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ハイレゾウォークマン/スマホの高音質Bluetooth/LDAC接続の注意点

公開日: : 最終更新日:2016/11/27 ハイレゾ

Bluetooth接続を使って音楽を聴く場合、線(ケーブル)が不要なのでとても便利なのですが、”音質が悪くなる“と一般的には言われています。

確かにBluetoothがまだメジャーではなかった数年前までは”音質が悪くなる”方法しか無かったのですが、現在では“Bluetooth音楽伝送時の音質の悪さ”を解決する方式がいくつか出始め、ソニーのハイレゾウォークマンなど対応機器も増え始めています。

ハイレゾウォークマン・スマホでBluetooth接続イメージ

ここでは、Bluetooth対応イヤホン・ヘッドホンやBluetooth対応スピーカーなどBluetoothを使って音楽を聴く場合に、通常より高音質で聴くことができるLDAC(ソニーのウォークマンなどに搭載されているより高音質なBluetooth音楽伝送時の技術)などを使用するときの注意点について、私KYOが実体験から感じたことを書かせていただきます。

なぜBluetooth接続の音楽伝送は音質が悪いのか

Bluetooth接続を行う際、ハンズフリー通話(電話)の利用等であれば十分な音質が確保できるのですが、音楽再生だと多くの場合、音質が悪くなってしまいます。 実際、Bluetoothによる無線接続とケーブルを使用したAUX有線接続とで音質比較いただければ一目瞭然ならぬ一聴瞭然ですが、明らかに音質が低下し、立体感・臨場感の失われた平面的な音像かつ高音の伸びも抑えられた残念な音質になってしまいます。

音楽伝送を行うためのA2DPと呼ばれるプロファイルには音楽データを無線で送受信する場合のデータ圧縮方法が規定されています。 圧縮方法としてA2DPで標準規定されているSBC(Sub Band Codec)は、規定当時の前提でのハードウェア負荷の軽減等の理由によりかなり音質を犠牲にする仕様となってしまっているのです。

音質を決定づける1つの指標としてビットレートを使い、代表的な音源フォーマットを一覧に整理すると、

  • FMラジオ:約96kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源をBluetooth A2DP(SBC)接続事実上64~約200kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源を記録したメディア:事実上64~320kbps
  • CD(-DA):1,411kbps

となります。 数字が大きい方が1秒あたりのデータ量が多いため、より高音質であると考えます。 Bluetooth A2DP(SBC)接続では最も通信状態がよい場合ですら約200kbpsです。 通信状態が悪ければなんと64kbps相当までデータ転送量が低下し、FMラジオや昔の電話の音質のレベル以下となってしまいす。

例えば1,411kbpsのデータ量のCD音質データや256kbps程度のデータ量のmp3/AAC等の音楽データをBluetooth A2DP(SBC)接続で伝送する場合にBluetoothでの無線接続部分がボトルネックとなり音質が低下してしまうのです。

 

Bluetooth接続音楽伝送時の音質を改善するLDAC

上に書かせていただいたとおり、Bluetooth接続による音楽再生は利便性は高いものの音質が残念というのが一般論ですが、実はこのBluetooth接続時の音質低下を解決する方法があります。 それは、BluetoothのA2DPプロファイル標準対応のSBCの代わりにAAC, apt-x, LDACなどBluetooth A2DP非標準の後発高音質コーデックを利用するというものです。

実は現在ではBluetooth A2DPの標準規格には含まれていませんが、AAC, apt-x, LDACなどSBC(Sub Band Codec)に代わる高音質を維持できる新しいコーデックが登場しています。 特にSONYが提唱するLDACはハイレゾ音源の転送にも耐えうる仕様となっています。 先ほど同様にビットレートを使って音源フォーマットを一覧に整理すると、

  • mp3/AACなどの圧縮音源をBluetooth A2DP(SBC)接続事実上64~約200kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源を記録したメディア:事実上64~320kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源をBluetooth A2DP(AAC)接続事実上64~320kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源をBluetooth A2DP(apt-X)接続最大352kbps
  • mp3/AACなどの圧縮音源~FLAC/ALAC/DSDなどのハイレゾ音源をBluetooth A2DP(LDAC)接続最大990kbps
  • CD(-DA):1,411kbps
  • FLAC/ALAC/DSDなどのハイレゾ音源が記録されたメディア:事実上1,411kbps以上

となります、SBCの代わりにAAC, apt-x, LDACを使用することで、ようやく元音源同等以上のビットレートが確保でき、無線化による音質劣化を最小限におさえることができるのです。

ちなみに、イヤホンジャックが廃止されBluetooth接続への依存度が高くなったiPhone7は現状AACには対応していますが、apt-x, LDACには非対応です。 また残念ながら、AAC, apt-x, LDACに共通して言えることは、A2DPの標準規格でないことや出始めであることもあり、現在はまだ対応機器が少ないということです。

Bluetooth LDAC対応ヘッドホン・イヤホン

とは言え、ハイレゾウォークマンや最近のXperiaなどソニー製のハイレゾ対応スマホは、ほぼ全てLDACに対応していますし、ソニー製のハイレゾ対応Bluetoothスピーカー・ハイレゾ対応Bluetoothヘッドホン・イヤホンもほぼ全てLDAC対応済です。

 

Bluetooth接続時の高音質コーデックLDAC使用時の注意点

それでは本題のBluetooth A2DP接続時の高音質コーデックLDAC使用時の注意点について書いていきたいと思います。

 

高音質コーデックLDAC使用時の注意点概要

大きく分類すると、Bluetooth LDAC接続時の注意点は、以下3点です。

  • 接続機器が両方とLDAC対応している必要あり
  • WiFiなどBluetooth以外の無線接続環境・電波干渉に注意
  • Bluetooth接続設定を再確認

それでは、1項目ずつ詳細をみていきます。

 

接続機器が両方ともLDAC対応している必要あり

最近のハイレゾ対応ソニー製品であれば、ほぼ全てLDAC対応済ですが、少し古い機器やソニー以外の機器は現状LDAC対応していません。 つまり、ポータブル機器市場全体でみるとまだLDAC対応製品は少ないということになります。

ここで大切なことは、LDACを使った音楽伝送のBluetooth接続を行うには、例えば音楽を再生するウォークマンと音を出すスピーカーやヘッドホン両方がお互いにLDAC対応している必要があるということです。

LDACとはコーデックつまりデータの圧縮や暗号化の技術ですので、Bluetoothとして無線で音楽データを送る際にデータを送る側(ウォークマンなど)とデータを受け取る側(スピーカーやヘッドホンなど)の両方がデータの圧縮・展開(暗号化・復号化)ができないとデータ授受が成立しないのです。

 

WiFiなどBluetooth以外の無線接続環境・電波干渉に注意

LDACは高音質な音楽データをやりとりする分、データ量としては大きくなります。

よって、一般的なBluetooth通信の中では特に大容量の無線データ送受信となるので、通常のBluetooth通信よりも無線接続環境・電波干渉などに注意が必要がでてきます。 とは言え、電波は目には見えませんので(笑)、具体的に何に気をつけるか分かりにくいかもしれません。

ここでは、無線通信の規格に基づいた理論と私KYOの実体験から注意点をあげさせていただきます。

 

WiFiアンテナや使用中の電子レンジの近くではなるべく使用しない

WiFi、いやゆるIEEE802.11規格の無線LANでは一部、Bluetoothと同じ無線周波数である2.4GHz帯が使用されています。

また、家庭用の電子レンジ使用中に電子レンジ内から漏れ出す電波の周波数も2.4GHz帯です。

電波は周囲の空間に自由に広がるため、同じ周波数の電波が複数存在すると、その電波に乗せられている信号どうしの干渉を引き起こしてしまいます。 特にBluetoothは接続推奨距離が10mと、同じ2.4GHz帯の無線通信の中でも、より弱い電波を使用しているため、特にWiFiや電子レンジに対する電波干渉に弱いです。

よって、2.4GHz帯の電波干渉をより受けやすいWiFiアンテナ(基地局だけでなく、パソコン・タブレットも含む)や使用中の電子レンジからは離れた場所での使用がおすすめです。

 

WiFi同時利用時はIEEE802.11g/nではなく、IEEE802.11a/acで接続する

こちらも先ほど同様、同一無線周波数帯での干渉の話です。 現状主流となっているWiFiの各規格の周波数帯は以下の通りです。

  • IEEE802.11a:5GHz帯のみ
  • IEEE802.11ac:5GHz帯のみ
  • IEEE802.11n:5GHz帯と2.4GHz帯両方
  • IEEE802.11g:2.4GHz帯のみ

よって、2.4GHz帯を使用するBluetoothとはかぶらないIEEE802.11aやIEEE802.11acの使用がおすすめです。 WiFi基地局の設定によりますが、以下の例のようにSSIDにIEEE802.11規格末尾のアルファベットが記載されている場合、比較的選択しやすいです。

Bluetooth電波干渉回避Wi-Fi設定画面

実際のケースとしては、以下2つのケースが考えられます。

  • WiFi対応のハイレゾウォークマン/スマホでWiFi経由でインターネットしながらBluetoothヘッドホンやBlutoothスピーカーで音楽試聴
  • WiFi対応のハイレゾウォークマン/スマホで音楽聴き放題サービスをWiFi経由でストリーミング再生でBluetoothヘッドホンやBlutoothスピーカーで音楽試聴

上記ケースでは、ハイレゾウォークマンなど再生機器側ではWiFiとBluetoothを同時利用することになりますので、特に電波干渉が発生しやすくなります。 再生機器側のWiFi設定画面内で、あえて自分からIEEE802.11aやIEEE802.11acを選択することで、強制的に5GHz帯の無線通信帯域を選択・使用することができ、Bluetoothで使用されている2.4GHz帯の帯域と距離を取り、電波干渉を避けます。

 

Bluetooth接続設定を再確認

Bluetooth LDAC優先設定画面

ハイレゾウォークマンのBluetooth設定メニューの中には、機種にもよりますが、”ワイヤレス再生モード”という項目があり、

  • LDAC優先設定
  • SBC固定設定

を選ぶことができます。 せっかくなのでここは“LDAC優先設定”を選択されるのがおすすめです。 もちろんあくまで”優先”ですので、接続相手機器がLDAC対応していない場合は、”LDAC優先設定”を選択していてもSBCで接続されBluetooth接続不能になることはないので安心下さい。

Bluetooth LDAC 音質優先設定画面

さらに”ワイヤレス再生品質”という項目があり、

  • 音質優先
  • 標準
  • 接続優先

を選択することができます。

Bluetooth LDAC 音質優先モード説明図

こちらは、前の項目で書かせていただいた無線接続環境とのトレードオフとなりますが、無線接続環境を良好に保つことを前提として、せっかくLDACを使うなら“音質優先設定”を選択されるのがおすすめです。

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    職業:カーオーディオの設計開発
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