、わりとよくあります。

シガーソケットUSB充電器

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しかし、ほぼ確実に急速充電または超急速充電ができるかどうかは実は簡単に見分けることが可能です。

それはシンプルに、USBタイプCコネクタ採用のUSB-PD(Power Delivery)対応のUSBソケット充電器とケーブルを使うことです。

下図は私が普段、USB-PD対応のUSBソケット充電器超急速充電を行ってる時の様子です。

スマホのバッテリー残量は半分以下の45%ですが、あとわずか45分で満充電になる見込みです。

GalaxyS22(最大25W受入可能)を超急速充電中の画面表示

逆に、USBタイプAコネクタのケーブルと充電器などの場合、急速充電ができず充電に何時間も必要になってしまうこともあります。

このように、デジタル化していく日常をかしこく生き抜くには、ある程度の充電に関する知識とスキルを身に着けておくのがおすすめです。

そこでここでは、充電性能・充電速度にこだわったシガーソケットUSB充電器のかしこい選び方について、できる限り分かりやすく説明していきます。

私は普段、車の電子部品の開発するエンジニアですが、ここでは専門家の視点だけでなく、個人的に充電器を使用している1人のユーザー視点も合わせて解説していきます。

この記事を読めば、様々な電子機器を車内で充電できるシガーソケットUSB充電器の選び方のポイント・コツについて理解いただくことができ、USB充電器選びの失敗を防ぐことができます。

  • 車内のスマホの充電がわりと遅くて困ってる・・・
  • 外出先で安心して使えるよう、車内でスマホを速く充電したい・・・
  • 出かける間際にスマホのバッテリー残量数%で困ったことがある・・・

という方には特に参考になるかと思います。

すぐに、おすすめのシガーソケットUSB充電器を知りたい方はこちら:シガーソケットUSB充電器厳選おすすめ10モデル(ページ内リンク)からどうぞ。

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シガーソケットUSB充電器とは?

シガーソケットは元々シガーライター取付口

車のシガーソケットに取り付けて使われる充電器はシガーソケット充電器と呼ばれていますが、そもそもシガーソケットとは何でしょうか?

シガーソケットの「シガー」は「シガレット(=タバコ)」に由来しており、元々は下図のようなタバコに火をつけるシガーライターの取付口でした。

シガーソケット用シガーライター

しかし最近の多くの車にはシガーライターは装備されておらず、事実上は車内での電化製品用の電源取り出し口(コンセント)となっています。

車によっては実際下図のように、構造上もライターの面影は無く、12Vと記載されていたりと電源っぽい雰囲気満載のコンセントそのものです。

ちなみに下図のようなフタが装着された構造となっているのは、ホコリ等の侵入による火災を防ぐためです。

最近のシガーソケット(フタ閉)

上図の12V/120Wと書かれたフタを開けると丸いシガーソケット取り付け口が現れます。

このような端子は、広い意味でシガーソケットとも呼ばれ続けていますが、実は耐熱設計上シガーライターとしては使用できない場合もあり、単に電源専用のソケットとして、アクセサリーソケット・電源ソケットと呼ばれています。

最近のシガーソケット(フタ開)ちなみに、よく間違えやすい呼び方ですが、

  • オス側=挿す側=シガープラグ(充電器側)
  • メス側=挿さる側=シガーソケット、またはアクセサリーソケット(車側)

です。

 

シガーソケットUSB充電器のメリット/デメリット

下図のように、充電用のUSB端子が装備されたシガープラグが、シガーソケットUSB充電器です。

後ほど紹介させていただきますが、USB端子ではなく充電用ケーブルがシガープラグと一体化されているタイプもあります。

シガーソケット(USBシガーチャージャー装着)

これらのシガーソケットUSB充電器は、単純にアクセサリーソケット/シガーソケットの中に挿し込むだけで簡単に取り付け終了です。

つまり、

  • 挿し込むだけ簡単に取り付け終了
  • 車の買い替えサイクルよりモバイル充電技術の進化の方が遥かに速い

の2つの観点を考えると、シガーソケットUSB充電器をスマホの買い替えタイミング等に合わせて新しく買い替えていくことで、車を買い替えなくても、

  • 最新の高速充電技術(USB-PD/QC等)最大限活用可能
  • 自分に必要なUSBポート数自由に選択可能

です。

実は、これこそが、シガーソケットUSB充電器で充電を行うことの最大のメリットです。

逆に、シガーソケットUSB充電器デメリットとしては、

  • シガーソケットから飛び出して設置すると後付け感が出て美しくない
  • 選択肢の種類が多過ぎ選ぶのが難しい

などがありますが、どちらもこの記事を読んでいただくことで解決可能です。

車用シガーソケットUSB充電器/ケーブルおすすめ一覧

車用シガーソケットUSB充電器おすすめ10種比較一覧

車用USBシガーソケット充電器装着状態

シガーソケットに1秒で後付け可能車用USBソケット充電器のおすすめモデルは以下一覧の通りです。

シガーソケット
USB充電器
製品名
おすすめ 実売価格 対応コネクタ 充電性能 車内使い勝手
USB
タイプA
USB
タイプC
合計
電力出力
単独
電力出力
コンパクト
設計
ケーブル
一体式
AINOPE
2ポートUSB
カーチャージャー
H79
★★★
¥1,500

(x1)

(x1)

(36W)

(36W:
タイプC)
IDOLCO
2ポートUSB
カーチャージャー
C70(タイプC)
★★★
¥1,800

(x1)

(x1)

(60W)

(30W:
タイプC)

(USB-C)
IDOLCO
2ポートUSB
カーチャージャー
C70(ライトニング)
★★★
¥1,800

(x1)

(x1)

(60W)

(30W:
タイプC)

(ライトニング)
UGREEN
3ポートUSB
カーチャージャー
90413
★★★
¥4,000

(x1)

(x2)
◎+
(130W)
◎++
(100W:
タイプC)
Anker
3ポートUSB
535カーチャージャー
B2731
★★☆
¥4,500

(x1)

(x2)

(67W)
◎+
(67W:
タイプC)
エレコム(ELECOM)
2ポートUSB
シガーチャージャー
MPA-CCC05BK
★★☆
¥1,700

(x1)

(x1)

(27W)

(15W:
タイプC)

(USB-C)
エレコム(ELECOM)
2ポートUSB
シガーチャージャー
MPA-CCL04BK
★★☆
¥2,300

(x1)

(x1)

(27W)

(15W:
タイプC)

(ライトニング)
(MFi対応)
SONRU
3ポートUSB
カーチャージャー
UC1002
★★☆
¥2,000

(x2)

(x1)

(66W)

(30W:
タイプC)
AINOPE
2ポートUSB
カーチャージャー
AV801
★☆☆
¥1,000

(x2)
×
(24W)

(12W:
タイプA)
Anker
2ポートUSB
カーチャージャー
A2727
★☆☆
¥1,300

(x2)
×
(24W)

(12W:
タイプA)

私は、所有する3台の車で、それぞれAINOPE 2ポートUSB H79IDOLCO 2ポートUSB C70エレコム2ポートUSB MPA-CCC05BKを利用していますが、使い方に応じて、以下のようにお選びいただくのがおすすめです。

下図はダイハツコペンでAINOPE 2ポートUSB H79を利用している状態です。

約10年前のコペンでも最新のUSBタイプCコネクタが使えてます。

10年前のコペンに最新のUSBタイプCコネクタ装着状態

USBタイプCポートにスマホ充電用のケーブルを挿してる状態です。

現在冬場に使用している電気ブランケットがUSBタイプAケーブルなので、タイプAのコネクタも時々利用しています。

私も愛用しているAINOPE 2ポートUSB H79の最新価格は以下の通りです。

こちらの充電器のよいところは非常にコンパクトなので、下図のようにケーブルを抜いてしまえば、USBソケット充電器自体は取り付けたままキャップを閉じれることです。

USBソケット充電器を取り付けたままキャップを閉じれてる状態

アンドロイドユーザーの私も愛用しているエレコム2ポートUSB MPA-CCC05BKの最新価格は以下の通りです。

iPhone14以前をお使いの方におすすめのエレコム 2ポートUSB MPA-CCL04BKの最新価格は以下の通りです。

またネット通販最大手のAmazonで現在最も売れてるシガーソケット充電器は、こちら”シガーソケットチャージャー売れ筋ランキング(Amazon)“となります。 口コミ情報含め、シガーソケット充電器選びのご参考にどうぞ。

もしも充電器などを使うことでシガーソケットのポート数が足りなくなり、シガーソケット増設をしたい場合、こちら”車用増設ソケット・分配器の売れ筋ランキング(Amazon)“もご参考にどうぞ。

ただし、シガーソケット増設はポート数は増やせても許容消費電力は増やせないため、増設しすぎによるヒューズ切れには注意が必要です。

ちなみにUSB充電ケーブルについては、次章またはこちら”スマホ充電USBケーブル選び方“の別記事にまとめてみましたので、もしよろしければ合わせてご参考にどうぞ。

 

車用USB充電ケーブルおすすめ7種比較一覧

アンドロイド/iPhone15以降対応USB充電ケーブル

まずは、アンドロイドスマホまたは、iPhone15以降用におすすめのUSBケーブルです。

最もおすすめなのは、ケーブルの両側ともUSBタイプCでUSB-PDに対応したケーブルです。

ケーブルの片側だけでもUSBタイプAの場合、USB-PD非対応となり、急速充電ができない場合もあります。

さらにL字コネクタ+ナイロン編み採用ケーブルであれば申し分なくおすすめです。

USBケーブル
製品名
おすすめ 実売価格 対応コネクタ 充電性能 車内使い勝手
USB
タイプA
USB
タイプC
USB-PD
対応
QC2~4.0
対応
対応電力 対応電流 L字型
コネクタ
ナイロン
編み
対応長さ
UGREEN
USB-C
L字型ケーブル
★★★
¥1,700~
×
(100W)

(5A)

(0.5~
3m)
UGREEN
USB-Cケーブル
★★★
¥1,400~
×
(100W)

(5A)

(0.5~
3m)
Anker
PowerLine(高耐久)
USB-Cケーブル
★★★
¥1,800~
×
(100W)

(5A)

(0.9~
1.8m)
UGREEN
USB-C&A
L字型ケーブル
★★☆
¥900~
×
(18W)

(3A)

(0.5~
2.0m)
UGREEN
USB-C&Aケーブル
★★☆
¥900~
×
(18W)

(3A)

(0.25~
3.0m)
エレコム
USB-C&Aケーブル
断線に強い高耐久
★★☆
¥1,200~
× ×
(15W)

(3A)

(0.3~
2.0m)
Anker
PowerLine(高耐久)
USB-C&Aケーブル
★☆☆
¥900~
× ×
(10W)

(2A)

(0.9~
3.0m)

 

iPhone14以前対応USB充電ケーブル

次に、iPhone14以前用におすすめのUSBケーブルです。

最もおすすめなのは、ケーブルのライトニングとは逆側がUSBタイプCでUSB-PDに対応したケーブルです。

ライトニングとは逆側がUSBタイプAの場合、USB-PD非対応となり、急速充電ができない場合もあります。

さらにL字コネクタ+ナイロン編み採用ケーブルであれば申し分なくおすすめです。

また、ここで紹介させていただいてるケーブルは全てMFi認証対応品ですので、安心してお使いいただけます。

ライトニング
USBケーブル
製品名
おすすめ 実売価格 対応コネクタ 充電性能 車内使い勝手
USB
タイプA
USB
タイプC
ライト
ニング
USB-PD
対応
対応電力 対応電流 L字型
コネクタ
ナイロン
編み
対応長さ
UGREEN
USB-C&ライトニング
L字型ケーブル
★★★
¥1,700~
×
(MFi対応)

(100W)

(5A)

(1.0~
2.0m)
UGREEN
USB-C&ライトニング
ケーブル
★★★
¥1,700~
×
(MFi対応)

(100W)

(5A)

(0.25~
3.0m)
Anker
USB-C&ライトニング
ケーブル
★★★
¥1,500~
×
(MFi対応)

(100W)

(5A)

(0.9~
3.0m)
Anker
PowerLine(高耐久)
USB-C&ライトニング
ケーブル
★★★
¥2,200~
×
(MFi対応)

(100W)

(5A)

(0.9~
1.8m)
UGREEN
USB-A&ライトニング
ケーブル
★★☆
¥1,600~
×
(MFi対応)
×
(12W)

(2.4A)

(0.25~
2.0m)
Anker
USB-A&ライトニング
ケーブル
★☆☆
¥1,500~
×
(MFi対応)
×
(7.5W)

(1.5A)

(1.0~
1.8m)

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車用シガーソケットUSB充電器の選び方

シガーソケット側の構造・形状は世界共通のため、どんなシガーソケット充電器でもパッと見は同じ形ですし、車に挿すこと自体はできます。

しかし、目に見えない部分も含めシガーソケット充電器を車内で使用する場合、特に以下6つのポイントが大切です。

  • 充電したい機器に合った接続コネクタ規格
  • 出力電流で決まる充電性能
  • 充電ケーブル含めてじゃまにならないコンパクト設計
  • 車によって違う対応電圧
  • アップル認証(MFi認証)
  • USB-PD/Quick Charge等の急速充電対応

色・デザイン・接続ポート数・通電ランプの有無や照明色など選ぶポイントは他にいくらでもありますが、特に大切なのはこの6つです。

 

充電したい機器に合った接続コネクタ規格

接続コネクタの規格・形状が合わないとそもそも接続できないので、ここが一番大切です。

  • ソニーウォークマン → WM-Port
  • アンドロイド系スマホ → タイプC USB
  • 新型iPad Pro/iPhone15以降のアップル製品 → タイプC USB
  • iPhone5以降、新型iPad Pro/iPhone14以前のアップル製品 → ライトニングコネクタ
  • iPhone4以前のアップル製品 → ドッグコネクタ
  • スマホ以外の従来携帯電話(ガラケー) → micro USB または携帯電話各社専用のコネクタ

と各製品毎に様々なコネクタが採用されています。

ここまで各社バラバラなコネクタだと私たちユーザーにとっては少し迷惑な感じですが、2019年に新型iPad Proが、そして2023年にiPhone15がUSBタイプC対応したことで、USBタイプCが今後の標準コネクタになっていきそうな感じです。

とは言え、現時点での多くの人々の保有機器を考えると、各コネクタに対応した充電器選び・各コネクタ込みの充電ケーブルに対応した充電器選びが必要です。

ちなみに、現状多くの充電器は充電器側のコネクタはタイプAと呼ばれる標準USBコネクタで、ケーブル側で各機器の特有のコネクタ形状に変換する形になっています。

よって、ケーブル一体型のUSB充電器を検討する場合のみコネクタ対応に気を使う必要があります。

 

出力電力で決まる充電性能

接続コネクタの規格・形状の次に大切なのが充電性能です。

シガーソケットからもらった電力をいかに効率的に充電したい機器に伝えられるかが重要です。

一般的には充電時間が短いほど高性能となりますが、これは充電器側が出しきれる電力量とスマホ等充電したい機器側が受け取れる電力量のバランスよって決まります。 当然、授受できる電力量が多ければ多いほど充電時間は短くなります。

“電力量”=”電流”x”電圧”ですが、”電圧”は多くの規格で5Vが使われています。

“電流”は逆に様々で、

  • 1A未満だとスマホは充電困難
  • 2A未満だとタブレットは充電困難

といわれており、”従来型の携帯電話(ガラケー)しか充電しない”という方以外は、

  • 2A以上の出力を持つ充電器

を選ぶのがおすすめです。

ちなみに例えば、充電したい機器側が1Aしか受け取れない仕様の場合、いくら充電器側が2A以上出せる性能を持っていても1A分の充電しかできないので、ご注意ください。

 

充電ケーブル含めたコンパクト設計

車の中のスペースはとにかく限られています。

比較的車内が広いミニバンですら、家の中のスペースと比べるとその差は歴然です。

最近のクルマは以前よりも物入れやカップホルダー等の収納スペースが比較的多めに装備されるようになりましたが、それでもすぐに場所が埋まってしまうことが多いです。

そんな中、充電したい機器の置場確保も含めて充電時の接続ケーブルによる場所の占有は最小限にしたいものです。

また充電器を設置するシガーソケットは、一般的にフロント席のオーディオ・エアコンスイッチ・シフトレバー近くに配置されています。

よって、シガーソケット周辺が充電ケーブルでごちゃごちゃすると、シフトレバー操作の邪魔になったり、エアコン操作の邪魔になったり、安全運転を妨げる要因になりかねません。

従って車内でのシガーソケット充電器の使用を考えたとき、

  • 車内はスペースが限られている
  • 安全運転のためにもシガーソケット端子周辺はスッキリさせておくべき
  • 収納等のフタの中にシガーソケットがある場合は未使用時にフタを閉めておきたい

と言う観点が大切になってくるため、特に充電ケーブル部の仕様として”狭い車内でもじゃまにならないコンパクト設計“であることが求められます。

具体的には、

  • カール・巻取式など余ったケーブルをコンパクトに格納できる設計
  • カールケーブルなど引っ張られても端子抜けが発生しにくい伸縮性あり設計
  • ケーブル一体型充電器などケーブルも含めたコンパクト設計
  • ケーブル部を除く充電器本体部分ができる限り小型設計

などがあげられます。

 

車によって違う対応電圧

一般の乗用車とおよそ2トン以上のトラックとではシガーソケットの圧が違います。

  • 一般乗用車のシガーソケット:12V
  • およそ2トン以上のトラックのシガーソケット:24V

ほとんどのシガーソケット機器は12~24Vの両電圧対応タイプですが、ごくまれに12V電圧のみ対応のタイプが存在します。

設計的には12V電圧のみ対応タイプの方が低コストにできるからです。

特にトラック等の大型車での使用を検討されている方は、最低限24V電圧に対応しているかを確認いただいた上で、シガーソケット充電器を選ばれるのが無難です。

 

アップル認証(MFi認証)

アップル認証とは、MFi(Made For iPhone/iPad/iPod)認証とも呼ばれ、iPhone/iPad/iPodの周辺機器・アクセサリーとして、正しく動作することをApple社が認定する制度です。

iPhone/iPad/iPodを実際に接続してApple社が指定するテストが行われ、その結果をApple社が認めない限り、”Made For iPhone/iPad/iPod”と表示することはできません。

逆にアップル認証が取得できているということは、Apple社が直々にiPhone/iPad/iPodとの動作保証をしていることになるので、iPhone/iPad/iPodユーザーにとってはとても安心です。

唯一の難点は、アップル認証取得にあたって追加で必要となる開発費用が製品代に反映され、販売価格が少し高くなることです。

アンドロイドユーザーにとってはあまり関係ありませんが、iPhone/iPad/iPodユーザーにとってはApple社の動作保証というお墨付きの安心感をお金で買うことができます。

 

車のUSB-PD/Quick Charge対応による急速充電

車のUSB-PD対応急速充電

USBの規格は通信規格・充電規格それぞれ日々時代進化しています。

下表は、充電出力の低い順(≒古い順)に一覧に並べたものですが、一般的に急速充電が可能な充電出力は10W(2A/5V)以上と言われています。

この10W以上の高出力な充電規格として定められたのがUSB-PD(USB Power Delivery)です。

充電出力 出力電流 出力電圧 USB
タイプA
USB
タイプC
規格名
2.5W 0.5A 5V~ USB2.0
4.5W 0.9A USB3.0
7.5W 1.5A USB-BC
10W 2A △(QC) USB-PD,
QC
(Quick
Charge)
15W 3A △(QC)
27W 9V ×
45W 15V ×
100W 5A 20V ×

2024年時点で、車の純正USB端子USB-PD対応させてるメーカーはメルセデスベンツやテスラなど一部のメーカーに限られていますが、今後は他の多くのメーカーでも採用が進む見込みです。

例えば、メルセデスベンツの一部車種では100WのUSB-PD対応端子を選択することができますが、もはやここまで来ると充電対象機器としては、スマホに限らず、ノートPC、iPad、任天堂Switch等のゲーム機にも拡大できます。

 

車のQuick Charge対応急速充電(アンドロイドのみ)

QC2.0(Quick Charge 2.0)とは、米国のクアルコム(Qualcomm)社が開発した、USB充電時に通常最大”5V/2.4A”のところを”5V/2.4A”~”9V/2A”~”12V/1.5A”と電圧を上昇させる制御を行うことで、充電時間をさらに短くする急速充電の技術です。

ただし端末側の対応が必要で、Sony XperiaZ2以降やSamsung Galaxy S5以降など、auの”Quick Charge 2.0″・ドコモの”急速充電2″対応端末でのみさらに急速な充電ができます。

私の使用感としては、バッテリー容量の90%→100%等の最後の最も時間がかかる場面を除けば、従来の急速充電器の2倍以上の速度を実感できました。 充電器の性能・規格の差によるスマホの充電時間の比較については、こちら”車内でスマホ充電する方法は12通りもあった!最強の急速充電方法とは?“の記事に詳しくまとめましたので、もしよければ合わせてご参考にどうぞ。

以下が主なQuick Charge 2.0/3.0対応機種です。

残念ながら現時点ではiPhoneは対応していません。

Sony Xperia Z2/Sony Xperia Z2 Tablet
Sony Xperia Z3/Sony Xperia Z3 Tablet
Sony Xperia A4/Sony Xperia ZL2/Sony Xperia Z4/Sony Xperia Z4 Tablet
Sony Xperia Z5/Sony Xperia Z5 Premium/Sony Xperia Z5 Compact
Sony Xperia X Performance/Sony Xperia XZ/Sony Xperia XZ2

Samsung Galaxy S5/Samsung Galaxy S6/Samsung Galaxy S6 Edge
Samsung Galaxy S7/Samsung Galaxy S7 Edge
Samsung Galaxy S8/Samsung Galaxy S8+
Samsung Galaxy S9/Samsung Galaxy S9+
Samsung Galaxy Note 4/Samsung Galaxy Note Edge

Sharp Aquos Pad/Sharp Aquos Zeta/Sharp SH01G/02G
Asus Transformer T100/Asus Zenfone 2/Yota Phone 2
Droid Turbo by Motorola/New Moto X by Motorola
Fujitsu Arrows NX/Fujitsu F-02G/Fujitsu F-03G/Fujitsu F-05F
Google Nexus 6/HTC Butterfly 2/HTC One (M8)/HTC One (M9)
Kyocera Urbano L03/LG G Flex 2/LG G4/Panasonic CM-1

iPhoneには非対応であることもあり、車の純正USB端子Quick Charge対応させてるメーカーは基本的に無いです。

もし、アンドロイドスマホをお使いであれば、後の章で紹介させていただく後付けのUSBシガーソケット充電器を利用すればQuick Charge対応の充電も可能です。

 

スマホで受入可能な最大充電電力

USB-PDを使った急速充電を行うには、充電器側だけで無くスマホ側も対応している必要があります。

最近のスマホはほとんどの機種がUSB-PD対応ですが、細かく見ると機種ごとに最大充電電力は異なります

iPhoneが受入可能な最大充電電力は以下の通りです。

  • iPhone15:最大27W
  • iPhone12~14:最大20W
  • iPhone8~11:最大18W

代表的なアンドロイドスマホが受入可能な最大充電電力は以下の通りです。

  • GalaxyS10~23:最大25W
  • GalaxyZ Flip/Fold3~5:最大25W
  • GalaxyA52~53:最大25W
  • GalaxyS20/23 Ultra:最大45W
  • Google Pixel8:最大27W
  • Google Pixel6/7 Pro:最大23W
  • Google Pixel6/7:最大21W
  • Xperia1 III/IV:最大30W
  • Xperia5 III:最大30W
  • Xperia1 II:最大21W
  • Xperia5 II:最大21W
  • Xperia10 III/IV:最大18W
  • AQUOSシリーズ:最大18W

GalaxyS22(最大25W受入可能)を最大36W出力可能なシガーソケット充電器AINOPE 2ポートUSB H79のタイプCポートで充電してみると下図のようになりました。

GalaxyS22(最大25W受入可能)を超急速充電中の画面表示

スマホのバッテリー残量は半分以下の45%ですが、あとわずか45分で満充電になる見込みです。

状態表示も「超急速充電中」となっています。

 

車内のシガーソケット設置場所と周辺状態

最後に、シガーソケット/アクセサリーソケット電源の一般的な車内設置場所について簡単に整理しておきます。

細かい位置は車によって異なりますが、一般的に、

  • シフトレバーの付近
  • センターコンソール(ひじ置き)後ろ付近
  • センターコンソール(ひじ置き)の中
  • オーディオ操作パネルの下の付近
  • グローブボックス(ダッシュボックス)の中

に設置されていることが多いです。

 

シフトレバーの付近のシガーソケット

下の写真はシフトレバーの付近のシガーソケットへのUSB充電器設置例です。 多くの車がこのあたりに設定されています。

USB充電器が設置できるシガーソケットの場所

1点だけ注意点として、お使いの車のシガーソケット/アクセサリーソケット周辺に構造物・カベ・フタなどが無いかを確認しておいて下さい。 もしもUSB充電器を取り付けた場合に充電器の大きさによっては干渉する恐れがあります。

例えば、上記写真ではシガーソケットのすぐ上にフタがあるため、それなりにコンパクトなモデルを選ばないとUSB充電器を取り付けたままの状態でフタを閉めることができなくなります。

ただし、USB充電器自体を普段はグローブボックスなど別の場所にしまっておいて、充電する時だけ取り付けるのであれば、問題ありません。

 

センターコンソール後ろ付近のシガーソケット

続いて、センターコンソール(ひじ置き)の後ろ付近のシガーソケット電源の例です。 下の写真は2017年に発売されたトヨタ新型ヴォクシー・ノア・エスクァイアですが、ミニバン・SUVなどでは後席での利用も考えて、この場所に設定されていることが多いです。

トヨタ車の充電専用USB端子

以上ここでは、シガーソケットタイプのUSB充電器について詳しく書かせていただきましたが、さらに幅広い車内での電源確保方法として、シガーソケットUSBに限らない100Vコンセントやシガーソケット以外のUSBも含めた電源確保について、こちら”車から電源を取り出す3つの方法“の記事にまとめてみました。 もしよろしければ、合わせてご参考にどうぞ。

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