車の急速充電USBケーブルの選び方!タイプCがおすすめの理由

出かけようとスマホを手に取った瞬間、バッテリー残量が数%で困った経験は無いでしょうか?

そんな時、車の中でスマホを急速充電できれば、バッテリーを短時間で復活させることができとても安心です。

実は、タイプCかつUSB-PD(Power Delivery)対応のUSBケーブル+充電器を使えば、確実に急速充電か超急速充電を行うことができます。

下図は私が普段、車内で超急速充電を行ってる時の様子です。

スマホのバッテリー残量は半分以下(45%)ですが、わずか45分で満充電になる見込みです。

GalaxyS22(最大25W受入可能)を超急速充電中の画面表示

しかし逆に、タイプAのUSBケーブル+充電器等だと、低速な普通充電となり満充電まで2~4時間必要な場合もあります。

一般的にiPhoneを急速(高速)充電した場合、

  • バッテリー残量0→50%:約30分
  • バッテリー残量0→100%:約1時間半

と、言われてます。

逆に昔のiPhoneに付属してた白い四角い充電器(5W)などで普通充電した場合、

  • バッテリー残量0→50%:約1時間半
  • バッテリー残量0→100%:約4時間

と、急速(高速)充電と比べて数時間も多くの充電時間がかかります。

よっぽど遠くに出かけない限り、普通充電だと目的地到着前に充電を完了させるのは難しいのです。

車内スマホ充電USBケーブル選びの注意点のイメージ

そこでここでは、自動車会社で20年間、電子部品の開発に携わってきた私の実体験やノウハウを元に、車内で急速充電ができるUSBケーブルの選び方と注意点について詳しく解説していきます。

  • 車内のスマホの充電が遅くて困ってる・・・
  • 外出先で安心して使えるよう、車内でスマホを超速く充電したい・・・
  • 出かける間際にスマホのバッテリー残量数%で困ったことがある・・・

という方には特に参考になるかと思います。

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充電USBケーブルの種類

USB端子の種類一覧

現在、主に流通してるUSB端子の種類は以下3つです。

USB規格ではありませんが、参考でライトニングも記載しておきます。

  • USBタイプA:少し前の充電器、少し前の通信用端子
  • USBタイプC:最新のアンドロイドスマホ、iPhone15以降、最新の充電器
  • USBマイクロB:少し前のアンドロイドスマホ
  • ライトニング:iPhone14以前

最近、マイクロBはだいぶ減り見かけ無くなってきましたが、将来的にはタイプAも減っていくと推測できます。

 

USBケーブルの両側端子の種類一覧

USBタイプCケーブルとにUSBタイプAケーブル

車内でもよく使われる、USBタイプCケーブルと呼んでるのは、上図の上側のようなUSBケーブルの両側がタイプC端子のものか、片側がライトニング端子+もう片側がタイプC端子のものです。

上図の下側のようにUSBケーブルの片側どちらかでもタイプA端子のものは、USBタイプAケーブルと呼ぶことにします。

一覧にしてみると以下の通りです。

  • USBタイプC+USBタイプC:〇タイプC USBケーブル
  • USBタイプC+ライトニング:〇タイプC USBケーブル
  • USBタイプC+USBタイプA:×タイプA USBケーブル
  • USBタイプA+ライトニング:×タイプA USBケーブル
  • USBタイプA+USBタイプA:×タイプA USBケーブル

 

車の急速充電USBケーブルの選び方の注意点概要

車内でスマホを急速充電したい場合のUSB急速充電ケーブルの選び方の注意点は以下3つです。

  • 急速充電ならタイプCかつPD対応のUSBケーブルがおすすめ
  • 今後はタイプAよりタイプC対応のUSBケーブルがおすすめ
  • L字コネクタ+ナイロン編みケーブルが車にはおすすめ

 

車の急速充電USBケーブルおすすめ一覧

ここからは、車で使う場合におすすめの急速充電対応のUSBケーブルについて紹介していきます。

お使いのスマホに応じて、

  • アンドロイドスマホまたはiPhone15以降:USBタイプC対応
  • iPhone14以前:ライトニング対応

と選ばれるのがおすすめです。

次章より、USBタイプCとライトニング、それぞれに分けて紹介していきます。

 

Android/iPhone15以降用の充電USBケーブルおすすめ一覧

最もおすすめなのは、ケーブルの両側ともUSBタイプCでUSB-PDに対応したUSBケーブルです。

ケーブルの片側だけでもUSBタイプAの場合、USB-PD非対応となり、急速充電ができない場合もあります。

さらにL字コネクタ+ナイロン編み採用ケーブルであれば申し分なくおすすめです。

USBケーブル
製品名
おすすめ 実売価格 対応コネクタ 充電性能 車内使い勝手
USB
タイプA
USB
タイプC
USB-PD
対応
QC2~4.0
対応
対応電力 対応電流 L字型
コネクタ
ナイロン
編み
対応長さ
UGREEN
USB-C
L字型ケーブル
★★★
¥1,700~
×
(100W)

(5A)

(0.5~
3m)
UGREEN
USB-Cケーブル
★★★
¥1,400~
×
(100W)

(5A)

(0.5~
3m)
Anker
PowerLine(高耐久)
USB-Cケーブル
★★★
¥1,800~
×
(100W)

(5A)

(0.9~
1.8m)
UGREEN
USB-C&A
L字型ケーブル
★★☆
¥900~
×
(18W)

(3A)

(0.5~
2.0m)
UGREEN
USB-C&Aケーブル
★★☆
¥900~
×
(18W)

(3A)

(0.25~
3.0m)
エレコム
USB-C&Aケーブル
断線に強い高耐久
★★☆
¥1,200~
× ×
(15W)

(3A)

(0.3~
2.0m)
Anker
PowerLine(高耐久)
USB-C&Aケーブル
★☆☆
¥900~
× ×
(10W)

(2A)

(0.9~
3.0m)

 

iPhone14以前用の充電USBケーブルおすすめ一覧

最もおすすめなのは、ケーブルのライトニングとは逆側がUSBタイプCでUSB-PDに対応したUSBケーブルです。

ライトニングとは逆側がUSBタイプAの場合、USB-PD非対応となり、急速充電ができない場合もあります。

さらにL字コネクタ+ナイロン編み採用ケーブルであれば申し分なくおすすめです。

ライトニング
USBケーブル
製品名
おすすめ 実売価格 対応コネクタ 充電性能 車内使い勝手
USB
タイプA
USB
タイプC
ライト
ニング
USB-PD
対応
対応電力 対応電流 L字型
コネクタ
ナイロン
編み
対応長さ
UGREEN
USB-C&ライトニング
L字型ケーブル
★★★
¥1,700~
×
(MFi対応)

(100W)

(5A)

(1.0~
2.0m)
UGREEN
USB-C&ライトニング
ケーブル
★★★
¥1,700~
×
(MFi対応)

(100W)

(5A)

(0.25~
3.0m)
Anker
USB-C&ライトニング
ケーブル
★★★
¥1,500~
×
(MFi対応)

(100W)

(5A)

(0.9~
3.0m)
Anker
PowerLine(高耐久)
USB-C&ライトニング
ケーブル
★★★
¥2,200~
×
(MFi対応)

(100W)

(5A)

(0.9~
1.8m)
UGREEN
USB-A&ライトニング
ケーブル
★★☆
¥1,600~
×
(MFi対応)
×
(12W)

(2.4A)

(0.25~
2.0m)
Anker
USB-A&ライトニング
ケーブル
★☆☆
¥1,500~
×
(MFi対応)
×
(7.5W)

(1.5A)

(1.0~
1.8m)

 

車の急速充電USBケーブルの選び方の注意点詳細

急速充電ならタイプCかつPD対応のUSBケーブルがおすすめ

USBの規格は通信規格・充電規格それぞれ日々時代進化しています。

下表は、充電出力の低い順(≒古い順)に一覧に並べたものですが、一般的に急速充電に必要な充電出力は10W(2A/5V)以上と言われています。

つまり、確実に急速充電を行うには充電出力10W以上に対応したUSB-PD対応のUSBタイプCケーブルを使う必要があります。

充電出力 出力電流 出力電圧 USB
タイプA
USB
タイプC
規格名
2.5W 0.5A 5V~ USB2.0
4.5W 0.9A USB3.x
7.5W 1.5A USB-BC
10W 2A △(QC) USB-BC
USB-PD
QC
(Quick Charge)
15W 3A △(QC)
27W 9V ×
45W 15V ×
100W 5A 20V ×

 

急速充電にUSBタイプCケーブルが必要な理由

USBタイプCケーブルとにUSBタイプAケーブル

表の「USBタイプC」の列をご覧いただくと分かるように、10W以上の急速充電出力が可能なのは基本的にUSBタイプCのみです。

確かに「USBタイプA」であっても、アンドロイドスマホの一部はQC(Quick Charge)と呼ばれるクアルコム規格に対応していれば、10W以上の出力が可能ですが、一般的であるとは言えません。

以上より、iPhone・アンドロイドスマホ両方において、確実に急速充電できるUSBケーブルとしては、タイプAではNGでタイプCが必要と言えます。

つまり、USBタイプAとタイプC単にコネクタの形が違うだけでは無く充電性能が全然違うのです。

 

急速充電にUSB-PDケーブルが必要な理由

次に、QC(Quick Charge)のような一部の充電器や一部のスマホSoCに依存する急速充電規格では無く、すべてのUSB機器に広く適用される共通の急速充電規格はUSB-PD(Power Delivery)のみです。

USB-PD対応であればスマホの急速充電が確実に可能であり、さらにUSB-PD対応=USBタイプC対応でもあります。

逆に言うと、USBタイプA対応ケーブルでUSB-PD対応のものは原則存在し無いのです。

 

今後はタイプAよりタイプC対応のUSBケーブルがおすすめ

前章までの内容より、

  • スマホ急速充電≒USB-PD対応=USBタイプC対応

であることはご理解いただけたかと思います。

よって、スマホを急速充電したい場合はUSBタイプAよりタイプC対応ケーブルを選ぶべきなのもお分かりいただけと思います。

しかし、一部の方には、

  • 現在お使いの車にUSBタイプAコネクタしか設置されて無い・・・
  • 現在持ってるケーブルがUSBタイプAコネクタのものしか無い・・・

との心配もあるかと思います。

そういう私も現在所有してる車は、3台ともUSBタイプAしか設置されて無いです。

でも心配ありません。

  • USBタイプAしか無い車 ⇒ USBタイプCはシガーソケットに後付け可能
  • 今後発売の新型車 ⇒ USBタイプA廃止でタイプCへ移行

となってますので、急速充電したい場合はいつでもUSBタイプA→タイプCに乗換可能です。

 

USBタイプCはシガーソケットに後付け可能

私の場合もそうですが、お使いの車にUSBタイプCコネクタが無い場合でも、シガーソケット(DC12Vアクセサリーソケット)さえあれば、¥2,000円程度で急速充電可能なUSBタイプCコネクタが後付け設置可能です。

 

車用USBシガーソケット充電器おすすめ一覧

車用USBシガーソケット充電器装着状態

シガーソケットに数秒で後付け可能車用USBソケット充電器のおすすめは以下一覧の通りです。

USBソケット
充電器
製品名
おすすめ 実売価格 対応コネクタ 充電性能 車内使い勝手
USB
タイプA
USB
タイプC
合計
電力出力
単独
電力出力
コンパクト
設計
ケーブル
一体式
AINOPE
2ポートUSB
カーチャージャー
H79
★★★
¥1,500

(x1)

(x1)

(36W)

(36W:
タイプC)
IDOLCO
2ポートUSB
カーチャージャー
C70(タイプC)
★★★
¥1,800

(x1)

(x1)

(60W)

(30W:
タイプC)

(USB-C)
IDOLCO
2ポートUSB
カーチャージャー
C70(ライトニング)
★★★
¥1,800

(x1)

(x1)

(60W)

(30W:
タイプC)

(ライトニング)
UGREEN
3ポートUSB
カーチャージャー
90413
★★★
¥4,000

(x1)

(x2)
◎+
(130W)
◎++
(100W:
タイプC)
Anker
3ポートUSB
535カーチャージャー
B2731
★★☆
¥4,500

(x1)

(x2)

(67W)
◎+
(67W:
タイプC)
エレコム(ELECOM)
2ポートUSB
シガーチャージャー
MPA-CCC05BK
★★☆
¥1,700

(x1)

(x1)

(27W)

(15W:
タイプC)

(USB-C)
エレコム(ELECOM)
2ポートUSB
シガーチャージャー
MPA-CCL04BK
★★☆
¥2,300

(x1)

(x1)

(27W)

(15W:
タイプC)

(ライトニング)
(MFi対応)
SONRU
3ポートUSB
カーチャージャー
UC1002
★★☆
¥2,000

(x2)

(x1)

(66W)

(30W:
タイプC)
AINOPE
2ポートUSB
カーチャージャー
AV801
★☆☆
¥1,000

(x2)
×
(24W)

(12W:
タイプA)
Anker
2ポートUSB
カーチャージャー
A2727
★☆☆
¥1,300

(x2)
×
(24W)

(12W:
タイプA)

私は、所有する3台の車で、それぞれAINOPE 2ポートUSB H79IDOLCO 2ポートUSB C70エレコム2ポートUSB MPA-CCC05BKを利用していますが、使い方に応じて、以下のようにお選びいただくのがおすすめです。

下図はダイハツコペンでAINOPE 2ポートUSB H79を利用している状態です。

約10年前のコペンでも最新のUSBタイプCコネクタが使えてます。

10年前のコペンに最新のUSBタイプCコネクタ装着状態

USBタイプCポートにスマホ充電用のケーブルを挿してる状態です。

現在冬場に使用している電気ブランケットがUSBタイプAケーブルなので、タイプAのコネクタも時々利用しています。

こちらの充電器のよいところは非常にコンパクトなので、下図のようにケーブルを抜いてしまえば、USBソケット充電器自体は取り付けたままキャップを閉じれることです。

USBソケット充電器を取り付けたままキャップを閉じれてる状態

 

スマホで受入可能な最大充電電力

1ポートあたり30W程度のUSB充電出力ならほとんどスマホはカバー可能ですが、細かく見ると機種ごとに最大充電電力は異なります。

iPhoneが受入可能な最大充電電力は以下の通りです。

  • iPhone15:最大27W
  • iPhone12~14:最大20W
  • iPhone8~11:最大18W

代表的なアンドロイドスマホが受入可能な最大充電電力は以下の通りです。

  • GalaxyS10~23:最大25W
  • GalaxyZ Flip/Fold3~5:最大25W
  • GalaxyA52~53:最大25W
  • GalaxyS20/23 Ultra:最大45W
  • Google Pixel8:最大27W
  • Google Pixel6/7 Pro:最大23W
  • Google Pixel6/7:最大21W
  • Xperia1 III/IV:最大30W
  • Xperia5 III:最大30W
  • Xperia1 II:最大21W
  • Xperia5 II:最大21W
  • Xperia10 III/IV:最大18W
  • AQUOSシリーズ:最大18W

GalaxyS22(最大25W受入可能)をAINOPE 2ポートUSB H79(36W出力可能)のタイプCポートで充電してみると下図のようになりました。

GalaxyS22(最大25W受入可能)を超急速充電中の画面表示

スマホのバッテリー残量は半分以下の45%ですが、あとわずか45分で満充電になる見込みです。

状態表示も「超急速充電中」となっています。

 

新型車はUSBタイプA廃止でタイプCへ移行

レクサスNXのUSB端子の例

現在、USBタイプAからタイプCへの移行が進んでいます。

上図は移行過渡期のモデルでレクサスNXの例ですが、

  • 充電用USB=タイプC(左側)
  • 通信用USB=タイプA(右側)

とUSBタイプAとタイプCが混在しています。

私も以前は、

「USBタイプAのケーブルしか持ってないからUSBタイプAを使おう」

「自分の車はUSBタイプAコネクタだからSBタイプAを使おう」

とか思ってました。

しかし、USBタイプCの普及が始まり急速充電のニーズが高まる時代進化の中、この考えは大きな間違いで、「世の中がUSBタイプCに変わっていくので古くて性能の低いUSBタイプAはそろそろ使うのを止めよう」が正しい考えてです。

車側の対応としても、2023年頃以降発売の新車からUSBタイプAは廃止されUSBタイプCの採用が進んでいます。

例えば、

  • トヨタクラウンクロスオーバー(2022年発売):通信用USB=タイプA、充電用USB=タイプC
  • トヨタクラウンスポーツ(2023年発売):通信用USB=タイプC、充電用USB=タイプC(タイプAは完全廃止)

です。

このように国産車は2023年頃からタイプAの廃止が始まりましたが、フォルクスワーゲンやメルセデスベンツ等の欧州輸入車は2020年頃からすでにタイプAの廃止が進んでいます。

このような情勢の中でタイプAを使い続けるのは、ダメではありませんが、スマホが普及してる中でガラケーを使い続けるのに似ています。

つまり、タイプCへの乗換が確実でおすすめです。

 

L字コネクタ+ナイロン編みUSBケーブルが車にはおすすめ

車の中で使うのにあたり、私の経験から、

  • L字コネクタ採用ケーブル:狭い車内での取り回し、スマホトレイへの収まりが有利
  • ナイロン編み採用ケーブル:被覆部がビニール系だと車内高温下の加水分解でベタベタになるがナイロン編みだと問題無し

と考えています。

 

以上ここでは、車内で急速充電ができるUSBケーブルの選び方と注意点について解説しました。

ここでは、USBタイプCが設置されて無い車への簡単な対処方法として、シガーソケットを活用する方法を紹介させていただきましたが、実は他にもAC100V電源コンセントを活用する方法もあります。

車でAC100V電源コンセントを確保する様々な方法については、こちら”車に100Vコンセント電源を設置する3つの方法(純正埋め込み/後付け/蓄電池)“の記事にも詳しくまとめてありますので、もしよければ合わせてご参考にどうぞ。

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