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YouTube等と比べて今でもCDが最強の音楽メディアである3つの理由

公開日: : 最終更新日:2017/07/13 音楽メディア

日本レコード協会の発表によると、音楽CDの生産枚数は年々減少し、ピークの1997年には年間4.5億枚規模だったのに対し、2016年には年間1.5億枚規模約1/3にまで市場が縮小しています。 さらに日本レコード協会の調査によると、音楽を聴く手段として現状最も多いのが、YouTube(42.7%)、続いて音楽CD(38.4%)と、もはや音楽CDは音楽を聴く手段の第1位をYouTubeに明け渡しています。

ってことは今後は、YouTubeや、今はやりの音楽聴き放題サービス・音楽配信(ダウンロード)サービスが最強の音楽メディアとなっていくのでしょうか?

私の考えは、少なくもとまだ何年かは絶対「No!!」です。

「え!?まだCDなんて買ってるの?」なんてことを言う方もいると思います。 しかしまだ現段階では、CDを買ったりレンタルしたりするのが、実は長い目で見た場合に間違いなく正解であると私は考えています。

YouTube、CD等の音楽メディアのイメージ

ここでは、実は今でも最強の音楽メディアと考えられるCDについて、その最強である理由を冷静に整理していきます。

「そろそろCDから他の音楽メディアに乗り変えようかな」などと考えている方は、特に参考になるかと思います。

CDが最強の音楽メディアである3つの理由

音楽CDが実はYouTubeにも負けない最強の音楽メディアである理由は、

  • 1.音楽タイトルの圧倒的な網羅性
  • 2.高音質とちょうどよいメディア容量のバランス性
  • 3.誰でも簡単に使える汎用性(パソコン・スマホが使えなくてもOK

の3つです。

ちなみに、「まだCDなんて買ってるの?」と言う人の背景にある考えは、

「YouTubeなら簡単・便利にしかも無料で聴けるのに?」

「音楽聴き放題サービスに登録すれば月\1,000程度で何万曲も聴き放題なの知らないの?」

などと考えられます。

よって、YouTubeや、音楽聴き放題サービス、音楽配信(ダウンロード)サービスそれぞれの特徴とも比較しながら、CDが最強である理由について考えていきます。

 

音楽タイトルの圧倒的な網羅性

実は、音楽タイトルの網羅性こそがCDが圧倒的に最強といえる一番の理由です。

  • YouTube・音楽聴き放題・音楽配信サービスでしか聴けない
  • CDでしか聴けない

の2つは、どちらが多いのでしょうか?

単純な曲の数としては、例えばYouTubeであれば世界中の誰もが自作曲でもカバー曲のオリジナルバージョンでも何でもアップロードできるので、増え続けていくと予想されます。 しかし、この世に存在する曲の中で、より多くのユーザーが視聴対象とするクオリティーが高くてそこそこメジャーな曲に対しては、CDでしか聴けない曲のほうが多いのです。

YouTubeの場合、いたちごっこで消され続ける違法アップロードを除けば、音楽販売側の宣伝戦略も兼ねて一部の代表曲のPVなどが公開されています。 これら合法的なものの範囲内では代表曲以外も含めたCDアルバム収録曲全てがYouTube上にアップロードされているケースはほとんどありません。

また、音楽聴き放題・音楽配信サービスの場合、様々なサービスが乱立していますが、基本的に配信の権利は各配信サービス会社と各レーベル・レコード会社との契約・交渉によって決まっています。 よって、各配信サービス会社ごとの契約の違いによって生まれる配信カバー曲の差は避けられません。 現状、全てのレーベル・レコード会社と契約して世の中の全曲が網羅できている理想的とも言える音楽聴き放題・音楽配信サービス存在しないのです

これは、音楽聴き放題・音楽配信サービスの運営会社と各レーベル・レコード会社が別の会社である以上、避けられない問題です。 一方、CDであれば各レーベル・レコード会社自身がCDとして各々発売するため、CDという共通のフォーマットとしての網羅性は非常に高いものとなります。

ちなみに、世界最大の音楽配信サービスと考えられるiTunes Store、世界最大の音楽聴き放題サービスと考えられるGoogle Play Music、AmazonでのCD取扱枚数を比較するとおよそ以下の通りとなります。

  • iTunes Storeの販売曲数:約4,000万曲
  • Google Play Musicの対応曲数:約3,500万曲
  • Amazon JapanでのCD取扱枚数:約4,500万曲※
    ※約4,500万曲 = 約366万枚 x 12曲/CDアルバム1枚 + 約37万枚 x 2曲/CDシングル1枚

Amazonで販売される音楽CDのタイトル数

音楽聴き放題・音楽配信サービスの対象曲数もだいぶ増えてきていますが、レーベル・レコード会社と契約の壁が存在する以上、CDの曲数同等に迫るのはまだ時間がかかると考えています。

 

高音質とちょうどよいメディア容量のバランス性

音質を決定づける1つの指標として、1秒間に得られる情報量に注目しビットレートを使ってみます。 代表的な音源フォーマットを一覧に整理すると、

  • FMラジオ:約96kbps
  • MD(ATRAC):292kbps (MDLP 2倍モード:146kbps)
  • mp3/AACなどの圧縮音源:64~320kbps
  • YouTube推奨音声ビットレート:384kbps
  • CD(-DA):1,411kbps
  • FLAC/DSDなどのハイレゾ音源:2,116~9,212kbps以上

となります。 ここでは、数字が大きい方が1秒あたりに耳に届く情報量が多いため、より音質がよいと考えます。

iTunes Storeやmora等の代表的な音楽配信サービスで採用されている圧縮音源フォーマットはAACであり、ビットレートは256~320kbpsが主流です。 また、Google Play MusicやApple Music等の音楽聴き放題サービスでも同様に最大ビットレートは256~320kbpsが主流、YouTubeもほぼ同様に推奨フォーマットAACでの推奨ビットレートが384kbpsです。 こちらはストリーミングサービスなので、通信状況によっては(電波が悪いと)最大ビットレートよりも低いレートで受信することになります。

同じ圧縮音源ということで、音楽配信サービスや音楽聴き放題サービス・YouTubeは、従来のmp3同等の音質と考えていただいてもよいと思います。

これに対してCDは、1,411kbpsなのでハイレゾ音源の配信サービスを除けば現状で最高音質のメディアと言えます。 またCDは、音楽配信サービスや音楽聴き放題サービスで採用されている圧縮音源とを比べると、ビットレート換算で3倍以上もの情報量の差を持つ高音質メディアとも言えます。 昔からあるので少し古い印象もあるCDですが、実は今でも高音質というポテンシャルを持った最強の音楽メディアだったのです。

ちなみに、現在の通信ネットワーク環境・ストレージメディア環境を考えると、わざわざ圧縮音源を採用してファイル容量を小さくする必要性は低いとも考えられます。 実際、大容量ファイルの取り扱いが必要なハイレゾ音源配信サービスも広がってきています。

例えば、パソコン用やテレビ用の外付けハードディスクでサイズが”1[TB(テラバイト)]”のものは5,000~10,000円程度で買えます。 これは圧縮せずにCDが約1500枚分も入ってしまう容量です。

ハイレゾ音源のデータ容量ならまだしも、CD音源のデータ容量(圧縮無し)は現在においては、決して大きすぎるなんてことは無いのです。

 

圧縮音源の流通拡大について

ここで素朴な疑問も持たれる方もいらっしゃると思います。

「YouTubeや音楽聴き放題のストリーミングならまだしも、音楽配信サービスまで、なぜいまだに圧縮音源が利用されているのか?」

これは、音楽業界の大人の事情と考えられますが、主に以下2つの理由と推測されます。

  • 低価格化が進む音楽配信・聴き放題サービスに対し、CD音源の販売(レーベル・レコード会社の収益が高い)を維持するため
  • 劣化無しでコピー可能なデジタルメディア特有の課題に対し、オリジナルのCD音源の音質優位性(差別化)を維持するため

圧縮・非圧縮(=低音質・高音質)の差別化により、CDには高音質という付加価値を残しています。

今の時代、CDですらコピー・バックアップが簡単にできてしまいますが、音源配信サービスで取り扱うファイル単体と比べると、専用CDドライブでのリッピング作業等が必要なので、少しの手間はかかります。 この少しの手間がほぼ劣化無しのコピーが可能なデジタルコピーの抑制につながっているのです。

つまり、技術的には圧縮する必要性は低いものの、結果として音質が下がる圧縮音源を利用し続けることで、少しコピーのしにくいCDというメディア形態とセットで最高音質を提供し、CD販売を維持していると考えられます。

正直なところ実は私も圧縮音源での音楽聴き放題サービスを利用しておりますが、曲探しのための試し聴きがメインになっています。

今まで過去からCDで聴いてきた音質に対し、時代と共に技術が進歩しているにも関わらず、音質悪化する(=ユーザー体験が悪化する)選択肢を受け入れたく無いからです。 「少し音質が悪くなるだけだし。リスニング環境や曲によっては分かりにくいのでは?」といった見方もありますが、私にとっては生活レベルが下がる(笑)感覚です。。。

ちなみに、ハイレゾ音源の配信サービスでは、CDより高音質なデータがコピーしやすいデータ単体で販売されていますが、実はCDよりも高い価格で販売されています。 ここでは、明確に高音質を付加価値としているので、配信サービスのように価格競争にさらされる環境にはまだなっていないと考えられます。

 

誰でも簡単に使える汎用性(パソコン・スマホが使えなくてもOK)

最後3つ目のCDのメリットは非常に単純ですが、人によっては決定的な項目になります。

CDなら、「パソコン・スマホが使えなくてもOK」なんです。

YouTubeや、音楽聴き放題サービス、音楽配信(ダウンロード)サービスは、「パソコン・スマホが使えなければ利用できない」のです。

当然のことのように思われる方もいると思いますが、とても重要なことです。

日本ではこれからどんどん高齢化社会が加速します。 音楽に対する強い興味・需要は若い世代の方が大きい場合もありますが、余暇を楽しむ多くの時間と資産を持つ高齢世代は音楽マーケット・需要の中で大きな位置を占めます。

個人的な話ですが、私の親はパソコンは使ってますが、正直、インターネットブラウザとオフィスソフト利用がメインです。 YouTubeならまだしも数多く乱立する音楽聴き放題サービス、音楽配信(ダウンロード)サービスから自分に合ったサービスを選択し、クレジットカード等でオンライン決済し、パソコンの中で音楽ライブラリ管理なんてことまで行うのは、非常にハードルが高い気がします。 携帯電話もスマホではなくガラケーです。

音楽視聴ユーザー全世代を考慮すると、実はCDは「誰でも簡単に使える」という隠れたメリットがあるのです。

 

メディアとしての音楽CDのデメリット

ここまで、音楽CDならではの様々なメリットについて書いてきましたが、当然デメリットが無いわけではありません。

デメリットについても確認していきます。 大きく分けて以下4つあると考えています。

  • ダウンロード購入・ストリーミングサービスと比較して1曲単位の購入ができない場合がある
  • ダウンロード購入・ストリーミングサービスと比較して即時性が無い(店に買いに行く手間 or 注文後配送待ち時間あり)
  • CDドライブ(プレーヤー)減ってきている
  • ディスクの出し入れ・持ち運びがめんどくさい

 

YouTubeや、音楽聴き放題・音楽配信(ダウンロード)サービスならではメリットとは

「YouTubeなら簡単・便利にしかも無料で聴けるのに?」

「音楽聴き放題サービスに登録すれば月\1,000程度で何万曲も聴き放題なの知らないの?」

という意見もあるように、YouTubeや、音楽聴き放題サービス、音楽配信(ダウンロード)サービスならではのメリットは確かに存在します。

音楽配信サービスなら欲しい曲が

  • 1.効率よく検索できて
  • 2.過去の検索履歴等から自分好みの曲をシステムが自動でおすすめしてくれて
  • 3.試聴できて
  • 4.多くの場合1曲単位
  • 5.その場ですぐに購入できたりすぐにフルコーラス聴けたり

等のメリットもあります。 確かに非常に便利です。

しかし、上記のようなメリットはYouTubeや音楽配信サービスに限ったものではなく、eコマース市場と言われるインターネットショッピング市場そのものの進化や商品をおすすめしてくれる人工知能(AI)の進化によるものであり、インターネット上でのCD販売にもあてはまります。 実は、AmazonでCDを購入する場合でも上記の1~3までは既に可能なのです。

よって、

  • 1曲単位の購入ができない場合が多い
  • 家で欲しいと思った瞬間にフルコーラス聴くことはできない(店に買いに行く手間 or 注文後配送の待ち時間あり)

の2点に関しては、音楽配信サービスに対するCDのデメリットと言えます。

 

CDドライブ(プレーヤー)の減少

実は、世の中からCDドライブ(プレーヤー)が減ってきています。

特にCDドライブの廃止が早いと私が感じるのが、ノートパソコンとカーオーディオです。

特に薄型のノートパソコンではCDスロットが廃止されるケースが多いです。 私の個人的な例で恐縮ですが、普段3台の薄型のノートPCを使い分けています。 3台中でCDドライブが装備されているのは2台です。 下図左側の黒いノートPCにはCDドライブが装備されていません。

ノートPCのCDドライブ

よって、もしもリッピング等で音楽CDを利用しようとした場合、このようなCDドライブが無いパソコンでは、外付けのCDドライブを用意するかネットワーク上の他のPCのドライブを利用するしかありません。 ノートPCを選ぶときには、薄さ・軽さと引き換えに本当にCDドライブが無くてよいか確認してから購入されるのがおすすめです。 私のように何台も同時に使うのなら何とでもなりますが、1台のパソコンを集中的に使う場合、CDドライブの装備有無は慎重な判断が必要です。

また、海外では日本よりCD離れが進んでいる地域もあり、カーオーディオの世界で既にCDドライブ無し仕様のカーオーディオも登場しています。

下の写真はトヨタCH-Rのオーディオ部分ですが、左側の海外市場向け左ハンドル車の場合、オーディオ・ナビディスプレイが薄っぺらくてCDドライブは内蔵されていません。 右側の日本市場向け右ハンドル車の場合、薄っぺらく見えるオーディオ・ナビディスプレイですが実は矢印部分にカバーが付いており、奥行きのあるCDドライブ内蔵スペースが確保されています。

CH-RのカーオーディオのCDスロット

よって、CDを聴こうにも、CDドライブが無ければ聴くことができないので注意が必要です。

 

CDディスクの出し入れ・持ち運びのめんどくささ

その昔、CDチェンジャーなるものがカーオーディオの世界には存在してました。 実は、10年以上前に発売された私の愛車2006年式IS250にはCDチェンジャー(正確には6連装DVDチェンジャー)が装備されています(笑)。 ちゃんとたまには使っています。

スマホでしか音楽を聴いたことがない世代には、チェンジャーなど骨董品級の装備かもしれませんが、まとめて6枚分入れておけばよいのでディスクの出し入れ作業が少し楽になります。

やはり、CDディスクの出し入れ作業・持ち運びはめんどくさいものなのです。 また、走行中のドライバーが出し入れ作業を行うのは、安全上も大きな問題があります。

 

CDの非圧縮・可逆圧縮データ化によるライブラリ管理

ここで、以下2つの問題に関しては、音楽CDメディアは購入・利用するもののパソコン等を経由して、WAV・FLACなどの非圧縮・可逆圧縮フォーマットでデータ化し、ライブラリ管理することで、解決することができます。

  • CDドライブ(プレーヤー)が減ってきている
  • ディスクの出し入れ・持ち運びがめんどくさい

実際、私KYOは今でもCDを購入しますが、購入したCDは全てパソコン経由でFLAC形式でデータとして取り込み、具体的にはウォークマンの中に入れることでCDの高音質を維持しながら、100枚以上のアルバムデータを車や好きな場所に持ち歩いています。

購入時はCDを選びながらも、データ管理を工夫することで、CDのデメリットを解決することができるのです。

 

こちら”その方法で大丈夫!?将来後悔しないレンタル/購入CDのコピー・取り込み方法“の記事で、CDをコピー・データ取り込みする様々な方法を整理してみました。 もしよければ、合わせてご参考にどうぞ。

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  • 名前:KYO(30代後半・理系)
    職業:カーオーディオの設計開発
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