知っておきたいハイレゾウォークマン最新おすすめ機種の選び方

2016年10月、ソニーからハイレゾウォークマンの最新モデルが発売されました。

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特に最高級モデルNW-WM1シリーズでの進化は大きく、

  • DSDネイティブ再生対応(NW-WM1Z/WM1A両方)
  • 4.4mmバランスジャック出力対応(NW-WM1Z/WM1A両方)
  • アップスケーリング機能DSEE-HXが複数パターン追加され好みの設定を選択可能など進化(NW-WM1Z/WM1A両方)
  • 内蔵メモリ容量:256GB(NW-WM1Zのみ)

と、まさに最高級な仕様となっています。

また2016年発売の最新ハイレゾウォークマンに全て共通する進化のポイントとして、

  • デジタルアンプS-Master HXのDCフェーズリニアライザー対応(好みによっては高音質)
  • ヘッドホンアンプ出力レベル向上

などがあげられ、一番大切とも言える音質性能が大幅に向上しています。 DCフェーズリニアライザー対応アンプ出力レベル向上に関しては、なんと普及価格モデルのNW-A30シリーズにも搭載されているのです。

ちなみに普及価格モデルのNW-A30シリーズでは、最高級モデルNW-WM1シリーズに搭載されたようなDSEE-HX機能のさらなる進化は実施されていませんが、従来のAシリーズ・ZXシリーズ同等のDSEE-HX機能はもちろん搭載されています。

このDSEE-HXと呼ばれるアップスケーリング機能は、配信されているハイレゾメディアがまだまだタイトル数的に少ない中で、CDやmp3等圧縮音源ソースなど既存の音楽ライブラリの”高音質再生”が実現できてしまう非常に便利な機能です。

ハイレゾウォークマン最高級モデルNW-WM1シリーズで進化したDSEE-HX機能とは以下の内容となります(ハイレゾウォークマン開発者の方に直接教えていただいた内容です)。

2016年最新ハイレゾウォークマンDSEE-HX進化の内容

  • アップスケーリング後の音質傾向を自分の好みで選択可能(スタンダード・女性ボーカル・男性ボーカル・パーカッション・ストリングの5タイプ)
  • 元ソースのサンプルレート(44.1kHz系/48kHz系)に応じた整数倍処理による音質向上
  • DSEE-HX機能を常時オンのままでもハイレゾソース再生時は自動で効果オフ
  • スペアナ画面追加により周波数軸上でのDSEE-HX効果(20kHz以上)が目で分かる

しかし、一方で、

  • さらなる高価格化
  • Android OS採用中止によるWiFi、Androidアプリ対応等の機能廃止
  • 外形サイズの大型化と重量増

など、最高級モデルと言えども場合によってはマイナス面を感じる変更ポイントもあります。

よってここでは、最新モデルに限らず全てのハイレゾウォークマンラインナップを徹底比較し、”どの世代のハイレゾウォークマンがどう良いのか?”、”どの世代のハイレゾウォークマンがどう残念なのか?”について、ハイレゾウォークマン使用歴3年の私KYOが様々な観点で調査しました。

そして、どの世代のどのハイレゾウォークマンがどういう場合・どういう人にぴったり合うかを明らかにしていきます。 実は最新モデルで廃止されてしまった機能が、場合よっては非常に重要だったということも考えられるのです。

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最新ハイレゾウォークマン全ラインナップ

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まず、2013年から現在までに販売されてきたハイレゾウォークマンの全ラインナップは以下表の通りです。 内蔵メモリ容量違いの同シリーズラインナップは一部省略しています。

この中で、2016年10月発売の最新モデルが「NW-A35(NW-A30シリーズ)」「NW-WM1A」「NW-WM1Z」の3モデル(赤文字)です。

9月8日に「NW-WM1A」「NW-WM1Z」の2モデルは、日本での販売価格と発売日(10月29日)が公表されました。

続けて、10月4日に「NW-A30シリーズ」の日本での販売価格と発売日(10月29日)が公表されました。 また、「NW-A30シリーズ」はNW-A37HN、NW-A36HN、NW-A35H、NW-A35の4モデルが発売されます。

ハイレゾウォークマン最新ラインナップ一覧表概要

ハイレゾウォークマン選びのポイント概要

上記ハイレゾウォークマンのラインナップ表が示す通り、現状、中古品含む販売終了モデルや最新モデルも合わせると非常に多くのハイレゾウォークマンが存在しています。

よって、ある程度ポイントを絞って慎重に比較・検討して選ばないと、「あれ!?こんなモデルにこんな機能の違いがあったの!?」などとハイレゾウォークマンを買った後に後悔することになりかねません。

私が考える、ハイレゾウォークマン選びのポイントは以下の5点です。

  • いつでもどこでもできるだけ高音質でハイレゾ」にいくらまでお金を出せるか
  • 持ち運び時の小ささ・軽さに大きな価値を感じるか
  • バッテリーの持ち時間の長さに大きな価値を感じるか
  • 音楽聴き放題サービスをDSEE-HXで音質向上させて聴きたいか
  • 使用するヘッドホンがバランス入力対応かつ高インピーダンス仕様か

他にも色・デザイン・内蔵メモリ容量・画面サイズと解像度・操作ボタンのタイプなど選ぶポイントはいくらでもありますが、特に大切なのはこの5つです。

次章より、これらハイレゾウォークマンの機種選びポイントの詳細について書かせていただきます。

 

ハイレゾウォークマン選びのポイント詳細

「いつでもどこでもできるだけ高音質でハイレゾ」にいくらまでお金を出せるか

ハイレゾウォークマンのラインナップは、基本的に高価格なモデルほど高音質を引き出せる可能性のある仕様となっています。

あえて「高音質を”引き出せる可能性”」と書かせていただいたのは、高音質を感じる体験には、

  • 高額なお金を出しただけの音質差を自分の耳で聴き分けることができるか?
  • ヘッドホン・接続ケーブル等周辺機器も含めてハイレゾウォークマンの高音質性能を引き出せる環境を用意できるか?

といったハイレゾウォークマン単体の性能だけでは決まらない部分もあるからです。

いずれにせよ、お金を払った分だけ高音質な方向になることは間違いないので、あとは、ウォークマンそのものが持つ「いつでもどこでも音楽が楽しめる」価値に加わる「できるだけ高音質にハイレゾを楽める」価値に、自分の耳・ヘッドホン等周辺機器への追加投資も含めてどこまでお金をかけられるかがポイントとなります。

 

持ち運び時の小ささ・軽さに大きな価値を感じるか

次に、ハイレゾウォークマンは、携帯音楽プレーヤーとして携帯して使用する限りは、他の携帯機器同様に小さくて軽いほど持ち運びはしやすいです。

私は、車の中でケーブル接続して使用しているので多少の大きさ・重さは気になりませんが、持ち運んで使用される場合は大きさ・重さが気になることが多いです。

通常は慣れればOKですが、人ぞれぞれどこかに限界ラインがあります。

 

バッテリーの持ち時間の長さに大きな価値を感じるか

ある程度のバッテリーの持ち時間については、こまめな充電で解決できますが、サイズの大きいハイレゾ音源を頻繁に再生したり、DSEE-HXを頻繁に使用したりと使い方によっては、バッテリーが減るスピードが速い場合もあります。 そんな時、特に外に持ち出している場合、バッテリーの持ち時間が長いと、まるで安心感が違います。

正直、バッテリーの残り時間を気にしながら聴く音楽なんて、楽しさ半減です(笑)。 たとえ同じ音質でもバッテリーの持ち時間に余裕があれば、心にも余裕が生まれ、よりリラックスした気分で音楽を聴くことができると考えています。

 

音楽聴き放題サービスをDSEE-HXで音質向上させて聴きたいか

こちら”音楽聴き放題サービスをオフラインでハイレゾ音質相当で聴く方法“の記事でも紹介させていただいておりますが、ストレートに言うと、WiFi対応・Androidアプリ対応であれば、音楽聴き放題サービスの音源をハイレゾ音源相当の音質で聴くことができます。

 

使用するヘッドホンがバランス入力対応かつ高インピーダンス仕様か

まだ数は少ないですが、高級ヘッドホンにはバランス入力に対応したものが存在します。 また、リケーブルという手持ちのヘッドホンのケーブルを別のケーブルに付け替える改造がありますが、その際にバランスケーブルへの置き換えを行えば、バランス入力対応ヘッドホンを改造によって生み出すことができます。

一般的には、アンバランス入力の場合、LとRの各信号で基準グランドと呼ばれる基準信号を共通で利用するため、音楽信号伝送中に基準信号にノイズが入ってしまうと、音が本来のものから変わってしまいます。 しかし、バランス入力の場合、LとRそれぞれの信号をそれぞれ2本の信号線で伝送することができ、伝送中のノイズに対してより強くなります。

最新のハイレゾウォークマンの最高級モデル2機種については、このバランス入力に対応しています。

 

ハイレゾウォークマン比較一覧おすすめ機種まとめ

前章に書かせていただいたハイレゾウォークマン選びのポイントも含めた、ハイレゾウォークマン全ラインナップの比較一覧を下表にまとめてみました。

  • 最新機種での機能向上箇所:青太字(ピンク背景色)
  • 最新機種での機能低下箇所:赤太字(オレンジ背景色)

で表現しています。

私KYOの全く勝手な意見ですが、まず消去法的に、比較一覧表の中で今さら購入しても微妙なモデルとその理由は、以下2です。

  • NW-ZX1:発売当時は最上級モデルだったが、今やメモリ容量拡大不可+バッテリー持ち時間短いのは致命的
  • NW-A25:後継モデルのNW-A35がほぼ同価格帯の見込+ほぼ全ての機能が改善されて旧モデルの優位性ほぼ無し

もし、上記2モデルに購入する価値があるとすると、旧モデルということでバーゲンセール的な価格設定がされている場合以外考えられません。

実際、私KYOは、NW-ZX2, NW-ZX1, ZW-F886と3台のハイレゾウォークマンを所有してますが、NW-ZX2, ZW-F886の2機種は用途を使い分け頻繁に使用していますが、実はNW-ZX1は既に1年以上使ってません。

つまり逆に言うと、比較一覧表の中で上記2モデル以外については、販売終了の旧型モデルすら、未だに購入する価値があると考えています。

ハイレゾウォークマンNW-A35がおすすめな場合

NW-A25, NW-A25HN, NW-A26HN, NW-A27HNなどAシリーズ(A20シリーズ)クラスのモデルを購入検討中の場合、NW-A35, NW-A36HNなど新しいA30シリーズの方がおすすめです。

上記比較一覧表をご覧いただくと分かるようにA20シリーズ後継のA30シリーズは、A20シリーズと比べて価格があまり変わらないにもかかわらず、以下の通り様々な機能が劇的に向上します。

  • DSD再生対応(ただしPCM変換再生対応)
  • ディスプレイサイズ(2.2→3.1インチ)・ディスプレイ解像度(320×240→800×480)アップによる視認性向上
  • 画面タッチ操作対応による操作性向上
  • ヘッドホン出力レベル向上(10→35mW x2)含むデジタルアンプS-Master HXの性能向上

ヘッドホン出力レベルについては旧フラグシップモデルのZX2よりもなんとA30シリーズの方が高かったりします。 ちなみにNW-WM1シリーズに搭載された新しく進化したDSEE-HX機能は搭載されていませんが、従来のAシリーズ・ZXシリーズに搭載されていたDSEE-HX機能はもちろん搭載されています。

唯一残念なのはBluetoothで音楽をワイヤレス接続する際のA2DPコーデック:aptXが非対応になったことくらいです。 さらに高音質なLDACには対応していますが、対応機器の多さという点でaptXが好まれる場合もありますので。 ただしせっかく高音質なハイレゾウォークマンを使用するなら、少なからず音質劣化するワイヤレス接続など使用せず有線接続の音のよさを味わっていただきたいところです。

いずれにせよ、ハイレゾウォークマンAシリーズを購入検討される場合は、最新モデルのA30シリーズ(NW-A35, NW-A36HNなど)の方が断然おすすめです。

 

ハイレゾウォークマンNW-WM1Aがおすすめな場合

SONY デジタルオーディオプレーヤー ウォークマン WM1シリーズ ブラック NW-WM1A B

ハイレゾ対応の携帯音楽プレーヤーとしてウォークマンを指名買いされる場合で、バランス接続対応のヘッドホンを既にお持ちまたはこれから購入予定の場合、バランス接続の性能をフルに発揮するためにはNW-WM1Aがおすすめです。

さらにお持ちのハイレゾ音源ライブラリーの中にDSDフォーマットの音源があるのであれば、バランス接続時に限られますが、PCM変換再生では無いDSDネイティブ再生が可能なので、さらにNW-WM1Aをフル活用することができ、新たな高音質の世界に足を踏み入れることができます。

ただし同価格帯の現行モデルNW-ZX2と比べ、Android OS採用中止等が影響してWiFi非対応・Androidアプリ非対応となり、こちら”音楽聴き放題サービスをオフラインでハイレゾ音質相当で聴く方法“の記事でも紹介させていただいている方法が使えなくなってしまいます。 音楽聴き放題サービスを活用されている方は、注意が必要です。

また、バッテリーの持ち時間を重視される方もNW-ZX2と比べてハイレゾ音源再生可能時間として、33→26時間と約20%短くなってしまってますので、こちらも注意が必要です。

以上より、バッテリー持ち時間や音楽聴き放題サービスの利用を気にされない方で、バランス接続対応のヘッドホンを準備される場合最新モデルのNW-WM1Aはおすすめモデルと言えます。

NW-WM1Aは買うべきかどうかについては、こちら”超高音質ハイレゾウォークマンWM1Aは買い?状況別おすすめ判断方法“の記事でも詳しく書かせていただいておりますので、もしよろしければ合わせてご参考にどうぞ。icon

 

ハイレゾウォークマンNW-WM1Zがおすすめな場合

SONY デジタルオーディオプレーヤー ウォークマン WM1シリーズ ゴールド NW-WM1Z N

ついにハイレゾウォークマン未踏の価格帯に踏み込んだモデルです。 実売価格はなんと34万円です。 とにかく、「いつでもどこでもできるだけ高音質でハイレゾ」という付加価値に非常に強い興味があり、かつ、ハイレゾ音源が再生できるウォークマンという観点では廉価モデルのAシリーズが10台以上買えてしまう価格にも動じず、ただただいい音のために比較的大きなお金を投資できる場合におすすめです。 ソフト・ハードの機能面は半額以下のモデルNW-WM1Aとほぼ同等です。

前章のハイレゾウォークマンNW-WM1Aがおすすめな場合に該当し、さらに2倍以上のお金を音質向上分に・・・たとえ音質向上代が自分の耳で少ししか感じられなくても・・・支払い可能な場合最新モデルのNW-WM1Zはおすすめモデルと言えます。

 

あえて現行ハイレゾウォークマンNW-ZX100がおすすめな場合

ソニー SONY ウォークマン ZXシリーズ 128GB NW-ZX100 : ハイレゾ対応 シルバー NW-ZX100 S

ここからは、あえて現行モデルまたは旧モデルがおすすめな場合について、書かせていただきます。

NW-ZX100の一番の特徴は、初代最高級ハイレゾウォークマンNW-ZX1に迫る高音質を実現しながらもNW-ZX1の弱点に対し、

  • メモリ容量拡張性→microSDカード追加で合計最大256GBまで対応
  • バッテリー駆動時間→未だにシリーズ最長のハイレゾ45時間再生

とその弱点を徹底的に改善したモデルです。

よって、ハイレゾウォークマンAシリーズの音質だと少し物足りなく、そうかと言って10万円以上もウォークマン単体に支払うならヘッドホンにもお金をかけたいと考える場合、NW-ZX100はまさに候補モデルとなります。

言い換えると、初代最高級ハイレゾウォークマンレベルの言わばハイレゾウォークマンラインナップの中でも高級モデル側の十分な高音質をヘッドホン代も含めて10万円以下で手に入れたい場合NW-ZX100は最もおすすめなモデルと言えます。

 

あえて旧型ハイレゾウォークマンNW-ZX2がおすすめな場合

実は、NW-ZX2もNW-ZX100にコンセプトが近く、初代最高級ハイレゾウォークマンNW-ZX1を遥かに超える高音質を実現しながら、さらにNW-ZX1の弱点に対し、

  • メモリ容量拡張性→microSDカード追加で合計最大256GBまで対応
  • バッテリー駆動時間→NW-ZX100に続いてシリーズ2番目に長いハイレゾ33時間再生

とその弱点を徹底的に改善したモデルです。

さらにNW-ZX100とは異なり、あくまで最高級モデルとして、Fシリーズ・ZX1から続くAndroid OSが採用されているのでWiFi・Androidアプリに対応し、こちら”音楽聴き放題サービスをオフラインでハイレゾ音質相当で聴く方法“の記事でも紹介させていただいている方法が使えます。

最新モデルのNW-WM1Aと本体価格が同価格帯であるため、NW-ZX2ユーザーのNW-WM1Aへの乗り換え検討も含めて、NW-WM1Aと非常に迷うとこではありますが、

  • 音楽聴き放題サービス等Wi-FiやAndroid環境を利用する
  • 手持ちのハイレゾ音源ライブラリーにDSD音源は少ない
  • 現在愛用中のヘッドホンをバランス接続対応に変更する計画まだ無い

という場合は、引き続きNW-ZX2が最もおすすめなモデルと言えます。

 

あえて旧型ハイレゾウォークマンNW-F885がおすすめな場合

こちらのモデルは旧型モデルとなるので、数少ない在庫品か中古での入手となります。 こちらのモデルはNW-ZX1同様、メモリ容量拡張性の低さとバッテリー駆動時間の短さという大きな弱点があるものの、現時点で最も安い価格でAndroid OSが採用されておりWiFiに対応しているモデルとなります。 よって、音楽聴き放題サービスを利用しており、最も安くハイレゾウォークマンを手に入れたい場合には、NW-F885, NW-F886, NW-F887のFシリーズが最もおすすめのハイレゾウォークマンです。

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