要注意!スマホ/ウォークマンを車内で故障させないための3つの対策

車の中で、iPhoneなどのスマホやウォークマン/iPodなどのデジタルオーディオプレーヤー(DAP: Digital Audio Player)の中の音楽を聴く人々が増えています。

また、ハイレゾウォークマンなどのハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーの登場により、車の中で簡単にハイレゾ音源を楽しむことすらも可能となりました。

実際私も、最近車の中ではウォークマンかスマホを接続して音楽を聴くケースがわりと多くなってきました。 たまにSDカードやDVDも使いますが。

しかし、これらのスマホやウォークマン等のポータブル音楽プレイヤーを車に接続して使う場合、実は使い方に気をつけないと大切な機器が故障・盗難にあう危険性があるので注意が必要です。

車内でウォークマン等のDAPを持ち込み使用

そこでここでは、皆様のウォークマンやiPhoneが不慮の故障・盗難にあわないよう、これらポータブル機器を車で使用する場合の注意点(故障・盗難等)とその対策方法について、私の実体験にそって書かせていただきます。
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車内でスマホ/ウォークマンに起こるかもしれない故障・盗難リスク

はじめにウォークマン、iPhoneなどのスマホを車でカーオーディオへ接続して使う場合に注意すべき故障・盗難リスクについて書かせていただきます。

小さいリスクをあげだすとキリがありませんが、大きな故障・盗難リスクをまとめると以下の3つとなります。

  • 事故・車上あらし・盗難:車両破損・盗難による機器の破損・盗難
  • 屋外駐車中:直射日光による機器の温度上昇による故障
  • ドライブ中:エアコン風直撃場所に置いた場合は激しい温度変化・内部結露による故障

順に詳しく説明していきます。

 

スマホ/ウォークマンの事故による故障と車上あらしによる盗難リスク

まずは駐車中・ドライブ中に関わらず、事故による故障、車上あらしによる盗難などなかなか防ぐことが難しい事態に遭遇してしまった場合です。

確率的には高くないものの、最も防ぐのが難しいのが事故、特にもらい事故による故障です。

次に駐車中の車上あらしによる盗難ですが、こちらも相手は百戦錬磨のプロですので、狙われてしまうとなかなか手ごわいのは間違いありません。

後ほど対策について書かせていただきますが、常にシャッター付きのガレージの中で厳重に車を保管する等以外には、完全に防ぐことはできません。 ただし、ドライブ先の駐車場での盗難やドライブ中のもらい事故などシャッター付きのガレージがあっても絶対に防ぎきれないケースもあります。

具体的にウォークマン/スマホなどポータブル機器側へ起こることとしては、事故などの衝撃による故障・破損、金目の物としての車上あらしによる盗難・車ごとの盗難が考えられます。

 

スマホ/ウォークマンの屋外駐車中の車内放置による故障リスク

車のダッシュボード上にスマホ/ウォークマンをホルダーなどで取り付けた場合、曲名等が表示されるディスプレイ部は運転中に見やすい位置にくるかもしれません。 しかし、機器本体には直射日光が当たり続けます。

車種によっては紫外線や赤外線をある程度カットするフロントガラスが採用されている場合もありますが、太陽光を100%カットすることはできません。 また、通常はポケットやかばんの中に収納され時々取り出される想定のスマホ/ウォークマンにとって、直射日光が当たり続ける環境は機器の寿命短縮に直結します。

特に、真夏の炎天下に車を屋外駐車する場合、ダッシュボードの陰など直射日光が当たらない部分でも1時間も経たずに空気中の温度が50度以上になる場合があります。 特に電子部品は、温度が大きく変化すると部品の特性や性能が変化してしまいます。

さらに直射日光や高温下の放置という厳しい条件となると、電子部品だけでなく様々な部品の性能劣化・変形(溶解・破壊も含む)による故障につながります。

 

スマホ/ウォークマンの車載ホルダー位置による結露での故障リスク

考えてみれば当たり前ですが、エアコン風が直撃する場所にスマホ/ウォークマンを置いた場合、機器の温度は直撃する風の温度よって急激に上がったり下がったりします。

一番ありがちな例が、下図のようなエアコンの吹出口の前に設置するタイプのドリンクホルダーや小物入れをスマホ/ウォークマンの車載ホルダー代わりに使ってしまう場合です。

ウォークマンをエアコン風直撃のカップホルダーに入れた場合

このタイプのドリンクホルダーはそもそもエアコンの風の温度を利用して飲み物を冷やしたり保温したりするのが目的ですので、普通に使うとスマホ/ウォークマン等のポータブル機器が飲み物などと同じ環境で冷やされたり暖められたりしてしまうわけです。 実際やってみると思った以上に冷たくまたは熱くなるのが分かります。

特に冷風に強くさらされる場合、ポータブル機器の内部では結露が発生し故障の原因となります。

よほど乾燥した状態でない限り、一般的に空気中には少量の水分が含まれています。 一部のスマホ等で採用されている強力な防水設計でもない限り、一般的な非防水・防水構造ではポータブル機器の中には何らかの形で少し水分を含んだ空気が侵入するのを完全に防止するのは困難です。 そこに急激な冷却が加わると冷やされたポータブル機器の外側ケースを伝って、一気に機器内部の水分が内部の基板上などに結露するのです。

結露により集まった水分が電子基板に付着し続けると、最悪ショート(電子回路の短絡による不具合)にもつながりかねません。

ちなみに、高級車の後席やコンソールBOX内などに装備されている”クールBOX”なる車用の冷蔵庫には、カーエアコンの風を引き込むことで冷蔵庫内を冷却する構造のものが多いです。 実はカーエアコンにはかなりの冷却力が備わっているのです。

 

スマホ/ウォークマンを車で故障させない対策方法まとめ

最後に、スマホ/ウォークマン等のポータブル機器を車内でカーオーディオに接続し使用する場合の注意点・対策方法についてまとめてみます。

 

事故による故障と車上あらしによる盗難への対策例

  • 自動車保険加入時に”車両保険“だけでなく、装備品以外まで補償される”身の回り品補償“に加入
  • 駐車中はなるべく車内放置せず持出す
  • 車内放置の場合(真夏の炎天下以外)も外から見えないよう隠すコンソールBOX/グローブBOX内へ収納・何か(私の場合は冬期は運転中に使用してるひざ掛け用毛布)をかぶせる
  • 人目につきにくい暗がりではなく、夜でも街灯の近く等の明るく人目に付く場所に駐車

事故・車上あらし・盗難のような不測の事態を100%完全に防ぐのは難しいので、やはり自動車保険加入時には”車両保険”だけでなく、車両の装備品以外にまで補償が拡大される”身の回り品補償“的な特約に加入されるのがおすすめです。

実際私は、自動車保険一括見積もり“(保険の窓口インズウェブ)の中にあるSBI損保という格安のインターネット自動車保険に加入してますが、”車内外身の回り品補償特約“と呼ばれるオプションの補償を追加で設定しています。 SBI損保の場合ですと大まかに言うと最大30万円まで、事故・盗難などによる実際の損害額から一律3,000円の自己負担額を差し引いた額が支払われます。

ちなみにSBI損保の最新の約款では、「車内外身の回り品補償特約」について、「ノートパソコン、タブレット端末等の携帯式電子事務機器およびその付属品」は補償対象外となりました。 ただし、念のためSBI損保の問い合わせ窓口に聞いてみたところ、「ウォークマン(ポータブル音楽プレーヤー)」は携帯式通信機器および携帯式電子事務機器には該当しないとのことで、身の回り品として扱われ、基本的には補償の対象となるようです。

例えば、簡単に安い保険会社が見つかる自動車保険一括見積もり“(保険の窓口インズウェブ)などの一括見積もりで、自分に合った自動車保険を探していただき、その選んだ保険会社の中から”身の回り品補償“が設定できるプランを選べば、車内のウォークマンなどへのいざという時に安心な補償と家計の節約が同時にできます。

正直、自動車保険の見積もりは多少めんどくさいのも事実です。

しかし、どのみち1年に1回更新が必要な作業ですし、同じ保険金を支払うなら車や車の装備品(カーナビなど)だけでなく、身の回り品(ウォークマン)などもしっかり保険適用させておかないと、事故・車上あらしの場合に、ウォークマン代などの身の回り品は全額自腹になってしまいます。

そもそも「事故・車上あらしの確率なんて低いから、そもそも自動車保険なんて必要ない」との割り切った考えの方は別ですが、事故・車上あらし等への備えが必要と判断されて自動車保険を設定されている方は、今一度、身の回り品への補償がちゃんと設定されているか確認いただくのがおすすめです。

最後に非常に細かい注意点ですが、身の回り品補償でも「ウォークマン等のメモリ内に記録されているハイレゾ音源等の音楽データ」は、補償の対象外です。 よって、ダウンロードした音楽データはパソコン等の別の記憶装置にバックアップをおすすめします。

 

屋外駐車中の車内放置による故障への対策例

  • ダッシュボード上ではなく直射日光の当たらないコンソール周辺に設置する
  • 車を降りる時は、より日光が当たらないコンソールBOX/グローブBOXの中などに移動させる(真夏の炎天下以外)
  • 車を降りる時は、車から持ち出す(真夏の炎天下)
  • 駐車の際は屋外駐車場ではなく屋根付駐車場を選ぶ

車のフロントウィンドウとの位置関係にもよりますが、下図のように例えばシフトレバー付近に車載ホルダー等で固定すれば、直射日光を避けた設置が可能です。

ウォークマンはエアコン風直撃無しのコンソールに固定した場合

 

通常ドライブ中の結露による故障への対策例

  • エアコン風が直撃しないコンソール周辺に設置する
  • 吹出口前の小物入れを使う場合は吹出口から風が出ないようレバー等を調整

上図のように例えばシフトレバー付近のコンソール部であれば、画面表示は少し見にくくなりますが、エアコン風の直撃を避けた設置が可能です。

また、エアコン吹出口のすぐ横などに風を止めるレバーやダイヤルが装備されている車両は、その吹出口だけ風を止めておくのも対策となります。

 

以上の対策例を参考に、皆様の大切なポータブル機器が故障・盗難など不慮の事態に陥らないようご注意いただけたらと思います。

 

補足:車載製品とその他日常向け製品の性能差とは?

スマホ/ウォークマンを車の中で使用する場合のリスクについて書きましたが、少し違和感を持たれた方もいるかもしれません。

「ダッシュボードの上のカーナビのディスプレイは直射日光にさらされてるけど、全然壊れへんやん!」

「カーオーディオの操作パネルはエアコンの吹き出し口のすぐ下にあったりするけど、全然壊れへんやん!」

そうなんです。 ここがポイントなんです。

もともと車向けに設計されている製品は、直射日光にさらされても熱変形しない特別な耐熱性の高い材料のプラスチックで設計されていたり、かなりの高温や低温でも問題なく動作する電子素子・基板が採用されていたりします。

また、結露時のショート対策として電子基板が絶縁性の樹脂でコーティングされていたり、電子基板上の半田にも高温高湿にも耐えれる特別な仕様のものが

採用されている場合もあります。

このように実は工業製品は、

  • 日常使用の一般的なスペック(いわゆる民生品スペック)
  • 自動車向けのスペック
  • 航空機向けのスペック
  • 宇宙開発向けのスペック

といった“さらされる温度変化・振動・対候性などの環境の厳しさ”によって信頼性を作り分けることで、性能とコストのバランスを取っています。

もちろん宇宙開発向けのスペックが一番厳しいのですが、この宇宙開発スペックで例えばウォークマンなどのデジタルオーディオプレーヤーを設計すると、宇宙に持って行っても大丈夫な超頑丈なものが技術的には製造できますが、1個あたり数百万円以上かかるし小型化できないし、市場が極小すぎて誰も買ってくれません(笑)。

 

ここで紹介させていただいたような、スマホ/ウォークマン等のポータブル機器を車の中で使う場合で、例えばオーディオのAUX端子にケーブル接続する際、少しでもいい音で音楽が聴けるよう音質の劣化を防ぐ方法をこちらの”iPhone等スマホ/ウォークマンと車のAUX接続時の3つの音質改善方法“の記事に詳しくまとめましたので、もしよろしければ合わせてご覧ください。

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