カーオーディオが高音質な音がいい車を見分ける試乗/試聴方法6つのコツ

新車・中古車に関わらず、車を購入検討する場合に“試乗”されたことがある方は多いのではないでしょうか? きっかけは店員に勧められてという場合もあるかもしれませんが、試乗したという事実は事実です。

しかし、私も含めてそうなのですが、限られた試乗時間・試乗コースでは「なんとなく」その車の走りが分かったような気がするのが精一杯な気がします。 逆に走りに対して絶対的なこだわりがあって車選びで走りに一切妥協できない方は、短時間の試乗ではなく高速道路だの山のワインディング路だの徹底的に試乗されるのかもしれません。

ここで、同じ「なんとなく」試乗されるのであれば、同時にオーディオの音も「なんとなく」試聴されてはいかがでしょうか? オーディオの音には少しこだわりたいけど、走りとは違って「音は買ってからのお楽しみ」では、非常にもったいないです。

クルマとの付き合いは通常長いので、例えば、今乗っている車と比べて想像以上に劣悪なオーディオ音質なら、その時点で選び直しもアリだと思います。
[az_match]

音がいい車を見分ける試乗・試聴方法6つのコツのイメージ

ここでは、私KYOのこれまでの音にこだわった車選びの経験をもとに、実際に音がいい車を見分ける方法・判断のポイントを書かせていただきました。 これまで10年以上カーオーディオの開発に関わらせていただいた経験を活用し、様々な観点から音質を吟味・検討できるよう配慮しましたので、少しでも車選びのご参考になれば幸いです。

中古車を探す場合、気になる車を絞り込むまでの手順詳細については、こちらの”中古車で音がいい車のかしこい探し方[探し方詳細編]“の記事にまとめました。 まだ気になる候補の車を探し途中の場合は、こちら”中古車で音がいい車のかしこい探し方[探し方詳細編]“の記事を先にご覧いただくのがおすすめです。

一方で新車を探す場合は、中古車を探す場合と比べて気になる車を絞り込む作業がそれほど複雑ではないので、このまま読み進めていただいて問題ありません。

PR

悩むより聴く!すべては自分の耳で聴く(試聴する)ところから

まず、絶対におすすめしたいのが、購入候補のクルマの音質を実際に自分の耳で確かめてみることです。

音に関係なく、そのクルマを100%買うと決めている場合や100%買わないと決めている場合は別ですが、そのクルマを買う可能性が1~99%の場合は、絶対に聴いてみることをおすすめします。

少しめんどうな気がしますが、実際、車の販売店の店員さんに、

「このクルマの購入を検討しているので、オーディオの音質を聴かせてください」

言うだけです。

そう言って、「イヤです」「ダメです」とか言う店員さんはよっぽどいません。 減るもんじゃないんですから(笑)。 というか、その前に、お買い上げいただくかもしれない大切な見込み客なんですから。

むしろ、「どうぞどうぞ」って感じだと思います。

確かに、例えば試乗せずにクルマを買う方もいらっしゃいます。

でも、走りにこだわる方は絶対に試乗してから買うはずです。 たとえ、ほぼ買うと決めてたとしても・・・。

なので、オーディオの音質にこだわる方は、むしろ試聴してから買うべきではないでしょうか?  たとえ、ほぼ買うと決めてたとしても・・・(笑)。

音質は、走りと同じで数値化できない人間の感性に関わる官能性能です。

だからこそ、人によって好みが分かれます。 自分の耳で聴いてみるしかないんです。

例えば、高級ヘッドホン・イヤホンを買う時、試聴できるサンプルなどがお店に置いてあれば、試聴せずに買う人はほぼいないと思います。

高級ヘッドホン・イヤホン・・・「高級」と書いたのは、

  • 音質にこだわる人が買うモノ
  • 安い買い物ではない、それなりに値段のするモノ

を強調したかったからです。

実はこれは、音がいい車を見分けるプロセスにも、全く同じことが当てはまると言えます。

是非、自分の耳で、自分好みの音かどうか確かめてみてください。

走りを確かめる”試乗“と音を確かめる”試聴“。 どちらも非常に大切です。 もしもめんどくさければ同時にやってしまえばいいのです。

音がいい車を見分けるための試乗・試聴のイメージ

 

カーオーディオが高音質な音がいい車を見分ける試乗/試聴方法6つのコツ

ここからは、具体的に音質・音がいい車を見分ける試聴方法における6つのコツについて書かせていただきます。

  • 普段乗ってる車の音質との相対比較で試乗・試聴
  • 今まで自分がいいと感じた音質との相対比較で試乗・試聴
  • 試聴再生ソースは自分が普段車で聴いてる聴き慣れたCDで試乗・試聴
  • 試聴時間は1曲あたり長くても2分以内で試乗・試聴
  • 車を選べるならなるべく古い展示車・試乗車で試乗・試聴
  • 購入検討中の内装仕様・装備に近い展示車・試乗車で試乗・試聴

次章からは、1項目ずつ解説していきたいと思います。

 

普段乗ってる車の音質と相対比較で試乗・試聴

音は、人間の感性に関わる性能であり、すべての人が納得できるだけの良し悪しを決める絶対的な数値基準はありません

また自分の好みという基準に絞ったとしても、なかなか絶対的な基準を設定するのが難しいです。

もし、あるとき

「自分にとっては、この音質が好きなので、これが基準!」

と設定できたとしても、それをずっと覚えておくのはとても難しいし、その日の気分や体調によって微妙に好みが変わってしまったりもします。

なので、比較的簡単な、

  • その場で両方聴き比べる相対比較
  • 比較対象基準は、これまで何度も聴き慣れてきた、自分のクルマの音質

とすることをおすすめします。

 

今まで自分がいいと感じた音質との相対比較試乗・試聴

しかし、どうしても今の自分のクルマの音質と比較できない場合・・・今クルマが無い場合などは、仕方ないので、普段聴いてるポータブルオーディオの音質やホームオーディオの音質など、今までにいいと思った音質と比較してください。

この場合も、

  • その場で両方聴き比べる相対比較
  • 比較対象基準は、これまで何度も聴き慣れてきた自分の聴いたことのある音質

とすることをおすすめします。

ホームオーディオを基準にする場合は、その場で聴き比べるのは難しいかもしれませんが、クルマ販売店に出かける直前に聞いておいたり、自分の家までクルマを持ってきてもらって商談したりするなど、少し工夫することで音質を判断する精度を向上させることができます。

 

試聴再生ソースは自分が普段車で聴いてる聴き慣れたCDで試乗・試聴

また、音質試聴に使うソースは、現時点では、CD、特に自分が普段クルマで聴いてるCDがおすすめです。

音質比較ソース選びのポイントとしては、

  • なるべく違いが分かりやすいよう音質の良いソースを選ぶ
    (mp3等の圧縮音源は、圧縮率の高いものほど音質差が分かりにくくなる傾向あり)
    →CDはハイレゾ音源を除き、現時点でほぼ最高音質の汎用メディア
  • iPod・ウォークマン等の外付け機器を使って比較したい場合は、
    両方のクルマで同じ接続方式とする(接続方式の差による音質差を排除)
    →CDデッキはほぼすべてのクルマに内蔵されているので間違いが少ない

例えば普段からCD同等以上のハイレゾ音質対応のiPod・ウォークマン等を今のクルマに接続して音楽を聴いてらっしゃる場合は、両方のクルマで同等の接続方法で接続できるならそちらでも構いません。

例えば、普段はAUX接続なのに、試聴したいクルマにAUX端子が無いからBluetooth接続で比較とかはやめた方がいいと思います。(Bluetooth接続は一般的に音質劣化が大きいです)

接続方式の違いによって音質が変わってしまい、オーディオシステム本来の音質差にフォーカスして比較できなくなるからです。

 

試聴時間は1曲あたり長くても2分以内で試乗・試聴

また、試聴時間は1曲あたりで長くても2分以内とするのがおすすめです。

長く聴きすぎると、耳が慣れてしまい、差が分かりにくくなるからです。

もちろん、ミュージシャン・スタジオエンジニア級の耳をお持ちの方は、私が言うまでもなく、ご自由にご自分のペースでお聴きいただいて問題ありません(笑)。

 

選べるならなるべく古い展示車・試乗車で試乗・試聴

さらに、新車で買う場合に複数の展示車・試乗車から選べる場合は、スピーカー・アンプのエージングが進んでいることを期待してなるべく古いクルマで試聴されるといいと思います。

 

購入検討中の内装仕様・装備に近い展示車・試乗車で試乗・試聴

同じように、複数の展示車・試乗車から選べる場合、自分が購入検討中のクルマの装備とできる限り同じ内装・シート仕様(主に革系か布系)に近いクルマで試聴されるといいと思います。

中古車の場合は、そのものズバリのクルマで試聴できれば問題ないのですが、新車の場合はそのものズバリのクルマは普通、注文前には存在しないので、なるべく近いものを選ぶようにするしか無いのです。

ちなみに内装材の違いは、わずかながら音質に影響することが分かっています。
感性についての表現なので、やや抽象的な表現になってしまいますが、

  • 革系の内装:内装表面がかたいので反射が多くなって明るいキラキラした音
  • 布系の内装:内装表面がやわらかいので吸収が多くなってやわらかいマイルドな音

という傾向にあります。

 

購入判断に関わる5つの条件と優先順位

最後に「これだ!この車に決めた!」と、高音質スピーカー搭載された音がいい車の購入を決断する時、何をもとに判断すればよいか、私なりに整理してみました。 もしよろしければ、参考にしてください。

  • ディーラー販売員の前向きな意見:買う瞬間の満足感のみ
  • 価格:買う瞬間とその後しばらくの満足感のみ
  • スピーカーの数:所有感による満足感のみ
  • オーディオブランドイメージ:所有感による満足感のみ
  • 音質購入後ずっと続く満足感、ただし飽きる場合あり(笑)

モノを買う時、「よし!これだ!」と自分が納得・満足しないとなかなか買うことができません。

大きな額の買い物であればあるほど、大きな納得感・満足感が必要となります。

しかし、長く使うモノは買った瞬間の満足感だけでなく、継続する満足感が後々効いてくると思います。

よって、特に上の5つのうち、

  • 音質 >> オーディオブランドイメージ > スピーカーの数 > 価格 > ディーラー販売員の意見

という優先順位で、判断されてはいかがでしょうか?

ディーラー販売員の意見は、購入検討中は自分の頭の中を整理したりするのに大変参考になりますが、購入後しばらく経つと忘れてしまうものです。

また、価格についてもクルマの購入検討中は、支払いのやりくりなどをいろいろ考えてしまい、比較的小さい額の価格差が非常に気になってしまいます。

もちろん無理のない範囲の買い物であることが前提ですが、小さい価格差を気にしたところで購入後時間が経つと結局忘れてしまうものです。

やはり、普段聴き続ける音質で選ぶのが、最終的な満足感に直結するのです。

 

下取り価格を高くする交渉・買取り店への売却を検討

もしも費用を少しでも節約したい場合、オーディオ装備の費用を下げるのではなく、下取り費用をなるべく高くしてもらえるよう交渉したり、下取りではなく買取店を利用したりするのもおすすめです。

お得に車を購入する方法の中でも、最も分かりやすく価格差が出てしまうのが、

  • 下取り価格を高くする交渉
  • 下取りではなく車買取り店の利用

の2つです。

実際、私もこれまで3回クルマを買い替えた経験がありますが、

  • ディーラーへの「下取り車の価格、これ以上高くならですかね?」という交渉
  • 車買取り店への見積依頼(最終的にディーラー下取りにした場合だとしても)

だけは毎回行ってます。 そして偶然なのか3回とも最初のディーラー下取り提示価格よりも車買取り店の価格の方が10~20万円程度高いという経験をしています。 逆に言えば、少し面倒とは言え、買取り店で見積を取っておかないと10~20万円損してしまう場合もあるってことなんです。。。

ちなみに過去私が乗換等で売却した車のディーラー下取りと買取り店の差額は以下の通りです。

  • 旧型トヨタソアラ(走行13万km)→買取り店の方が10万円高い。が、めんどくさかったのでディーラーで下取り(後に後悔(笑))。
  • 旧型トヨタヴィッツ(走行7万km)→買取り店の方が15万円高い。が、ディーラーと再交渉したら20万円追加値引きしてくれたので下取り。
  • レクサスCT200h(走行5万km)→買取り店の方が17万円高い。ディーラーと再交渉するも結果変わらずで、そのまま買取り店で売却。

過去私が手放した旧型トヨタソアラの場合は年式古く不人気の2ドアクーペだったので10万円の価格差でしたが、もしもSUV・ミニバンなどの人気車リセールバリューの高いトヨタ・レクサス車であれば、場合によっては想像以上の買取り高値がつくこともあります。

仮に最終的に買取り店で売却しないとしても買取り店での自車の買取り価格を知っておくということは、

  • ディーラーや中古車販売店で下取り価格UPの交渉材料として使える
  • ディーラーや中古車販売店で値引き+下取り合わせた価格UPの交渉ができる

と、ディーラー・販売店での価格交渉時の強い武器となります。 販売員との価格交渉の結果、

  • ディーラー・販売店で納得いく下取り(+値引き)価格が得られた場合 → 買取り店での売却はキャンセルしてディーラー・販売店で下取り
  • ディーラー・販売店で納得いく下取り(+値引き)価格が得られない場合 → 新しい車は販売店から買う場合でも前の車は調べておいた買取り店へ売却

と、すればよいのです。 できる限り納得いく買い物をしたい私は、毎回この方法を利用し、ディーラーでの下取り(+値引き)価格アップも経験しています。

ちなみに特に、ディーラーでの下取りよりも買取り店を利用するのがおすすめの場合としては、

  • 軽自動車・SUV・ミニバン等の人気のカテゴリーの車を売却する場合(市場での流通性が良く高値が付く確率が高い)
  • ホイール・ナビ交換等の社外品カスタマイズありの場合(下取りの場合は純正品以外はマイナス評価)
  • 手続きが多少手間でも買取り価格は高い方が納得できる場合(販売店だけでなく買取り店でも手続きが必要)

です。 上記3つの項目に1つでもあてはまる場合は、自分のクルマの買取り価格の確認だけはしておかないと、数万円単位の損につながる可能性があります。

ここで、ためしに今時点の自分のクルマの価格を調べるには、状況に応じて以下2つの方法を使い分けるのがおすすめです。

  • 時間・手間をかけずまずは大手1社の情報で確認 → 自分の車の現状最新価格を確認(情報提供:ガリバー)
  • 多少時間をかけてでも数社の中から一番高く買取る店を探す → 自分の車の現状最新価格を確認(情報提供:カーセンサー)

どちらの方法も無料です。 自車の買取り価格を知っておくということは、次の車を選ぶ時にどれだけ購入資金の足しにできるかの目安にもなります。 仮に今すぐ車を買い替える予定が無くても、現時点の買取価格+今後の価格変動相場を知っておくことは、買い替えタイミングを考える上でも、十分に意味があることと言えます。

PR