レクサス初のハイレゾ音源対応のカーオーディオシステムは、2017年、最高級クーペレクサスLC500/LC500hへの搭載から開始されました。
続いて最高級セダンレクサスLS500/LS500hにも搭載され、2019年時点では、ES300h、RC350/RC300h/RC300/RCF、NX300h/NX300、UX250h/UX200などにも搭載されています。
レクサスでハイレゾ音源を聴くには、このように一部のハイレゾ対応の新車を購入するしかないのでしょうか?・・・実はそうでもないのです。
ここでは「ハイレゾ音源対応」の真髄に迫り、LC500/LC500h・LS500/LS500hなど公式ハイレゾ対応車以外の既存レクサス車も含めハイレゾ対応だろうがハイレゾ非対応だろうが、車内でハイレゾ音源を聴く全ての方法を紹介させていただきます。 さらにその中から最もおすすめの方法を提案させていただきます。
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レクサス新モデルのハイレゾ対応とは
レクサスLC500/LC500h・LS500/LS500h等の新モデルでの「ハイレゾ音源対応」とは、具体的にどうハイレゾ対応しているという意味なのでしょうか?
実は、「ハイレゾ音源対応」=(イコール)「実際にハイレゾ音源が聴ける」ではないのです。
レクサス公式サイトやレクサスLC500/LC500h・LS500/LS500hのカタログには、以下のように記載されています。
音の情報量がCDを上回るハイレゾ音源に対応。
Blu-rayディスクプレーヤーやmicroSDカードスロットも搭載し、高画質・高音質の映像、パソコン・オーディオ機器でmicroSDカードに保存した音楽データを再生できます。
また、USB入力端子を2基設定し、携帯音楽プレーヤーを使用しながら携帯電話の充電も可能です。
さらに、対応フォーマットや具体的な入力方法については、
ハイレゾ音源(WAV/FLAC/ALAC/OGG Vorbis)に対応し、USBメモリー、microSDから再生可能。
と記載されています。 これは、ハイレゾフォーマットの音楽データが記録されているUSBメモリー、microSDを車の入力スロットに挿入すればハイレゾ音源が聴けるということを意味しています。
しかし、レクサスのオーディオシステムにはUSBメモリー端子・microSDスロット以外にもアナログAUX入力端子がほとんどの車に設定されています。 このAUX端子にハイレゾ音源のアナログ音楽信号を入力してもハイレゾ音源を聴くことはできてしまうのです。
つまり、ここでいうせまい意味での「ハイレゾ音源対応」とは、
- ハイレゾフォーマットの音楽データのデジタル入力対応
- 装備されている機器以外は組み合わせない状態でのハイレゾ再生対応
の2つを意味しており、もっと広い意味での
- ハイレゾフォーマットの音楽データのアナログAUX入力対応
- ハイレゾウォークマン等の他機器を組み合わせた状態でのハイレゾ再生対応
は含まれていないことになります。
何が言いたいかと言うと、「ハイレゾ音源対応」ではない「ハイレゾ音源非対応」のカーオーディオであっても、ハイレゾ音源を聴ける可能性はあるということです。
ちなみにレクサスLC500/LC500h・LS500/LS500hには、標準設定のレクサスプレミアムサウンドシステムに加え、約20万円の追加オプションであるマークレビンソンリファレンスサラウンドサウンドシステムが設定されていますが、どちらも同じようにハイレゾ音源対応となっています。
カーオーディオがハイレゾ音源非対応だとハイレゾ音源が聴けないのか?
結論から言うと、カーオーディオがハイレゾ音源非対応でもAUX入力端子が設定されていれば、ハイレゾウォークマン等の他の再生機器を組み合わせることでハイレゾ音源を聴くことはできます。
詳細は後ほど説明させていただきますが、上図の通り、カーオーディオがハイレゾ非対応でハイレゾ再生できない場合でも、ハイレゾ対応スマホやハイレゾウォークマン等のハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーを用意することで、ハイレゾ音源を車内で聴くことができてしまうのです。
ハイレゾ対応/非対応カーオーディオでハイレゾを聴く全方法
ハイレゾ対応/非対応に限らず、レクサス車に搭載されているカーオーディオシステムでハイレゾ音源を聴く全ての方法を以下一覧にまとめました。
先に結論を書かせていただきますと、
- カーオーディオ本体がハイレゾ対応の場合 → USBメモリー接続
- カーオーディオ本体がハイレゾ非対応の場合 → AUX接続
が最もおすすめです。
音楽ソース 接続方法 |
高音質 再現性 |
音楽 ライブラリ管理 |
事前準備・ 接続設定 |
操作性・ 快適性 |
連続使用 可能時間 |
総合 判定 |
---|---|---|---|---|---|---|
USB メモリー 接続 |
◎ 1,411 kbps 以上 |
△ USB メモリーに 車用の ハイレゾ音楽 ライブラリを 個別作成必要 |
△ パソコンで 事前に USB メモリーへ 曲入れ作業 必要 + 暗めの車内で 極小メディア 挿入作業は つらい |
○ | ○ | ◎ |
microSD カード |
◎ 1,411 kbps 以上 |
△ SDカードに 車用の ハイレゾ音楽 ライブラリを 個別作成必要 |
△ パソコンで 事前に SDカードへ 曲入れ作業 必要 + 暗めの車内で 極小メディア 挿入作業は つらい |
○ | ○ | ○ |
AUX接続 | ○ 1,411 kbps 以上 (A/D 変換 1回 追加) |
○ ハイレゾ 対応スマホ・ ハイレゾ ウォークマン 等で 一元管理可能 |
◎ 挿すだけ |
△ 音量調整 以外の 選曲等の 操作は 車側から は不可能 |
△ 接続機器 の電源 (充電) が必要 |
○ |
Bluetooth (A2DP) 接続 |
× 約200 kbps 以下 |
○ ハイレゾ 対応スマホ・ ハイレゾ ウォークマン 等で 一元管理可能 |
△ 初期設定 (Bluetooth ペアリング) がめんどくさい |
○ | △ 接続機器 の電源 (充電) が必要 |
× |
次章からは各接続方法について、詳しく書かせていただきます。
USBメモリー接続/SDカード入力でハイレゾを聴く方法(ハイレゾ対応システムのみ)
まずは、USBメモリー接続またはSDカード入力で車内でハイレゾを聴く方法です。
USBメモリーにしろSDカードにしろ、ハイレゾ音源である音楽データをデジタル信号のまま直接カーオーディオシステムに入力することには変わりないので、接続イメージ図としては、上図の通りとなります。
この方法のメリットは、
- ハイレゾ音源データを極力劣化無く入力でき高音質が期待可能(最小限の音質劣化)
- 車側で全ての操作が可能(ハンドル上スイッチでの操作・メーター表示など最大限車のHMIが活用可)
です。
逆にデメリットは、
- ハイレゾ対応のカーオーディオシステムが必須
- 車専用の音楽ライブラリ作成が必要(事前にSDカード・USBメモリーへデータコピー要)
です。
頻繁に音楽ライブラリを更新しないのであれば大きな影響はありませんが、例えば新しい曲を追加したい時、車用のUSBメモリ・パソコン内の音楽ライブラリ・普段持ち歩いているスマホ等の中の音楽ライブラリの全てをそれぞれ個別に更新する必要があり、多少のめんどくささはあります。
ちなみに、レクサスLC500/LC500hのmicroSDスロットは上図の赤丸部分にあります。
私もレクサスディーラーの試乗車でmicroSDカードの出し入れを何度か行いましたが、ちょうど陰になってスロット部は少し暗く、もしも頻繁にmicroSDカードを出し入れするとしたら少しやりにくい印象でした。 このあたりは最上級クーペなのでデザイン優先なのでしょう(笑)。
レクサスLC500/LC500hの場合、USB端子は上図の赤丸部分のひじ置きコンソールの中に設置されています。 ここならコンソールのフタを開ければ日中はそこそこ明るく夜間でもガイドとなる照明が設定されています。 よってUSBメモリーの抜きさし作業も快適なので、USB端子の方がmicroSDよりも使い勝手がよいと考えました。
AUX接続でハイレゾを聴く方法(ハイレゾ対応・非対応システム両対応)
次に、AUX接続で車内でハイレゾを聴く方法です。 接続イメージ図は、上図の通りとなります。
左側に記載したハイレゾ対応スマホやハイレゾウォークマン等のハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーさえ準備すれば、カーオーディオシステムはハイレゾ対応でもハイレゾ非対応でも、どちらでもOKです。
この方法のメリットは、
- 1度のA/D変換以外ハイレゾ音源データを極力劣化無く入力でき高音質が期待可能(最小限の音質劣化)
- 共通の音楽ライブラリを車でも利用可能(車内以外でもスマホ・ポータブル音楽プレイヤーは共通利用可能)
です。
逆にデメリットは、
- 車側での操作が限定(音量調整以外の選曲等の操作はポータブル機器側のみで可能)
- スマホ・ポータブル音楽プレイヤー等接続機器の電源(充電)確保が必要
です。
レクサスLC500/LC500h・LS500/LS500h等以外の「ハイレゾ音源非対応」のレクサス車であっても(正確にはレクサス車に限らず)AUX端子さえ装備されていれば、ハイレゾ対応スマホやハイレゾウォークマン等のハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーさえ準備すれば、ハイレゾ音源を車内で楽しむことができるのです。
ちなみに、レクサスLC500/LC500hの場合、AUX端子は先ほどのUSB端子のすぐ横(ひじ置きコンソールの中の上図の赤丸部分)に設置されています。
Bluetoothでハイレゾを聴く方法(ハイレゾ対応・非対応システム両対応)
最後に、Bluetooth(ブルートゥース)接続を利用して車内でハイレゾを聴く方法です。 接続イメージ図は、上図の通りとなります。
このBluetooth接続を利用した方法では、先ほどのAUX接続を利用した方法と同様、ハイレゾ対応スマホやハイレゾウォークマン等のハイレゾ対応ポータブル音楽プレイヤーさえ準備すれば、カーオーディオシステムはハイレゾ対応でもハイレゾ非対応でも、ハイレゾ音源を車内で楽しむことができます。
しかし、先に結論から書かせていただきますと、この方法は音質という観点ではおすすめできません。 ハイレゾ音源のメリットであるCD以上の音質(ビットレートで表現すると1,411kbps以上)が、Bluetooth(A2DP)による無線伝送時に圧縮音源相当(約200kbp以下)まで劣化してしまうからです。
正直、mp3やAAC等の圧縮音源を再生するのと何ら変わらないレベルにまで音質が低下してしまうのです。 現在Bluetooth接続で音楽データを無線伝送する際の主流規格A2DPを利用する限り、Bluetooth接続の利用はmp3やAAC等の圧縮音源を聴く場合のみにとどめておくのが無難です。
ちなみにBluetooth接続を利用しながらもちょっとした工夫をすることで、音質を犠牲にしない方法をこちら”こんな方法があったのか!音質を犠牲にしないBluetooth活用方法“の記事にまとめましたので、Bluetooth接続の便利さをどうしても活用したい方はご参考にどうぞ。